妊活中のビタミンD摂取について解説!豊富にとれる食べ物や1日の摂取量目安など

※本記事は管理栄養士が執筆しております※

妊活中は、栄養の偏りがないように、全ての栄養素をバランス良く摂取していくことが大切です。

摂取したい栄養素のひとつであるビタミンDは、体に良いイメージがありますが、どんな食品に含まれてどんな効果があるのかはあまり知られていないのではないでしょうか。

この記事では、ビタミンDの効能や、どんな食品に豊富に含まれているか、効率的にビタミンDを摂取できる食べ方などを解説していきますので、是非参考にしてみてください。

目次

    ビタミンDの栄養成分とは?

    ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、油に溶けだしやすい性質を持ちます。

    骨や歯の主成分はカルシウムとリンですが、合成にはビタミンDが関わっています。

    ビタミンDは、カルシウムが腸から吸収されるのを促しリンと結合させ、骨に沈着する手助けをしたり、血液中に存在しているカルシウムの濃度の調整を行っています。

    食品ではきのこ類に含まれるビタミンD2と、動物性食品に含まれるビタミンD3があります。

    ビタミンDとしての両者の分子量は同じで、体内で同様に代謝され、ほぼ同じ生理活性作用があります。

    きのこ類に含まれるビタミンD2は日光をあびることでビタミンDに変換されて量が増えます。私たちの体内にもビタミンDの前駆体があり、日光にあたることで活性したビタミンDを増やすことができます。

    ビタミンDは妊活中におすすめ?

    ビタミンDは妊活中に不足がないようにしたい栄養素のひとつです。

    男性では血中のビタミンD濃度が高いほど、精子の運動率が高くなるという報告もあります。

    女性では、ビタミンDが妊娠率などと関わりがあるとの論文もあります。

    妊娠後は必要な栄養は母親から赤ちゃんへ送られます。妊娠前からカルシウムとビタミンDをしっかり摂っておき、骨を丈夫にしておきましょう。

    ビタミンDは特に女性の妊活におすすめ!

    ビタミンDは男性・女性のどちらもしっかり摂りたいですが、特に妊活中の女性におすすめの栄養素です。

    ビタミンDの充足群と不足群を比較した研究では、妊娠率や着床率はビタミンDの充足群が高く、流産率は不足群が高いという研究論文がありました。ビタミンDの酵素と受容体が子宮内膜で発見されていることや、絨毛が発育し子宮内膜に浸潤するのを促進する作用などがあることから、ビタミンDと妊娠や出産に関しての関連性が示されています。

    摂取するときの注意点は?

    ビタミンDは脂溶性ビタミンのため体内に蓄積しやすいです。様々な食品に含まれていることや、体内でも合成されることから不足の心配は少ないとされています。

    しかし、ビタミンDが多く含まれる食品を1度に大量に食べることや、サプリメントの用法を守らないと過剰摂取の恐れもあります。

    ある特定の食品やサプリメントを過剰に摂り続けることは控えましょう。

    ビタミンDの摂取不足

    無理なダイエットや偏った食事が続くと不足の可能性が高まります。ビタミンDは腸管からのカルシウムの吸収や骨の合成、体内のカルシウム濃度の調整に関わるため、不足は骨粗鬆症や骨がやわらかくなる骨軟化症(子供はくる病)などを起こします。

    ビタミンDの過剰摂取

    ビタミンDの過少摂取は高カルシウム血症を引き起こし、血管壁や腎臓、心筋などにカルシウムが沈着します。そのため、腎障害、食欲不振や嘔吐、軟骨組織の石灰化などを起こすリスクが高まると考えられています。

    ビタミンDは妊活中の男性にとってどんな働きがある?

    ビタミンDは男性特有の生殖機能や、精子の質などに関わりがあるとされています。

    アメリカでは、約3600人をED(勃起不全)発症群と非ED群に分け、両者の栄養状態を比較した研究が行われました。結果は、ED発症群は血中ビタミンD濃度が20ng/ml以下となるビタミンD欠乏の割合が優位に高かったという内容でした。

    さらに、デンマークではビタミンDと精子の質に関しての研究が行われ、血中ビタミンD濃度が高いほど、精子の運動率が高くなるという相関関係を発見しました。

    これらの研究結果から、健康な男性への適量範囲内でのビタミンDの摂取が、男性の生殖機能や精子の質の改善効果があることが期待できます。

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    ビタミンDを多く含む食べ物は?

    ビタミンDは魚類、きのこ類(特定の種類)、卵、乳製品などに多く含まれています。

    • あん肝
    • いくら
    • さんま
    • 干しいたけ
    • きくらげ
    • たまご など

    ビタミンDを多く含む食べ物①あん肝

    あん肝には100g中に110µgのビタミンDが含まれています。

    あん肝の成分は約4割以上が脂質です。脂質にはコレステロールの低下や、血栓を予防する働きのあるEPA、記憶力や認知能力に関わるDHAなどが含まれています。

    ビタミンDを多く含む食べ物②鮭

    鮭には100g中に32µgのビタミンDが含まれています。

    アスタキサンチンというカロチノイドの色素が多いため身が赤いですが、鮭は白身魚に分類されます。アスタキサンチンは抗酸化作用があり、活性酸素の生成を防ぐといわれています。

