AGA遺伝子検査のメリットと注意点とは？AGA検査の流れと費用、効果的な治療法の選択などを紹介

AGA遺伝子検査とは？

AGAの原因が特定できるAGA遺伝子検査とはどのようなものでしょうか？

ここでは、AGAについて3つ紹介します。

• AGAとは何か？
• AGAの原因と進行メカニズム
• AGA遺伝子検査の概要

以下で、1つずつ詳しく説明します。

AGAとは何か？

AGAとは男性型脱毛症のことで、英語のAndrogenetic Alopeciaを略したものです。男性型脱毛症とは、進行性の成人男性に特有に見られる脱毛症で、生え際や頭頂部が薄くなるのが特徴です。主に遺伝や男性ホルモンの影響が原因だと言われています。

AGAは放置すると進行してしまい、後には取り返しがつかないので、早めに治療することが大切です。

AGAの原因と進行メカニズム

AGAの原因は男性ホルモンのDHT（ジヒドロテストステロン）で、DHTが男性ホルモンの受容体のアンドロゲンレセプターに結合することでAGAは発症します。AGAは髪の毛の成長期を短縮するので、頭皮には細くて短い髪の毛が目立つようになります。

AGAが起こりやすいのは、前頭部や後頭部です。薄毛は徐々に進行するので、気付いたらすぐに対処しなければAGAの進行は止められません。

AGA遺伝子検査の概要

AGA遺伝子検査は、遺伝子を検査しAGA発症リスクや薄毛治療の治療効果を予測することを目的に行われる検査です。AGA遺伝子検査は遺伝によるAGA発症リスクが確認できますが、薄毛がひどくなる前に早めに治療を始めるきっかけにもなります。

AGA遺伝子検査は採血による検査が一般的ですが、医療機関によっては髪の毛や爪などを採取する場合もあります。

AGA遺伝子検査のメリット

AGA遺伝子検査のメリットとはどのようなことでしょうか。

ここではAGA遺伝子検査のメリットを3つ紹介します。

• 遺伝子検査によって得られる情報
• より効果的な治療法の選択
• リスクの把握

以下で、1つずつ詳しく説明します。

遺伝子検査によって得られる情報

AGA遺伝子検査で得られる情報は次の2つです。

• 遺伝的なAGA発症リスク
• AGA治療薬が薄毛改善に有効か

AGA遺伝子検査では遺伝的なAGAの発症しやすさと同時にAGA治療薬が薄毛改善に有効かが分かります。簡単な血液検査で原因が分かり、治療方針を決めることができるので、AGA治療でAGA遺伝子検査はとても重要です。

より効果的な治療法の選択

AGA遺伝子検査ではAGA治療薬の感受性（効くかどうか）を知ることができます。AGAは進行性の疾患なので、効果のない治療薬を使うことは時間を無駄にすることです。効果のない治療薬が分かれば、別の薬を選ぶ、他の方法を検討するなど治療方針を考えます。

リスクの把握

AGA遺伝子検査では、AGAの発症リスクを把握できます。アンドロゲンレセプターのDHTに対する感受性は遺伝しやすいと考えられています。

リスクを把握しておくことでより効果的な治療を行うことが可能です。AGAは進行性なので、AGAであることが分かればすぐに治療を開始することができ、時間を無駄にしないで済みます。

AGA遺伝子検査の流れ

AGA遺伝子検査の流れとは、いったいどのようなものでしょうか。

ここでは、AGA遺伝子検査の流れ、3つを紹介します。

• AGA遺伝子検査の流れ
• サンプルの採取方法
• 検査結果の解析と報告

以下で、1つずつ詳しく説明します。

AGA遺伝子検査キットの取得

AGA遺伝子検査は医療機関で受けるほかに、遺伝子検査キットを購入して自宅で受ける方法もあります。

検査キット取得のための手順は以下の通りです。

• インターネットや電話で申し込み
• 検査試料を採取して返送
• 検査結果の通知

検査キットの検査方法は検査機関で違いますが、唾液などを採取して結果を出します。検査費用は約10,000円〜20,000円で、医療機関で受けるよりも、数千円くらい費用を安く済ませることができます。

