妊活中のコーヒーが体に与える影響は?男性・女性で違う?理由とともに解説
妊活と栄養
2022.12.01

妊活中のコーヒーが体に与える影響は?男性・女性で違う?理由とともに解説

※本記事は管理栄養士が執筆しております※

「妊活中にコーヒーは飲んでもいい?」「それとも控えた方がいい?」と気になっているカップルも多いのではないでしょうか?

妊活中の男女はコーヒーを飲みすぎないようにし、1日3〜4杯までを目安とすることが大切です。主成分であるカフェインの過剰摂取は不眠や心拍数の増加、胎児の低出生体重につながるおそれがあります。

この記事ではコーヒーに含まれる成分や1日の推奨量、コーヒーに合うスイーツレシピを紹介します。ぜひ読んで妊活中も楽しいコーヒータイムを過ごしましょう。

⽬次

  1. コーヒーに含まれる成分
  2. 妊活中の男女別、理想の心身の状態
  3. 妊活中のコーヒーはOK?NG?適正量はどれくらい?
  4. カフェインレスコーヒーや紅茶もおすすめ
  5. コーヒーに合う妊活におすすめの手作りスイーツ
  6. まとめ

コーヒーに含まれる成分

コーヒーは、世界各地で愛される飲料です。コーヒー豆の主な生産地としてブラジルやコロンビア、東南アジアやアフリカ諸国が挙げられます。コーヒー豆に含まれる特徴的な成分は、カフェインやポリフェノール、コーヒーオリゴ糖です。

カフェイン

コーヒーのカフェイン含有量は1杯(150ml)あたり約80mgで、お茶やココアの約2倍です。カフェインはアルカロイドという化合物の仲間であり、似た構造を持つアデノシンの働きを阻害し、神経を興奮させます。主な働きとして眠気覚ましや血管拡張作用、胃酸分泌・利尿作用の活性化が挙げられます。自律神経の働きを高め、基礎代謝を上げることから脂肪燃焼効果も期待される成分です。コーヒー豆やカカオ豆から抽出されるカフェインは食品添加物としても登録されており、エナジードリンクや風邪薬、酔い止めなどにも利用されています。

ポリフェノール

ポリフェノールは植物が自らを守るために作り出す、苦みや色素の成分です。抗酸化作用をもち、細胞を老化させる活性酸素を無害な物質に変えてくれます。ココアに含まれるカカオポリフェノールやお茶に含まれるカテキン、ブルーベリーに含まれるアントシアニンなど5000種以上のポリフェノールが存在しますが、なかでもコーヒーに含まれるクロロゲン酸は摂取量の多いポリフェノールです。コーヒー豆のほかにもりんごやさつまいも、じゃがいもやごぼうに含まれており、血糖値の改善や脂肪肝予防に効果的だといわれています。

コーヒーオリゴ糖

コーヒーオリゴ糖(コーヒー豆マンノオリゴ糖)はAGF(味の素ゼネラルフーヅ株式会社)の研究により、コーヒー豆から新たに抽出・精製された成分です。コーヒーオリゴ糖は小腸で分解されず、大腸に生息するビフィズス菌などの善玉菌のエサとなるため、善玉菌を増やして腸内環境をよくし、腸の働きを活発にします。ほかにも脂肪の吸収を抑え、代謝を上げる効果や抗アレルギー作用が注目されています。

妊活中の男女別、理想の心身の状態

妊活中は心と体を健康に保つことが大切です。ストレス源を減らして十分な休息を取り、痩せすぎや太りすぎに気をつけましょう。以下の計算式で自分の体格指数を計算できます。日本肥満学会ではBMIが22となる体重を適正体重(標準体重)と定め、最も病気になりにくい体重としています。

体格指数(BMI)=[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]

適正体重=[身長(m)の2乗]×22

体格指数(BMI)による肥満の判断基準

低体重

普通体重

肥満

18.5未満

18.5以上25未満

25以上

出典:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html

女性の場合

適度な運動により、全身の筋肉を動かして卵巣や子宮の血流を改善しましょう。BMIが18.5未満の人は月経不順や早産、低出生体重のリスクが高いといわれます。妊娠前から主食・主菜・副菜3つがそろった食事を心がけましょう。睡眠時間が確保され大きなストレスもなく、ホルモンが正常に分泌されている状態が理想です。

男性の場合

太りすぎると脂肪によって精巣が温められ、男性ホルモンのテストステロン分泌や精子の量に影響を与えます。食事や運動量を見直し、生活習慣を整えましょう。男性の不妊は緊張やストレスなど心の不調が原因となることがあります。ストレス源をできるだけ減らし、リラックスできる時間を作りましょう。

妊活中のコーヒーはOK?NG?適正量はどれくらい?

