AGAの原因はストレス?遺伝?若はげなどのはげる原因と対策も併せて徹底解説
2023.07.04

AGAの原因はストレス?遺伝?若はげなどのはげる原因と対策も併せて徹底解説

「AGAの原因はストレス?」

「AGAの原因は遺伝?」

「AGAの原因は頭皮環境が悪い?」

成人男性がはげる原因の多くはAGAです。髪の毛が薄くなってきたから、AGAかもしれないと感じる方はAGAの原因について疑問に思っているのではないでしょうか。

AGA(男性型脱毛症)は、前頭部や頭頂部の頭髪が細く短くなり、最終的には頭髪がなくなる病気です。AGAの発症には遺伝と男性ホルモンが関与します。血がつながった家族にAGAを発症している人がいるときは、若くてもAGAを発症する可能性が高いでしょう。

はげ(脱毛症)は、ストレスやアレルギーなどが引き金になり起こるため、AGAの原因と異なります。本記事ではAGAの原因以外にもはげる原因と対策など網羅的に解説しますのでご参考ください。

目次

  1. AGAの原因とは
  2. AGAとハゲの関係性とは
  3. ハゲないためにできることとは?
  4. そもそもAGAは治るもの?
  5. AGAの原因に応じた治療法の選択肢
  6. まとめ

AGAの原因とは

AGAとは(androgenetic alopecia)の略で男性型脱毛症のことをいいます。AGAの原因は、遺伝的要因と男性ホルモンが関与しています。血のつながった親族にAGAの人がいる場合、若くてもAGAになりやすいかもしれません。20代後半から30代にかけて症状が現れ、治療をせずに放置すると徐々に症状が進み、40代以降に髪の毛がなくなる方が多いでしょう。

髪の毛が生えてから抜けるまでの一連の流れをヘアサイクルといい、ヘアサイクルは成長期→退行期→休止期の3つで成り立っています。ヘアサイクルが正常に保たれていると、薄毛になることはありません。

AGAは男性ホルモンのテストステロンが5α還元酵素の作用で、ジヒドロテストステロン(DHT)へ変換されヘアサイクルの成長期を短縮することによって発症する病気です。通常2〜6年とされる髪の毛の成長期が数ヶ月に短縮されると、髪の毛が十分に成長できず、細く短くなり、薄毛になります。

AGAは前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなるのが特徴的です。前頭部や頭頂部の男性ホルモン感受性毛包において、DHTの結合した男性ホルモン受容体は毛母細胞の増殖を抑制し成長期を短縮することが報告されています。

AGAは遺伝が原因?

AGAの原因のひとつは遺伝です。テストステロンは5α還元酵素によってDHTへ変換されます。5α還元酵素の活性度は遺伝しやすいと考えられており、5α還元酵素の活性度が高いと、DHTが作られやすく、AGAを発症しやすいでしょう。

DHTに対する遺伝的な感受性も、AGAの発症に関係していると考えられています。遺伝によって、DHTに対する感受性が高い人ほど、AGAの発症リスクが高くなります。AGAを発症する原因のひとつは遺伝ですが、遺伝だけがAGAを発症する原因ではありません。

AGAはストレスが原因?

AGAは遺伝的な要因が大きいため、ストレスはAGAの発症にあまり起因しないと言われています。しかし、ストレスによって薄毛を引き起こすことはあるため、AGAによる薄毛を進行させる原因になります。

ストレスによって薄毛や脱毛症になることはよく知られており、円形脱毛症やひこう性脱毛症などが有名です。これらの脱毛症は男性だけでなく女性も発症する可能性があります。

AGAはストレスが直接の原因ではありませんが、ストレスが脱毛症の進行を促進する可能性はあります。

AGAとハゲの関係性とは

AGAとハゲは、どちらも髪の毛が薄くなることを指します。AGAは男性型脱毛症のことをいうため、男性だけにしか使われず、薄毛の状態から髪の毛が抜けて頭皮が見える状態まで幅広く使われることが多いです。一方はげは、髪の毛が抜けてなくなっている状態をいい、男性にも女性にも使われます。

ハゲないためにできることとは?