検査キットを使用する場合のメリットとデメリットは次の通りです。

• メリット：手軽に検査を受けられる
• デメリット：検査結果がわかるまで時間がかかる

自宅での検査は医療機関に行く必要がないので、手間がかからないというメリットがあります。また、検査結果が判明するのに時間がかかるデメリットもあります。

サンプルの採取方法

医療機関でAGA遺伝子検査を受ける場合のサンプルの採取方法は、採血によるものが最も多いですが、医療機関によって頬の内側の細胞や髪の毛、爪をサンプルとする場合もあります。ほとんどの場合、専門のクリニックで検査を実施するのではなく、外部の専門の遺伝子検査機関に外注するのが一般的です。

検査キットを購入し自宅でAGA遺伝子検査を受ける場合のサンプルは、頬の内側の細胞の採取や唾液の採取を行い、検査機関へと送付します。

検査結果の解析と報告

医療機関で検査を受けた場合も自宅で検査を受けた場合も、検査自体は専門の遺伝子検査機関に外注されている場合がほとんどです。

医療機関で検査を受けた場合は、検査結果と一緒に詳細な説明が聞けたり、今後の見通しなども相談できるメリットがあります。しかし、AGAの遺伝子検査は今のところ、信憑性が高いとは言えないので注意してください。

AGA遺伝子検査を受ける前に知っておくべきこと

AGA遺伝子検査を受ける前に知っておくべきことにはどのようなことがあるのでしょうか。

ここでは、AGA遺伝子検査を受ける前に知っておくべきこと3つを紹介します。

• 検査の必要性と限界
• 遺伝子検査の感受性について
• 検査費用と保険適用の可能性

以下で、1つずつ詳しく説明します。

検査の必要性と限界

AGA遺伝子検査はAGAの発症が遺伝によるものか、患者がAGA治療薬に反応するタイプなのか知るのに大切ですが、AGAの遺伝子検査は今のところ、信憑性がそう高くはないという限界もあります。

AGA遺伝子検査を信じて治療を行ったために、時間を無駄にしてしまう可能性もあります。AGA遺伝子検査を受ける場合も検査の必要性と限界を確認して、AGA遺伝子検査の受検の可否も含めて医師のアドバイスを受けましょう。

遺伝子検査の感受性について

AGA遺伝子検査は「信憑性がない」「意味ない」とも言われています。学者によりAGAリスクがわかるのか意見が分かれるからです。

遺伝学の知識普及なども目的にする日本人類遺伝学会は、広く一般に行う遺伝子検査に問題提起しています。また、メタ分析という研究を集計した大規模な研究で、アンドロゲンレセプター遺伝子とAGAリスクに、特に白人では明らかな関係が見つからなかったと言われています。

AGA遺伝子検査は結果が必ずAGA発症を決めるわけではなく、基本はAGAに対する対策を立てる上での手段の1つです。

検査費用と保険適用の可能性

AGA治療は基本的に保険適用外の自由診療なので、診察料や検査料などは全額自己負担です。AGA遺伝子検査も保険適用外の自由診療で、検査料は全額自己負担です。

AGAクリニックによっては、患者の経済的負担軽減のために、AGA遺伝子検査を実施しないクリニックもあります。遺伝子検査は必須ではないですが、AGA治療を効率的に行うため、また副作用リスクを減らすために、AGA治療を検討されている方は受けることをおすすめします。

AGA遺伝子検査を受ける際の注意点

AGA治療では大切なAGA遺伝子検査ですが、AGA遺伝子検査を受ける際の注意点にはどのようなことがあるでしょうか。

• 検査キットの選び方
• 検査キットの使用期限について
• サンプル採取時の注意点

以下で、1つずつ詳しく説明します。

検査キットの選び方

AGA遺伝子検査キットを選ぶ際に比較するべきポイントは、以下の3つです。

• 検査内容の違い
• アフターケアの違い
• 価格

検査キットによって検査内容は少し異なります。検査を受ける前に「AGA遺伝子検査で何を知りたいか」という目標をはっきりさせておきましょう。

AGA遺伝子検査でわかるのは、以下の4つです。

• AGA発症のリスク
• AGA治療薬「フィナステリド」への感受性
• 頭皮の強さ
• 円形脱毛症の発症しやすさ

AGA発症リスクの高い人や頭皮が弱い人は、AGAになりやすいといえます。また、AGA治療薬「フィナステリド」の感受性が低い人は、AGA治療には別な手段を検討した方がよいでしょう。

