「薄毛が気になる」「ハゲてきたかもしれない」と感じている人はAGAかもしれないと不安を感じているのではないでしょうか。
薄毛は、見た目の印象やプライド、自信、人間関係や仕事など、様々な面に影響を与えるため、精神的な苦痛やストレスを引き起こすことがあります。薄毛が進行すると、周囲の人からの視線や嫌悪感を感じることもあるため、社交的な場面や人前での自信を失うこともあるでしょう。
薄毛やハゲの原因がAGAであるか調べるには、自分で調べる方法と医療機関で検査を受ける方法があります。薄毛やハゲはデリケートな問題でもあるため、医療機関の受診をためらう人も多いかもしれません。自分でチェックしてAGAかもしれないと思うと不安になる可能性も高いため、医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。
本記事では、医療機関で行われるAGAの検査方法と自分でできるAGA検査方法について解説しますのでご参考ください。
目次
- AGAの検査方法
- 自分でAGA検査をする方法
- クリニック等で行えるAGA検査
- AGA検査に関するよくある疑問
- AGA検査キットはコスパがよい?
- まとめ
AGAの検査方法
AGAの検査には、大きく分けて自分で検査する方法とクリニック等を受診して検査する方法があります。
自分で検査する方法はインターネットなどで販売されている検査キットを利用する方法とAGAのセルフチェックを活用する方法が一般的です。しかし、薄毛や抜け毛は、人によって進行の速度や症状が異なるため、自分がAGAであるかどうかを確認することは難しいと感じる人もいるでしょう。
医療機関で行われる検査方法はマイクロスコープを使用した方法と血液検査があります。頭皮の検査や血液検査によって、AGAを特定し、適切な治療法を選択することができるでしょう。
自分で検査しても確定診断はできないため、迷いがある人は医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。
自分でAGA検査をする方法
自分でAGA検査をする方法は、主に以下の2つがあります。
- 検査キットを用いてAGA検査
- セルフチェック項目を活用してAGA検査
それぞれ詳しく解説しますので続きをご参考ください。
検査キットを用いてAGA検査
AGAの検査キットを使って自宅で検査することもできますが、その結果だけでAGAと診断することはできません。AGAの検査キットは体外診断用医薬品ではないため、診断に使うことはできないからです。
一般的にAGAの検査キットは、専門のメーカーから販売されています。キットには、AGAに関連する男性ホルモンの濃度を測定するために検体を採取する器具などが入っています。キットに付属の説明書に従って使用してください。
検査の対象となる検体は検査キットによって異なります。多くは、毛髪・唾液・綿棒で口の中の粘膜・少量の血液が検査対象です。粘膜や血液をとるときは、細菌などが入らないよう衛生面にも注意が必要です。
検査キットではAGAかどうか診断することはできません。検査キットで得られた結果は参考程度として扱い、自己判断せず、正確な診断や治療には、医師に相談することをおすすめします。
セルフチェック項目を活用してAGA検査
自分でAGA検査をする方法にはセルフチェック項目を活用する方法もあります。以下のようなチェックを行い、該当する項目があればAGAを疑う必要があるでしょう。
- 抜け毛が増えたように感じる
- 髪が細くなったorボリュームがなくなった
- 生え際と頭頂部(つむじ)の薄毛が目立つ
- 家族や親族に薄毛の人がいる
- 同年代と比べて毛量が少ない
- 不規則な生活が続いている
AGAの症状は個人差も大きいため、原因や治療法は人によって異なります。そのため、自己診断は危険です。セルフチェック項目を意識して、AGAかもしれないと感じたときは医療機関を受診し医師の診断を受けてください。
クリニック等で行えるAGA検査
AGA専門クリニックや皮膚科で行われる主なAGA検査は以下のふたつです。
- マイクロスコープを使用したAGA検査
- 血液検査からAGAを診断