コーヒーに含まれるカフェインの過剰摂取は、中枢神経系の刺激によりめまいや心拍数の増加、興奮、不眠症などの症状をもたらすことがあります。日本ではカフェイン摂取量の目安は定められていませんが、アメリカやカナダで発信している1日の推奨量は400mgです。世界保健機関(WHO)は出生時の低体重や流産、死産のリスクが高まる可能性があるとして、1日に300mg以上のカフェインを摂取する妊婦に注意喚起を行っています。

コーヒー1杯(150ml)あたりのカフェイン量は60〜90mgであるため、妊活中の男女は1日3〜4杯までを目安としましょう。妊娠中の女性はカフェイン摂取を控えた方が安心です。コーヒー以外の飲み物にもカフェインは含まれており、エナジードリンクは1缶で100mg以上のカフェインを含むものもあるため注意してください。

参考:https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html

飲み物のカフェイン濃度

コーヒー

60mg/100ml

インスタントコーヒー(顆粒製品)

57mg/100ml

紅茶

30mg/100ml

せん茶

20mg/100ml

エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料(清涼飲料水)

32~300mg/100ml

(製品1本当たりでは36~150mg)

出典:http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf

カフェインレスコーヒーや紅茶もおすすめ

カフェインの効果は個人差が大きいといわれます。カフェインに敏感で不眠につながりやすい人は、カフェインを取り除いたカフェインレスコーヒーはいかがでしょうか。二酸化炭素除去法や水抽出法といった方法で、カフェインを90%以上除去したものがカフェインレスコーヒーとよばれています。

また、紅茶はコーヒーと比べてカフェイン量が約半分であり、緊張を和らげてリラックスさせる飲み物です。タンニンとよばれるポリフェノールの殺菌・抗菌作用が注目されています。

コーヒーに合う妊活におすすめの手作りスイーツ

手作りスイーツと一緒にコーヒーを楽しむのはいかがしょうか。コーヒーに合うおいしいスイーツレシピを3つ紹介します。妊活中の間食におすすめしたい低糖質でタンパク質やビタミンが摂れるスイーツです。ぜひ作ってください。

コーヒーに合う妊活スイーツ① おからで作ったスコーン

材料(8個分)

  • おからパウダー 50g
  • 卵 2個
  • 砂糖 30g
  • サラダ油 20g
  • ベーキングパウダー 4g
  • チョコチップ 40g

作り方

  1. ボウルに卵・砂糖・サラダ油を入れ、泡立て器で混ぜる
  2. 1におからパウダーとベーキングパウダーを加えて混ぜる
  3. 2にチョコチップを混ぜ込む
  4. できあがった生地を1.5㎝の厚さに伸ばし、8等分する
  5. オーブンシートを敷いた天板にのせ、180度に予熱したオーブンで20分焼く

焼き時間はオーブンによって変わるため様子を見ながら加熱してください。小麦粉の代わりにおからパウダーを使うことで糖質を抑えられ、食物繊維がプラスされます。チョコチップの代わりにくるみやドライフルーツを入れるのもおすすめです。

コーヒーに合う妊活スイーツ② 豆腐のジェラート

材料(2人分)

  • 絹ごし豆腐 150g
  • 牛乳 50ml
  • 砂糖 20g
  • きなこ 適量
  • 黒みつ 適量
作り方

1.ボウルに絹ごし豆腐・牛乳・砂糖を入れ、泡立て器で混ぜる

2.1を冷凍庫で30分冷やし、スプーンでかき混ぜる

3.2を2~3回繰り返す

4.器に盛り、お好みできな粉や黒みつをかける

冷凍する際にチャック付きポリ袋に入れると混ぜやすくなります。豆腐を使ったスイーツで不足しがちなタンパク質やビタミンを摂りましょう。

コーヒーに合う妊活スイーツ③ かぼちゃのタルト

材料(4人分)

  • ビスケット 100g
  • 牛乳 50ml
  • かぼちゃ(種と皮を除いたもの) 250g
  • 無塩バター 20g
  • 砂糖 30g
  • 卵 1個
  • 牛乳 50ml

作り方

  1. ビスケットを砕いて牛乳を混ぜる
  2. クッキングシートを敷いた耐熱容器に1を敷き詰める
  3. かぼちゃを適当な大きさに切り、電子レンジでやわらかくなるまで加熱する
  4. 3に無塩バターを加えてつぶす
  5. 4に砂糖・卵・牛乳を加えて混ぜる
  6. できあがったフィリングを2に流し込む
  7. 600Wの電子レンジで4分間加熱する
  8. 粗熱を取って冷蔵庫で冷やす

市販のタルトカップを使うとより簡単に作れます。かぼちゃは栄養価が高く、カルシウムや鉄、ビタミン類が豊富です。なかでもビタミンEは血行促進、冷え性の改善効果が期待できます。

まとめ

コーヒーに特徴的な成分としてカフェインやポリフェノール、コーヒーオリゴ糖があり、眠気覚ましや代謝を上げる効果、抗酸化作用が注目されています。しかしカフェインの摂りすぎは心拍数の増加や吐き気、胎児への悪影響があるとされ、摂取量を定めている国もあるため注意が必要です。妊活中のコーヒーは1日に3〜4杯を目安とし、規則正しい生活を心がけて心と体の健康を大切にしましょう。

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