ハゲる前からハゲないためにできることを知っておくと、薄毛の進行を抑えることができるでしょう。ここでは、ハゲを防ぐためにできることを解説しますのでご参考ください。

若ハゲの原因と対策

若くして薄毛に悩む男性も増えており、若ハゲの主な原因は以下の4つです。

  • AGA
  • 過剰なストレス
  • 悪い生活習慣
  • 間違ったヘアケア

若ハゲの大きな原因はAGAです。AGAを発症すると早い方では20代から髪の毛が薄くなりはじめます。AGAは男性ホルモンの影響によってヘアサイクルの成長期が短くなり、前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなるのが特徴です。

仕事が忙しく、ストレスを多く感じている方も若ハゲになる可能性があります。強いストレスを受け続けると交感神経が優位になり続け、副交感神経とのバランスが悪くなります。交感神経が優位の状態が続くと、血管が収縮し髪の毛まで十分に栄養が行き届きません。栄養不足になると薄毛につながります。

たんぱく質・亜鉛・ビタミンなどの栄養不足、睡眠不足、過剰な飲酒や喫煙など髪の毛に悪い生活習慣も薄毛へつながります。

若ハゲ対策として正しいヘアケアも大切です。シャンプーは頭皮に優しいアミノ酸系のシャンプーがおすすめで、さらに頭皮に良い成分が入っているものを選ぶとよいでしょう。頭皮への刺激が強い添加物が入っていないシャンプーを選ぶことも大切です。

10円ハゲの原因と対策

10円ハゲとは円形脱毛症のことを言います。10円玉程度の大きさ〜後頭部全体までに広がるものもあり、ハゲの程度は個人差が大きいです。症状が軽い場合、80%程度の方は1年以内に薄毛が回復すると報告されています。

原因は疲労や感染症など肉体的精神的ストレスが引き金となると言われていますが、原因がわからないことも多い病気です。最近の研究では遺伝やアトピーなどのアレルギー疾患によっても発症することが報告されています。

円形脱毛症の方は甲状腺疾患、関節リウマチなどの自己免疫性疾患が合併することが知られています。円形脱毛症は、軽快と増悪を繰り返すため、エビデンスのある治療法は少なく対症療法が一般的です。

円形脱毛症の対策方法は、薄毛対策と同じで生活習慣の改善やストレス軽減、足りない栄養の補給などを行い、良い頭皮環境を維持することです。

つむじハゲ(てっぺんハゲ)の原因と対策

つむじハゲとはつむじ周辺の髪の毛が薄くなる頭頂部の薄毛です。つむじハゲは通常のつむじの状態を把握していないと気づきにくいため、定期的につむじの状態を確認するとよいでしょう。スマホのカメラで撮影するとつむじの状態を確認できます。

つむじハゲは、頭皮の色が赤や茶色っぽい、つむじの髪の毛が少ない、つむじの頭皮が目立つなどの症状が現れます。つむじハゲの主な原因は若ハゲと同じで以下のとおりです。

  • AGA
  • 過剰なストレス
  • 生活習慣の乱れ
  • 間違ったヘアケア

頭頂部はAGAを発症しやすい部分であるため、つむじハゲの大きな原因はAGAです。AGAは男性ホルモンの異常や遺伝が原因で起こるため、医療機関を受診して適切な治療を受けることがおすすめです。

過剰なストレスは自律神経のバランスを崩し、血行が悪くなります。また、髪の毛の成長へ影響を与えるため、趣味などに没頭してストレスを発散することが大切です。

睡眠不足などによって生活習慣が乱れるとホルモンバランスや自律神経の乱れを引き起こし、薄毛を引き起こす可能性があります。1日6時間以上の睡眠を確保しましょう。

間違ったヘアケアによって髪の毛や頭皮に負担がかかり、てっぺんハゲを引き起こすことがあります。シャンプーの選択だけでなく、髪の乾かし方にも注意が必要です。ドライヤーを利用するときは、頭皮から20cm以上離して乾かしてください。

そもそもAGAは治るもの?

