ヘム鉄の効果や働き|欠乏によるリスクも含め必ずご確認ください

※本記事は薬剤師が執筆しております※

「ヘム鉄ってよく聞くけれど、どんな効果があるんだろう」「体の中でどのような働きをしているのだろう」「ヘム鉄不足になると、どんなリスクがあるのだろう」と疑問に思っていませんか?

鉄はビタミンAやヨウ素と同様に欠乏しやすい栄養素として問題視されているミネラルの1つです。食事だけでは不足しやすいため、鉄不足で貧血などのリスクを抱えている可能性があります。鉄不足だからといってサプリメントや薬などで鉄を補給すると、摂りすぎる可能性もあるため注意が必要です。

本記事ではヘム鉄の効果や働きについて説明し、ヘム鉄欠乏によるリスクやヘム鉄を摂りすぎるとどうなるかまで幅広く解説していきますのでご参考にしてください。

目次

    ヘム鉄とは?

    鉄は人の体に必要なミネラルの1つで、血液中の成分である赤血球のへモグロビンに多く存在しています。鉄はタンパク質に結合したヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に分けられます。

    ヘム鉄の特徴

    鉄は酸素を手足の爪や髪の毛など体のすみずみまで運ぶ働きをします。人は酸素がないと生きることができません。鉄が不足すると体中に酸素が届かないため、体が酸素不足になり疲れやすい、ふらつくなど様々な症状が出てきます。ヘム鉄は酸素を運搬する大切なミネラルの1つです。

    ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

    鉄は成人の体内に約3〜5g存在しており、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれ、非ヘム鉄はほうれん草、ひじき、大豆などの植物性食品に多く含まれています。

    含有量の違い

    食品中に含まれる鉄量は動物性食品の方が植物性食品よりも多くなっています。

    食品名鉄量
    ヘム鉄を多く含む食品豚レバー(50g)6.5㎎
    鶏レバー(50g)4.5㎎
    牛レバー(50g)2.0㎎
    かつお(50g)1.0㎎
    非ヘム鉄を多く含む食品糸引き納豆(50g)1.7㎎
    小松菜(ゆで75g)1.6㎎
    ほうれん草(ゆで75g)0.7㎎
    ひじき(50g)0.2㎎

    厚生労働省e-ヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」より抜粋

    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/about

    吸収率の違い

    ポルフィリン環を作っているヘム鉄は非へム鉄より吸収率が高くなります。吸収される過程で、タンニンや食物繊維などの影響を受けにくいためです。ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて吸収性に優れており、非ヘム鉄より約5〜6倍吸収率が高いと報告されています。

    ヘム鉄の効果や働き

    ヘム鉄は酸素を体中に運ぶだけでなく、以下のような働きもあります。

    • 妊活サポート
    • エネルギーの産出
    • 運動パフォーマンスのサポート
    • 若見え効果

    それぞれ詳しく解説していきますので、続きをお読みください。

    男性妊活サポート

    ヘム鉄は男性の妊活をサポートする働きもあります。ヘム鉄には酸素を全身に運ぶ作用があるため、鉄不足は血行不良を引き起こし、妊活を妨げる可能性があります。血行を良くするために妊活中の方は積極的にヘム鉄を摂りましょう。

    エネルギーの産出

    鉄は酸素を運ぶだけでなく、細胞内でエネルギーを生み出す代謝サイクルにおいても必要な栄養素です。体の中で鉄が欠乏すると細胞は十分なエネルギーを確保することができなくなります。吸収されやすいヘム鉄をしっかり摂取し、エネルギーを産出しましょう。

    運動パフォーマンスのサポート

    運動時は呼吸で酸素が必要です。さらに、運動をすると体に大きなダメージを受け、体内の赤血球がこわれやすくなります。運動時は日常生活より鉄を消費しやすいため、鉄の補給を行いましょう。ヘム鉄が不足すると十分なパフォーマンスができなくなります。

    若見え効果

    肌の潤いを保つ役割があるコラーゲンの原料はタンパク質です。体の中でコラーゲンを作る時には鉄やビタミンCが必要です。鉄をしっかり取ることは若くみえることへもつながります。

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    ヘム鉄が不足すると?

    ヘム鉄の効果は分かったけれども、ヘム鉄をどれくらいとれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか?ここではヘム鉄の摂取量とヘム鉄が不足した場合に起こる症状を解説していきます。

    鉄の1日推定摂取量

    鉄の1日推定摂取量は年齢、性別、月経があるかないかによって異なります。厚生労働省が公表している日本人の食事摂取基準(2020年版)は以下のとおりです。

    性別男性女性
    月経なし月経あり
    年齢推定平均必要量推奨量耐用上限量推定平均必要量推奨量推定平均必要量推奨量耐用上限量
    18~29(歳)6.57.5505.56.58.510.540
    30~49(歳)6.57.5505.56.59.010.540
    50~64(歳)6.57.5505.56.59.011.040
    65~74(歳)6.07.5505.06.040
    75 以上(歳)6.07.0505.06.040

