「抜け毛が増えてきた」「おでこが広くなってきた」「つむじが見えてきた」などの症状が気になり、AGAかもしれないと不安になっている方もいるのではないでしょうか。
AGAかもしれないと思った時は、自己判断をせずに医療機関を受診して診断を受けることをおすすめします。脱毛の原因はAGAだけではなく、脂漏性皮膚炎や円形脱毛症の症状であるケースも考えられます。AGAかどうかの診断は医療機関を受診し、医師にしてもらいましょう。
本記事ではAGAの診断方法とセルフチェック、診断方法について解説しますのでご参考にされてください。
目次
- そもそもAGAとは?
- AGAのセルフチェックをしてみよう
- AGAクリニックでの診断方法
- AGA検査でわかること
- GA対策のために摂りたい栄養素は?
- まとめ
そもそもAGAとは?
AGAとは男性型脱毛症のことをいい、男性ホルモンの分泌が増える思春期以降に始まり進行する脱毛症です。20歳代後半〜30歳代にかけて抜け毛などの症状が現れ、治療をせずに放置すると、症状が徐々に進みます。
AGAの発症には遺伝と男性ホルモンが関与することが報告されていて、前頭部や頭頂部に症状が出るのが特徴です。AGAを発症するとヘアサイクルの成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長できず、1本1本が細くなり、抜け毛が増えます。
AGAは男性の3人に1人が発症すると言われており、年齢とともにAGAを発症する確率は高くなっています。早い段階から治療を開始すると、塗り薬や飲み薬だけで進行を抑えることが期待できるでしょう。
AGAのセルフチェックをしてみよう
AGAは医療機関を受診し診断してもらうことをおすすめします。受診する目安として、若いうちから以下のAGAセルフチェックをしておくと、初期症状に気づきやすいでしょう。
- 抜け毛が増えたように感じる
- 髪が細くなったorボリュームがなくなった
- 生え際と頭頂部(つむじ)の薄毛が目立つ
- 家族や親族に薄毛の人がいる
- 同年代と比べて毛量が少ない
- 不規則な生活が続いている
AGAのセルフチェックについて詳しく紹介しますので、セルフチェックをしてみてください。
①抜け毛が増えたように感じる
AGAを発症していなくても抜け毛は起こりますが、多くの髪の毛が抜けるときには髪の毛が細くなって抜けやすくなっている可能性が考えられ、AGAの発症を疑う必要があります。AGAはヘアサイクルの成長期が通常よりも短くなるため、髪の毛が太く成長することができず、抜けやすくなります。
②髪が細くなったorボリュームがなくなった
昔と比べて頭頂部のボリュームが減り、ペタンとしていると感じる時もAGAの可能性があります。AGAを発症すると、髪の毛が太くなる期間が十分に確保できません。そのため、1本1本が細く、短くなりボリュームがなくなったと感じやすいでしょう。
③生え際と頭頂部(つむじ)の薄毛が目立つ
AGAは前頭部や頭頂部が薄くなり、脱毛するのが1つの特徴です。そのため、生え際と頭頂部(つむじ)の薄毛が目立つときにはAGAの可能性が高くなります。数年前と比べて生え際が後退していたり、頭頂部の頭皮が見えてきている時はAGAを発症している可能性があります。
④家族や親族に薄毛の人がいる
AGAは遺伝的要因があると報告されているため、家族や親族に薄毛の人がいる場合は、AGAを発症する可能性が高くなります。AGAが遺伝する背景には男性ホルモンレセプター遺伝子の多型が報告されています。
血縁関係のある方がAGAを発症しているときは、若いうちからセルフチェックを行うことをおすすめします。
⑤同年代と比べて毛量が少ない
一般的にAGAは20代後半から症状がでる方がいますが、男性ホルモンが関係するため、思春期以降の男性で発症する可能性があります。
若いから大丈夫だと考えず、同年代と比べて毛量が少ない時はAGAの可能性も考えられます。髪の量が生まれつき少ない方もいますが、同年代と比較して毛量が少ない時は注意が必要です。
⑥不規則な生活が続いている
不規則な生活が続き、成長ホルモンの分泌が多い時間帯に睡眠を取れなくなると薄毛の原因になります。成長ホルモンは深い眠りのノンレム睡眠中に分泌され、たくさん分泌される時間帯は22:00〜2:00です。
昼夜逆転の生活をしていたり、夜更かしが続いたり、徹夜したりして不規則な生活が続くと髪へも悪い影響を与えてしまいます。不規則な生活をしている自覚がある方は、規則正しい生活をすることで抜け毛が改善する可能性もあります。
AGAクリニックでの診断方法
AGAかもしれないと思ってAGAクリニックなどを受診したときに、どのような診察をされるのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。ここでは、一般的な診断方法をご紹介します。
①問診や触診などの診察
AGAは問診で、以下の内容を確認されることが多いでしょう。
- 薄毛・抜け毛の多さを自覚した時期
- 発症している部位
- 髪の毛の状況
- 家系に薄毛・脱毛症の人がいるか
- 育毛剤の使用歴
- 治療中の病気の有無
- 飲酒の有無
- 喫煙の有無
AGAは遺伝する可能性がある病気ですので、家系にAGAの人がいるかどうか確認されます。問診と一緒に薄くなっている髪の状態も行われます。
②拡大鏡による頭皮・毛髪の確認