AGAは治る病気ではありません。AGA治療の目的は、完治ではなく抜けた髪の毛がある程度生えて、その状態を維持することです。維持するためには治療を継続する必要があり、治療を途中でやめると、再びAGAが進行します。

早い段階で治療を開始すると、比較的安い治療方法を選ぶことができ、進行を遅らせることができます。

AGAの原因に応じた治療法の選択肢

AGAの進行度合いなどによって選択する治療方法は異なります。AGAの治療方法は主に以下の4つの治療法があります。

  • 内服薬
  • 外用薬
  • 注射・注入療法
  • 植毛

それぞれ詳しくご紹介しますのでご参考ください。

内服薬によるAGA治療

内服薬によるAGA治療にはプロペシア(フィナステリド)・ザガーロ(デュタステリド)が一般的です。

プロペシアとザガーロは、どちらも厚生労働省が認可している薬で、男性における男性型脱毛症の進行遅延に効能・効果が認められています。医師の処方箋が必要な処方箋医薬品であるため、医療機関を受診し薬をもらわなければいけません。

プロペシアは2型5α還元酵素、ザガーロは1型と2型5α還元酵素を阻害して、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)へ変化するのを抑制しAGAの進行を遅らせる薬です。効果発現までには約3〜6カ月かかり、途中で服用をやめてしまうとAGAは再び進行します。6カ月以上服用しても効果が現れないときは、投薬の中止を検討する必要があります。

クリニックによっては、ミノキシジルの飲み薬が処方されることもありますが、ミノキシジルの飲み薬は国内だけでなく海外でもAGA治療薬としては認可されていません。男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版でも推奨されていないため、ミノキシジル内服薬による治療を選択するときは医師としっかり相談して服用するか判断してください。

外用薬によるAGA治療

外用薬によるAGA治療にはミノキシジルを配合した塗り薬が使われます。ミノキシジルは塗り薬が第1類医薬品として国内で認可されています。薬剤師のいる薬局で購入することができますが、医療機関を受診すると、ミノキシジルを配合した独自の塗り薬を治療に使用することもあるでしょう。

ミノキシジル塗り薬の効能効果は壮年性脱毛症における発毛・育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防です。AGAの進行予防だけでなく、発毛にも効果が認められています。毛包に直接作用して髪の毛を作る細胞を増やし、タンパク質の合成を進めて発毛作用を示します。

個人差がありますが、約4〜6カ月使用後に効果を感じる方が多いです。6カ月使用しても効果を感じられない場合は、外用薬による治療を続けるかどうか医師へ相談してください。

注射・注入療法によるAGA治療

注射・注入療法による治療方法はメソセラピー、HARG療法などがあります。注射やレーザー照射など様々な注入方法によって薄毛に有効な成長因子や栄養素、AAPE(健常なドナーから採取した脂肪組織を培養し、細胞由来の成長因子などを凍結乾燥させた薬剤)などを直接頭皮に注入する治療方法です。

注射・注入療法による治療方法も1回で終了するわけではなく、内服治療や外用薬による治療と同じように、治療を継続しなければいけません。また、内服薬や外用薬と違い、医療機関を受診し施術を受けることが多いでしょう。

注入療法は塗り薬や飲み薬と比べて早くから効果を実感できる可能性があり、内服薬や外用薬と組み合わせて治療するケースも多いです。

植毛によるAGA治療

植毛によるAGA治療は薬による治療で十分な改善がないときに勧められる治療方法です。植毛には人工毛を移植する人工毛植毛と自分の髪の毛を移植する自毛植毛の2種類があります。男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版では、男性における自毛植毛はB(行うようすすめる)と推奨度は高く、人工毛植毛はD(行うべきではない)と低くなっています。

ここでは自毛植毛によるAGA治療についてご紹介します。自毛植毛とは、AGAを発症しない後頭部などから毛包を採取して頭頂部や前頭部などの脱毛部に自分の髪の毛を移植する手術です。自毛植毛は自分の髪の毛を毛根ごと移植するため、移植が成功すれば髪の毛が生え続けます。移植した髪の毛は通常のヘアサイクルに組み込まれるため、効果を実感できるまでに約4カ月かかることが多く、移植初期には一時的に抜け毛が増えることもあります。

まとめ

ストレスによってAGAを発症する可能性は低く、AGAを発症する原因は遺伝や男性ホルモンの影響がほとんどです。AGAは20代から症状がでる方もおり、若ハゲの原因になります。

AGAは進行性の病気であるため、治療をしないと症状が進行します。AGAは完治する病気ではありません。AGAの原因や症状の進み具合によっても治療法は変わるため、AGAかもしれないと感じるときは、医療機関を受診し、AGAの原因にあった治療方法を医師と相談しながら選択することをおすすめします。