    参考:厚生労働省HP「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より抜粋

    https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586568.pdf

    欠乏しやすい成分の1つ

    鉄は欠乏しやすいミネラルの1つです。特に月経がある女性は月経血として体の中から鉄が出ていくため、不足しがちです。女性だけでなく、男性も不足しがちな成分ですので積極的に摂っていく必要があります。食事だけで鉄を摂りすぎることはほとんどないです。。

    ヘム鉄欠乏による症状

    ヘム鉄が欠乏すると鉄欠乏性貧血という病気を引き起こします。ほとんどの場合、症状がなく健康診断の採血で指摘されることがほとんどです。鉄欠乏を放置しておくと以下のような症状がでて日常生活にも支障をきたします。

    • 動機
    • 息切れ
    • 疲労
    • 顔色の変化
    • 爪の変化

    いずれの症状も体内の酸素が不足するために起こります。

    継続して摂取する必要がある

    ヘム鉄は続けて摂り続けなければいけません。赤血球の寿命は約120日で、人の血液は毎日約1%肝臓、脾臓、骨髄で壊されて新しい血液と置き換わります。血液の入れ替わりのためには鉄が必要であり、壊された赤血球から供給されています。そのため、一時的にヘム鉄を補充しても足りないため、継続的に摂取しなければいけません。

    ヘム鉄の摂取方法と注意点

    ヘム鉄は不足しやすいミネラルであるため、効率的に摂取していく必要があります。ここでは、ヘム鉄の効率的な摂取方法や注意点について解説していきます。

    鉄鍋を使用して調理する

    料理をする時に鉄鍋を使用すると効率的にヘム鉄を摂ることができます。鉄鍋で調理すると鉄分が溶け出すため、料理した食事から鉄分を摂取しやすくなります。料理する鍋を鉄鍋へ変えることによって、ヘム鉄を摂ることができるため比較的手軽に取り入れることができる方法です。

    ビタミンCと同時に摂取する

    植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄はビタミンCによって吸収されやすいヘム鉄に変化します。そのため、非ヘム鉄を摂る場合は、ビタミンCを一緒に摂ることによって吸収されやすくなります。

    胃液が吸収を促進する

    胃液の主成分である胃酸に含まれる塩酸は鉄の吸収を促進します。なぜなら、塩酸にはビタミンCと同様に非ヘム鉄をヘム鉄へと変化させる作用があるからです。胃液が十分にある状態だと鉄の吸収が進むため、酸っぱい食品を多く取り入れたり、食事をしっかりとってよく噛み胃液を多くだしましょう。

    【注意】タンニンとの併用を控える

    一緒に摂ることによって鉄の吸収が悪くなる食品もあるため、注意が必要です。ポリフェノールの一種であるタンニンは鉄の吸収を阻害します。タンニンが多く含まれる食品は以下のとおりです。

    • 緑茶
    • コーヒー
    • 紅茶

    鉄を摂るときはタンニンが含まれる食品との併用を控えましょう。

    ヘム鉄の副作用【過剰摂取】

    1日3食の食事でヘム鉄を過剰に摂取することはほとんどありません。しかしながら、サプリメントや薬などでヘム鉄を補う場合には鉄を摂りすぎる可能性もあります。ヘム鉄を摂りすぎると、吐き気や胸やけなど胃腸障害が起こります。また、亜鉛の吸収阻害なども引き起こす可能性があるため、サプリメントや薬の説明書に書かれている1日に決められた摂取量を守ることが大切です。

    小さな子どもは、鉄を摂りすぎると急性鉄中毒を起こす場合があります。嘔吐や下痢などの胃腸症状だけでなく、肝臓にも影響を与えます。親が服用しているサプリメントや薬を間違って飲んでしまう場合もあるため、保管場所にお気をつけください。

    ヘム鉄と薬の相互作用

    ヘム鉄は薬との飲み合わせにはチェックが必要です。ヘム鉄を服用中に風邪をひき、薬を服用しなければいけない時もあると思います。風邪を引いた時に処方される抗菌薬の中には、ヘム鉄と併用することで抗菌薬の効果が弱くなる薬もあります。

    風邪薬だけでなく、甲状腺の治療薬、パーキンソン病治療薬、胃酸の分泌を抑える薬も相互作用が報告されています。

    薬を服用する場合には、医師や薬剤師にヘム鉄を服用していることをお伝えください。

    ヘム鉄の摂取量を把握して継続的に摂取しよう

    ヘム鉄は人の体に必要なミネラルですが、多くの人が鉄不足であると言われています。必要な量も男女で異なるためあなたに必要なヘム鉄の量を把握し、適切な量をとっていかなければいけません。

    ヘム鉄は体の隅々まで酸素を運ぶ重要な役割を担っています。鉄不足になると息切れや動悸などが起こり、ひどい場合には日常生活へも影響します。

    継続的に必要なヘム鉄を摂取し、良いパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。

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