AGAとは?原因や治療法を詳しく解説!

  • そもそもAGAってどのような状態?
  • どうしてAGAになるの?
  • AGAはどのような治療を行うの?
  • AGAを予防する方法はあるの?

AGAについて上記のような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。AGAとは通常、男性ホルモンの増加が原因で薄毛などの症状が出る進行性の病気です。薄毛が気になってきたと思う方は、病院を受診し薄毛の原因がAGAなのか診断を受けましょう。

AGAには塗り薬や飲み薬による治療だけでなく、注射や手術による治療方法もあります。治療方法の選択は症状の進行状態によって違うため、早めに治療を始めることが大切です。早期にAGA治療を開始すると、治療費を抑えた治療方法を選択することができます。

本記事ではAGAについて網羅的に解説しますので、ご参考ください。

目次

    そもそもAGAとは?

    AGAとは(androgenetic alopecia)の略で男性型脱毛症のことをいい、思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症です。脱毛は見た目の印象を大きく左右するため、QOL(Quality of life)に与える影響が大きくなっています。

    髪の毛が生えてから抜けるまでの一連の流れをヘアサイクルといい、ヘアサイクルは成長期→退行期→休止期の3つで成り立っています。AGAはヘアサイクルの成長期が短くなり、前頭部や頭頂部の髪の毛が細く短くなり、最終的に薄毛になる病気です。

    AGAの発症には遺伝と男性ホルモンが関与することが報告されています。

    AGAが起きるメカニズムを解説

    AGAは、男性ホルモンのテストステロンが5α還元酵素によって、ジヒドロテストステロン(DHT)へ変換されることによって発症します。DHTがヘアサイクルを乱すと、通常2〜6年とされる髪の毛の成長期が数ヶ月に短縮され、髪の毛が太く成長する前に抜けてしまい薄毛を引き起こします。

    AGAは主に前頭部や頭頂部の髪の毛が細くなり、薄毛になるのが特徴です。

    AGAの原因について紹介

    AGAは5αリダクターゼ(還元酵素)の活性度と男性ホルモンレセプターの感受性の高さが原因であると考えられています。ここでは、AGAの原因について詳しく解説しますのでご参考ください。

    5αリダクターゼの活性度

    AGAを発症している人の抜け毛にはジヒドロテストステロン(DHT)が多く含まれていることが分かっています。男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼの作用を受けてDHTは作られます。

    5αリダクターゼの活性度が高い人ほど、テストステロンがDHTへ変換されるため、AGAを発症する可能性が高くなるでしょう。

    男性ホルモンレセプターの感受性

    男性ホルモンレセプターの感受性が高いと、DHTを過剰にキャッチするため、薄毛の原因となります。

    DHTが男性ホルモンレセプターに結合すると、TGF-βが生成されます。TGF-βは脱毛を促す作用があるタンパク質の1つです。男性ホルモンレセプターの感受性が高く、DHTが男性ホルモンレセプターに多く結びつくと、脱毛因子のTGF-βがたくさん作られ、AGAを引き起こしやすくなります。

    AGAのセルフチェックをやってみよう

    日本人男性の場合、20歳代後半〜30歳代にかけてAGAの症状が現れ、治療をせずに放置すると、徐々に進行し40歳代以後に完成すると言われています。そのため、若いうちからセルフチェックをすることが大切です。ここではAGAのセルフチェックについてご紹介します。

    • 抜け毛が徐々に増えてきた。
    • おでこが広くなった。
    • 頭頂部のボリュームが減った。
    • 髪の毛1本1本が細く、短くなった。
    • 父親、祖父など血のつながった人にAGAの人がいる。

    もしセルフチェックでチェックが多くつくときは、医療機関を受診して診察を受けることをおすすめします。

    抜け毛が徐々に増えてきた。

    AGAの初期段階では抜け毛が起こるため、抜け毛が増えたことによってAGAかもしれないと不安に感じる方も多いようです。

    通常のヘアサイクルでも抜け毛は起こりますが、多くの髪の毛が抜けるときには髪の毛が細くなっている可能性が考えられ、AGAの発症を疑う必要があります。

    起きた時の枕に抜け毛がたくさんあるときや、洗髪するときに今までより抜け毛が多いときにはAGAを発症しているかもしれません。

    おでこが広くなった。

    AGAは前頭部の頭髪が柔らかくなって、細く短くなり薄毛となるパターンもあります。おでこの生え際がM字になってきておでこが広くなったと感じる方はAGAかもしれません。