治療実績が豊富な医師による視診や触診によってAGAと診断することができます。検査方法についてそれぞれ詳しく解説します。
マイクロスコープを使用したAGA検査
マイクロスコープを使用したAGA検査では、マイクロスコープと呼ばれる特殊な顕微鏡を使用して、頭皮の健康状態を確認します。専門の医師が確認すると、頭皮の状態によって、薄毛や抜け毛の原因が分かることが多いです。
専門医はマイクロスコープを使って毛穴の状態、毛髪の状態、毛根の状態を調べます。毛穴が詰まっている場合は、頭皮の環境が悪化している可能性があります。髪の毛が細くなっている場合や、毛根が細く短くなっている場合は、AGAの可能性が高いと判断されるでしょう。毛根に炎症が起きている場合もAGAの可能性があります。
マイクロスコープを使用することで頭皮や毛髪、毛根の状態を詳しく調べることができます。専門医がマイクロスコープを使用して頭皮や髪の毛などの状態を確認すると、AGAの診断を正確に行えるため、医療機関の受診がおすすめです。
また、頭皮の状態に合わせて、適切な治療法を提案することができます。
血液検査からAGAを診断
AGAを診断するために血液検査をするのは、AGA以外の抜け毛の原因の有無を確認するためです。また、AGA治療に進むときにAGA治療薬を使えるかどうか確認するためにも行われます。
遺伝子検査を目的として血液検査をするクリニックもあるでしょう。
一般的に行われる血液検査のデータだけではAGAかどうかは分かりません。血液検査は、甲状腺ホルモン異常による脱毛症や鉄欠乏性貧血による脱毛症などの原因を取り除くために行われます。
さらに、フィナステリドやデュタステリドの飲み薬を治療薬として選ぶときは、肝臓の数値を確認しなければいけません。肝機能が悪いとAGA治療薬を処方できない可能性もあります。
多くの場合、AGAを診断するために血液検査を行うのは、AGA以外の脱毛症の可能性を排除し、安全にAGA治療薬を服用できるか確認するためです。血液検査の方法は、健康診断などで行われる方法と同じで、医療機関を受診し採血して後日結果を聞きにいくパターンが多いでしょう。
職場の健康診断などで定期的に血液検査を受けている人は、直近の検査結果を持参することで、血液検査を省ける可能性もあります。
AGA検査に関するよくある疑問
AGA検査について解説してきましたが、様々な疑問が出てきた人もいるのではないでしょうか。ここではAGA検査に関するよくある疑問について回答していきます。
AGAの血液検査は無料でできる?
条件付きでAGAの血液検査を無料で受けられるクリニックもあります。血液検査を受けたクリニックでAGA治療を受けると決めた場合に限り、血液検査が無料というクリニックがほとんどです。血液検査だけでAGAを診断するわけではないため、検査だけを無料で受けられるクリニックはないでしょう。
AGAにかかる治療費には保険が適用されず、検査や治療にかかった費用はすべて自己負担です。AGA治療は保険診療ではなく、自由診療ですので、治療費用も医療機関が自由に設定できます。血液検査が無料でもその後の治療費用が他のクリニックよりも高いこともあるため、注意が必要です。
医療機関を選ぶときは、AGA検査費用だけでなく、AGA治療費用まで確認しましょう。
AGAの遺伝子検査の信ぴょう性は十分?
2023年時点におけるAGAの遺伝子検査の信ぴょう性は十分ではありません。その理由は、AGAの遺伝子検査キットで厚生労働省に認可されている体外診断用医薬品はないからです。
AGAの遺伝的な背景として男性ホルモンレセプター遺伝子などの存在が知られていますが、AGAの発症にはこれらの遺伝子以外にも複数の遺伝子が認められています。単一の遺伝子変異だけでAGAの発症を予測することは難しいでしょう。
AGAの発症に関連する遺伝子について研究が進んでいますが、現時点では遺伝子検査のみでAGAと診断できません。ただし、AGAの発症には遺伝子の関連性が認められていることは分かっているため、将来的には高度な遺伝子検査によってAGAリスクの評価が可能になることが期待されています。
AGAの診断には、現在のところ主に頭皮の状態や髪の毛の状態を観察することが主流となっています。
1型・2型の見分け方は?