視診により額の生え際が後退していないか、頭頂部の髪の毛が細く、短くなっていないかなどを確認します。診断しやすいように拡大鏡を使用することもありますし、ダーモスコピーの使用も診断の手助けとなります。ダーモスコピーとは特殊な皮膚拡大鏡を使用して、皮膚の状態を詳しく診察する、まったく痛みを伴わない簡単な検査です。
AGAが進行している部位と進行していない部位の比較も一緒に行います。問診、触診、視診を行い、円形脱毛症などの他の原因で脱毛が起こっていないかを確認します。
③血液検査
問診や触診、視診だけでAGAと診断されることも多いですが、血液検査が行われることもあります。個人事業主などで、定期的に健康診断を受けていない方であれば生活習慣病などの病気の有無やAGA飲み薬を使用できるかを確認しなければいけません。
職場の健康診断などで定期的に血液検査を受けている方は、直近の検査結果を持参することで、血液検査を省ける可能性もあるため、受診予定のクリニックへご相談ください。
AGA専門クリニックでは一般的な血液検査だけでなく、遺伝子検査が行われることもあります。
AGA検査でわかること
AGA検査を受けると「将来的にAGAを発症するリスクがあるか」「薬を服用できるかどうか」「薄毛の原因がAGAであるか」などが分かります。事前にAGA検査で分かることを知っておくと、納得して検査を受けることができるでしょう。
遺伝的に将来発症するリスクがあるか
AGA専門クリニックでは遺伝子検査を行っているところもあります。遺伝子検査を受けると遺伝的に将来AGAを発症するリスクがあるかを知ることができます。しかし、全てのAGAクリニックで遺伝子検査を受けられるわけではないため、事前に確認が必要です。
AGAの発症には遺伝が関与しているため、血縁関係のある方にAGAを発症している人がいるときは、遺伝子検査を勧められるかもしれません。
薬による治療が可能かどうか
AGA治療に使われる飲み薬は肝臓で代謝されるため、肝機能が悪い方へは処方できない可能性があります。AGA飲み薬による治療が可能かどうか確認するために血液検査を実施します。
アルコールの飲み過ぎなどで肝機能の数値に異常がある方はAGA治療薬を服用できないかもしれません。肝機能の異常が指摘されないように、休肝日を作って飲み過ぎに注意しましょう。
薄毛の原因がAGAかどうか
一般的な血液検査を受けると、薄毛の原因がAGAであるか判断しやすくなります。生活習慣の乱れが原因で薄毛になる可能性も考えられるため、血液検査で他の病気の有無を確認します。
AGA対策のために摂りたい栄養素は?
栄養バランスの取れた食事を心がけると、健康な髪の毛が育つため、体の中から整えて行くことが大切です。AGAは遺伝や男性ホルモンの影響だけでなく、毎日の食事によって頭皮環境が悪くなり発症する可能性もあります。抜け毛が増えてきたと感じる方は食生活の改善に取り組みましょう。
ここではAGA対策のために摂りたい栄養素をご紹介します。ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
ミネラル
ミネラルとは体をつくる主要な酸素・炭素・水素・窒素以外のものの総称です。代表的なものはカルシウム、リン、カリウムなどがありますが、AGA対策として摂りたいミネラルは亜鉛です。亜鉛は髪の毛の成分であるケラチンの合成を助けます。
亜鉛を多く含む食品は魚介類、肉類などがありますが、特に多く含まれているのは牡蠣です。牡蠣には100gあたり14.5mg含まれるため、成人の1日推奨量8〜11mgを摂りやすいでしょう。
タンパク質
AGA対策としてタンパク質をしっかり摂る必要があります。髪の毛の99%はケラチンという18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質です。タンパク質が不足すると、生命維持に関わる器官に優先的にまわされるため、体の内側から遠い髪の毛まで栄養が届かず、薄毛の原因となります。
肉・魚・豆腐・卵・納豆・乳製品などのタンパク質が多く含まれている食品を積極的にとる食事を心がけましょう。タンパク質は意識して摂取しないと不足しやすい栄養素です。
ビタミン
ビタミンは食事で摂取したタンパク質の代謝をサポートします。タンパク質をたくさん摂ってもビタミンが不足すると、アミノ酸まで分解されず、栄養素として取り入れることができません。
ビタミンは体内で合成されないか、合成されても微量であるため、食事から摂取する必要があります。ビタミンにはさまざまな種類がありますが、薄毛予防に関係するビタミンは主にビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどです。
水溶性ビタミンであるビタミンB群とビタミンCは水に溶ける性質を持っているため、余分にとったものは尿として排泄されます。しかし、脂溶性ビタミンであるビタミンEは体内に貯まるため、摂りすぎにも注意しなければいけません。
食事からだけでなく、サプリメントの服用をするときは、摂りすぎに注意してください。
まとめ
AGAの診断は医師による問診、視診、触診などによって行われます。AGA治療薬を服用するときは、肝臓の機能に問題がないかを確認しなければいけないため、血液検査が行われる可能性もあります。
セルフチェックはAGAの早期発見に大切ですが、自己判断すると、円形脱毛症などの他の病気を見逃してしまう可能性もあるため危険です。
セルフチェックをして気になることがある時は医療機関を受診し、診断を受けましょう。