    ビタミンB群も豊富で、食欲不振、疲労回復などの効果が期待できます。

    ビタミンDを多く含む食べ物③いくら

    いくらには100g中に42µgのビタミンDが含まれています。

    レチノール(ビタミンA)は100g中に330µgと多いです。レチノールは皮膚の粘膜の免疫機能の維持に関わり、美容化粧品などでも注目されている成分です。

    魚卵類のなかでもいくらはプリン体が少ないことも特徴です。

    ビタミンDを多く含む食べ物④さんま

    さんまには100g中に16µgのビタミンDが含まれています。

    さんまは季節によって脂ののりが変わり、脂がのっている時期の脂質の割合は20%に達しますが、そうでない時期は数%におちます。

    さんまの脂にはEPAとDHAが豊富に含まれています。EPAは脳卒中や心筋梗塞の予防効果が期待されていますが、体内で合成できないため青魚などを食べて補う必要があります。

    ビタミンDを多く含む食べ物⑤干しいたけ

    干ししいたけには100g中に17µgのビタミンDが含まれています。

    生しいたけと比較すると、各栄養素は干ししいたけの方が多いです。

    乾燥させることでエルゴステン(ビタミンDのもととなる物質)がビタミンDに変換される量も多くなり、カルシウムの吸収率も上がります。

    カリウムも100g中2100mgと多く、浮腫みの改善が期待できます。

    ビタミンDを多く含む食べ物⑥きくらげ

    きくらげには100g中に15µgのビタミンDが含まれています。

    カルシウムや鉄、マグネシウムなどのミネラルや、ビタミンB群が豊富です。

    さらに、きのこ類のなかではトップクラスの食物繊維量のため、便秘予防のためにきくらげを食事に摂り入れるのもおすすめでした。

    ビタミンDを多く含む食べ物⑦たまご

    たまごには100g中に3.8µgのビタミンDが含まれています。

    鶏卵はひなが誕生するまでに必要な栄養素が詰まっており、たんぱく質、ビタミン、ミネラル類が豊富です。

    メチオニンの含有量が多いことも特徴です。メチオニンは必須アミノ酸のひとつで、肝臓でアルコールが分解されるときに必要な成分です。肝臓の機能を活性化する働きもありますので、お酒のお供に卵料理はおすすめです。

    ビタミンDをうまく摂取するコツは?

    ビタミンDは脂溶性のため、油に溶けだしやすい性質をもちます。

    動物性食品は脂が含まれているため、調理の工夫をしなくてもある程度の吸収率は確保できます。

    しかし、同じくビタミンDを多く含んでいるきのこ類は脂質が少ないため、吸収力を上げるには油で炒めるなどの工夫が必要です。

    きのこ類のビタミンD2はビタミンDの前駆体として存在しており、活性化しないとビタミンDの効果も発揮できません。活性化したビタミンDを増やすには、きのこ類はざるに乗せ、日光に当ててから調理すると効率よく摂ることができます。

    ビタミンDの摂取量の目安

    日本人の食事摂取基準では、1日の目安量と、耐用上限量が定められています。

    目安量は、一定の栄養状態を維持するのに十分な摂取量のことです。

    1日のビタミンDの摂取量の目安(µg/日)

    年齢(歳)目安量(µg)耐容上限量(µg)
    男性女性男性女性
    18~498.58.5100100
    妊婦   8.5
    授乳婦8.5

    参照:日本人の食事摂取基準2020年版

    男女別妊活中の摂取量の目安

    妊活中の男女とも、ビタミンDは日本人の食事摂取基準(18~49歳の男女)の目安量である1日8.5µgは最低限摂ることをおすすめします。

    ビタミンDは、女性では妊娠率や着床率などと関わりがあり、男性では精子の運動率やED(勃起不全)と関係があることが示されています。

    妊活中はビタミンDだけ摂ればよいということではありませんが、不足している可能性がある場合は、意識して摂り入れていきましょう。

    栄養素はバランス良く摂取しよう

    ビタミンDはカルシウムの吸収率を高める他、妊娠率や生殖機能と関わりがあることが報告されているため、妊活中に摂りたい栄養素のひとつであるということを説明しました。

    しかし、妊活中は特定の栄養素だけを摂るよう意識するのではなく、必要とされている三大栄養素や、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂ることが大切です。

    理由は、ひとつの栄養素が特定の働きのみをしている訳ではなく、様々な栄養素が細胞の合成や働きに相互的に作用するからです。

    まとめ

    ビタミンDのはたらき

    • 腸管でカルシウムの吸収率を上げる
    • 男性は精子の運動率の上昇、女性では妊娠率と関わりがあったことが報告されている

    ビタミンDを含む食品

    • 食品では魚類、きのこ類(特定の種類)、卵、乳製品などに多く含まれている
    • 脂に溶けだしやすいため、油をつかった料理がおすすめ
    • きのこ類は天日干しにより、活性されたビタミンDが増える

    今回はビタミンDの効能や、食品からの効率的な摂取の方法などを紹介しました。

    妊活中は、栄養の偏りがないように、全ての栄養素をバランス良く摂取していくことが大切です。

    今回紹介した食品を最近食べていない、朝ご飯が忙しくて食べられていない、無理な食事制限をしている方などは、今回紹介した食品や効率的にビタミンDを摂る方法を是非試してみてはいかかでしょうか。

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