AGAを予防するのかAGAを改善するのかによって、選ぶキットも変わります。すでにAGAで悩んでいる人には、遺伝的体質に合う育毛剤のような直接的なアフターケアがよいでしょう。検査結果に関して専門スタッフがメールなどでサポートするサービスもあります。AGA遺伝子検査キットの価格は13,000円〜50,000円と幅があり、高価なものはアフターケア商品込みというキットもあります。

検査キットの使用期限について

検査キットの使用期限は、検査試料を採取する「採取容器」に記載されています。使用期限を過ぎてしまうと検査できない場合があるので、検査キットを購入して検査を受ける場合は採取容器に記載されている使用期限を確認して、早めに採取しましょう。

サンプル採取時の注意点

検査キットには「スワブ式」と「唾液式」の2つがあり、粘膜や唾液などで検査します。それぞれのサンプル採取時の注意点は以下の通りです。

【スワブ式：綿棒で口腔内粘膜をこすり取って行う検査】

• 検査前にうがいをする
• 検査用綿棒で頬粘膜の内側を数回こする
• 綿棒を元のケースに戻すときは他のものに触れないようにする

【唾液式：唾液を使って行う検査】

• 検査前は食べ物を口にしない、口紅などの化粧もしない
• 検査直前にうがいをする
• 検査チューブの目盛り線まで唾液を垂らして入れる
• 採取後、容器のふたをすると中に保存液が出てくる

注意事項を守り、正しい結果が得られるようにしましょう。

AGA遺伝子検査の正確性と信頼性とは？

遺伝子検査の結果で薄毛の可能性が高くても発症しない場合もあります。AGA遺伝子検査の正確性と信頼性は現時点でどのくらいなのでしょうか？

ここでは、AGA遺伝子検査の正確性と信頼性について2つ紹介します。

• AGA遺伝子検査でわかることとは？
• 遺伝子検査の結果が悪くてもはげるとは限らない？

以下で、1つずつ詳しく解説します。

AGA遺伝子検査でわかることとは？

AGA遺伝子検査で分かることとは以下の3つです。

• 遺伝的にAGA発症リスクがあるか
• 薬による治療が可能かどうか
• 薄毛の原因がAGAかどうか

適切で効果的なAGA治療を行うためには、原因を知る必要があります。原因によって治療法が変わってくるからです。遺伝的な意味から発症リスクを知っていることは治療上役立つので、できればしておいた方がよいでしょう。

AGA治療は投薬治療が中心のため、薬が体に合わない場合は、別の治療法で進める場合もあります。薄毛の原因がAGA以外の原因かどうかも診断できることもあります。AGA以外薄毛の原因として挙げられるのは、内臓疾患や生活習慣の乱れ、ストレスなどです。

遺伝子検査の結果が悪くてもはげるとは限らない？

遺伝的にAGA発症のリスクが高くても必ず発症するわけではありません。日本人類遺伝学会では「医学的な根拠および科学的な根拠が十分ではない」とAGA遺伝子検査の信憑性について問題提起を行っていると言われています。

しかし、AGA遺伝子検査を受けるデメリットはないとも言われています。

というのは、AGA遺伝子検査の結果「リスクが高い」とされた場合には、リスクに対して最大限の予防をすればよいからです。

まとめ

AGAとは何か、AGAの原因や進行のメカニズム、AGA遺伝子検査の概要やメリット、遺伝子検査によって得られる情報をもとにした治療法の選択などについて解説してきました。

AGAの原因は、遺伝的な要因が大きく関与しているので、遺伝子検査を行うことで、AGAに関連する遺伝子を特定することができ、より効果的な治療法を選択することができます。また治療薬が自分に合っているかどうかの情報も得ることができます。

AGA治療の検討をされている方は、AGA遺伝子検査受検についても検討しましょう。