AGAは欧米で使用されているハミルトン分類を使った場合、進行度によって1型から7型に分類されます。数字が大きくなるほどハゲている部分が広くなり、重症です。
1型よりも前頭部の生え際が後退していると2型に分類されますが、自分で判断するのは難しいでしょう。詳細に進行度を知りたいときは、AGA専門クリニックや皮膚科などを受診し、診断を受けてください。
AGA検査キットはコスパがよい?
AGA検査キットを利用するとコスパがよいかどうかは人によります。
AGA検査キットを利用すると、AGAの可能性を知ることができますが、検査キットでAGAと診断することはできません。検査キットの価格は1万円前後ですので、AGAかもしれないと分かって医療機関を受診すると余計に費用がかかります。
薄毛や抜け毛はとてもデリケートな問題であるため、AGA専門クリニックの受診をためらう人もいるでしょう。医療機関の受診に抵抗があり、可能性を知りたい人はAGA検査キットの利用はおすすめです。検査キットを使ってAGAのリスクが高いと分かると病院受診を後押しできるかもしれません。
AGA専門クリニックへの受診に抵抗がない人は最初から医療機関を受診し、診断を受けることをおすすめします。
AGA検査キットとは
AGA検査キットは、薄毛の原因がAGAであるかどうかを自宅で簡単に調べることができる検査キットです。 AGA検査キットには、髪の毛や唾液など検査対象となるものの取り方などの説明書が含まれています。
AGA検査キットで採取した髪の毛や唾液などを検査会社に送付し検査します。DHT量や男性ホルモン受容体遺伝子などをもとにAGAのリスクを評価することができます。しかし、AGA検査キットの正確性には疑問があるため、診断に使うことはできません。診断に使うことができないことは検査キットにも正式に書かれています。
AGA検査キットの結果に基づいて自己判断をするのではなく、専門医師の意見を聞いてから適切な治療法を選択することが重要です。
AGA検査キットの種類
AGA検査キットには、毛髪内のDHT量を測定するものと、遺伝子検査によってAGAになりやすい遺伝子を調べるためのものの2種類があります。
1つ目の毛髪内のDHT量を測定するタイプのAGA検査キットは、髪の毛を検査会社で検査して毛髪内のDHT量を数値化します。自宅で簡単に使用することができますが、AGAの診断に使うことはできません。
2つ目の遺伝子検査によるAGA検査キットは、唾液や口の中の粘膜などから、AGAにかかりやすい遺伝子の有無を調べます。遺伝子を基にした情報からリスクを判定する方法ですが、2023年時点での精度は十分でないかもしれません。1つ目のタイプと同様にAGA検査キットによるAGAの診断はできません。
AGA検査キットの結果に基づいて自己判断せず、必ず医師に相談し、正確な診断をしてもらうことが大切です。
AGA検査キットの入手方法とやり方
AGA検査キットは、一般的にはオンラインショップで購入することができます。AGA専門のクリニックや美容クリニックなどでも販売されている場合もあるようです。
毛髪内のホルモン量を測定するキットの場合、キットに付属の説明書に従って自分の髪の毛をとって、専用の返信用封筒に入れ、指定された送付先に送付します。結果は、数週間から1ヶ月程度で届きます。
遺伝子検査によるAGA検査キットは、唾液や粘膜などのサンプルを取り、検査会社に送付することで、遺伝子検査を行います。検体の採取は、キットに付属の説明書に従って行います。採取したサンプルは専用の返信用封筒に入れ、指定された送付先に送付します。遺伝子検査には時間がかかることが多く、約1カ月程度してから結果が届くことが多いようです。
いずれの場合も、検査キットの使用前には、十分に説明書を読み、使用方法や注意事項を確認することが大切です。
まとめ
AGAの検査には自分でする方法とクリニックなどで検査をする方法があります。自分で検査できるAGA検査キットなども販売されていますが、自分で検査した結果は参考程度として扱い、自己判断しないことが大切です。とはいっても、最初から医療機関を受診するのに抵抗がある人はAGA検査キットなどを利用してみるのもいいかもしれません、
薄毛や抜け毛などの悩みを抱えている場合、正確な診断や治療には、専門のクリニックなどを受診することをおすすめします。