    数年前の写真と現在のおでこの広さを比べて、おでこが広くなっているかもしれないと思った時は病院を受診してAGAの診断を受けることをおすすめします。

    頭頂部のボリュームが減った。

    おでこと同様に頭頂部もAGAが発症しやすい場所の1つです。昔と比べて頭頂部のボリュームが減って、頭頂部がペタンとしているかもしれないと感じる方はAGAの可能性が考えられます。

    髪の毛1本1本が細く、短くなった。

    AGAは髪の毛のサイクルのうち成長期が短くなって発症します。成長期が短くなると、髪の毛が太くなる期間が十分に確保できないため、髪の毛が1本1本が細く、短くなります。

    AGAは前頭部や頭頂部に発症することが多いため、前頭部や頭頂部の髪の毛が細く短くなったと感じる方はAGAを疑いましょう。

    父親、祖父など血のつながった人にAGAの人がいる。

    AGAの発症には男性ホルモンの一種ジヒドロテストステロン(DHT)が関与しており、5α還元酵素の活性度は遺伝しやすいと考えられています。5α還元酵素の活性度が高いと、DHTが作られやすく、AGAを発症しやすくなります。

    AGAは遺伝的要因があると報告されているため、血のつながった人にAGAの人がいるときには注意が必要です。

    AGA治療方法は?

    AGAの治療方法にはさまざまな治療方法があります。ここでは「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」の推奨度と共に治療方法を解説していきますので、ご参考ください。

    治療方法男性型毛症診療ガイドライン2017年版 における推奨度(男性の場合)
    ミノキシジル(塗り薬)A(行うよう強く勧める)
    フィナステリド・デュタステリド(飲み薬)A(行うよう強く勧める)
    注入療法C2(行わないほうがよい)
    自毛植毛B(行うよう勧める)

    ミノキシジル

    ミノキシジルの塗り薬は推奨度Aで、積極的に治療を行うべきと判断されています。一方で、飲み薬のミノキシジルは推奨度Dで行うべきではないと報告されています。ミノキシジルを治療方法として選ぶ場合は、塗り薬を使用しましょう。

    2022年時点で、ミノキシジルの飲み薬が男性型脱毛症に対する治療薬として認可されている国はありません。ミノキシジルを治療薬として選ぶときは国内で認可されている塗り薬を選択することをおすすめします。

    フィナステリド・デュタステリド

    医師の処方箋が必要な薬であるフィナステリドとデュタステリドはテストステロンをより活性の高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換する2型の5α還元酵素を阻害(ザガーロは1型も阻害)します。その結果、テストステロンからDHTへの変換を抑制し、薄毛の進行を抑えます。

    フィナステリドとデュタステリドは血清前立腺特異抗原(PSA)に影響を与えるため、前立腺癌などの検査を受けるときは、検査を実施する医師にフィナステリドまたはデュタステリドを服用していることを伝えてください。

    発毛に効果があるミノキシジル塗り薬を併用するとより高い効果が期待できます。

    注入療法(メソセラピー、HARG療法)

    直接頭皮に有効成分を注入する方法として、メソセラピーとHARG療法があります。メソセラピーで注入する薬剤に決まりはありませんが、HARG療法はAAPEと決まっています。AAPEは健常なドナーから採取した脂肪組織を培養し、成長因子などを凍結乾燥させた薬剤です。

    塗り薬や飲み薬と比べて効果を実感できるまでの期間が短くなる可能性が高いでしょう。

    自毛植毛

    自毛植毛とは薄毛が気になる部分に自分の髪の毛を移植する方法です。アメリカでは、FDA(Food and Drug Administration)という日本の厚生労働省にあたる機関で認可されていますが、2022年時点で日本では認可されていません。

    植毛の種類には自分の髪の毛を移植する自毛植毛と人工毛を移植する人工毛植毛の2種類があります。人工毛植毛は移植後の副作用などの問題があり、推奨度も低い治療方法ですが、自毛植毛は自分の髪の毛を移植するため、移植後の副作用がほとんどありません。

    自分の髪の毛を移植するため、自然な仕上がりになることが期待できます。

    今日からできるAGAのセルフケア

    AGAは病院で治療する方法と同時にセルフケアを行うと、治療効果の継続が期待できます。ここでは、今日からできるAGAのセルフケアをご紹介しますのでご参考ください。

    食生活を改善する

    髪の毛は食べたものの栄養によって作られています。栄養不足になると髪の毛まで栄養が行き届きません。不規則な食生活を改善して、栄養バランスのとれた食生活を心がけると、髪の毛にも良い影響を与えるでしょう。

    髪の毛の99%はケラチンというタンパク質からできています。タンパク質と、タンパク質が作られるのを助けるミネラルをしっかりとることがおすすめです。

    肉・魚・豆腐・卵・納豆・乳製品などのタンパク質が多く含まれている食品と、牡蠣・わかめ・ごまなどミネラルを多く含んでいる食品を積極的にとる食事を心がけましょう。

    飲酒・喫煙を控える

    アルコールを摂取するとアセトアルデヒドが発生します。アセトアルデヒドはAGAの原因物質のひとつである5α還元酵素を増やすと考えられているため、飲酒を控えるとAGA発症の予防につながる可能性があります。

    喫煙もAGAの原因の1つです。タバコを吸って影響を受けるのは肺だけではありません。タバコに含まれるニコチンは血管へも影響を与えます。ニコチンの血管を縮める作用によって、頭皮の血流が悪くなり、栄養や酸素が髪の毛まで行き届かなくなります。

    喫煙はAGAを引き起こす原因の1つであるため、AGAを予防するために禁煙を検討しましょう。禁煙をすると、髪の毛の発育不全を予防することができます。

    頭皮のケアを行う

    抜け毛を防ぐためには、頭皮のケアを行うことが大切です。頭皮の環境が悪くなると抜け毛が進みます。

    毎日の洗髪方法が薄毛の原因となっている可能性もあるため、髪の毛の洗い方やシャンプーを見直すことも頭皮ケアの1つです。使用しているシャンプーの洗浄力が強すぎると、皮脂を洗い流し過ぎて頭皮環境を悪化させます。シャンプーに含まれる成分で頭皮に刺激を与えないように、シャンプー選びにも注意してください。

    髪に優しい洗髪方法は以下のとおりです。

    1. 洗う前にブラッシングして汚れを落とす
    2. 熱すぎないお湯で頭皮までしっかりすすぐ
    3. シャンプーを泡立てて優しく洗う
    4. しっかりすすぐ
    5. タオルで髪を挟みながら水分をとる
    6. 頭皮から20cm以上離してドライヤーで乾燥

    頭皮ケアは優しく取り組み、余計な刺激を避けましょう。

    AGAの治療は早めに医療機関へ

    「抜け毛が増えてきたかもしれない」「おでこが広くなったような気がする」など不安を感じたときは、早めに医療機関へ行きましょう。AGAは進行性の病気であるため、治療をしないと症状が進みます。

    また「AGAかもしれない」と自己判断すると、円形脱毛症などの病気を見逃す可能性もあるため、自分で判断せずAGAの診断を受けることが大切です。

    抜け毛が増えた原因がAGAだと診断されたときは、早めに治療を開始することができます。

    早い段階で病院を受診して、治療を始めると自毛植毛などの治療方法ではなく、塗り薬や飲み薬による治療で効果を感じられる可能性が高いでしょう。

    医療機関を選ぶときにはAGA治療に豊富な実績があり、ガイドラインに基づいた治療を行っている施設を選ぶことをおすすめします。

    まとめ

    AGAはヘアサイクルの過程で成長期が短くなり、前頭部や頭頂部の髪の毛が細く短くなり、最終的に薄毛になる病気です。遺伝的要因や男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)が増えることによってAGAを発症します。

    AGAには様々な治療方法があります。通常、塗り薬(ミノキシジル)と飲み薬(フィナステリド・デュタステリド)による治療が一般的で、これらの治療方法は症状が軽度のときに選らばれる治療方法です。

    「頭頂部が薄くなった」「髪の毛が細くなってきた」などの症状を感じたときは、豊富な実績があるAGA治療クリニックなどの受診を早めに検討しましょう。

    記事をシェアする

    まずはAGA治療のオンライン診療予約へ