AGAは遺伝？遺伝によって発症する確率や隔世遺伝などについて徹底解説

AGAが遺伝によって発症する確率や隔世遺伝などについて知りたい方は多いのではないでしょうか？

AGAによる薄毛・ハゲは遺伝的な要因が理由で発症することが多いですが、AGAは治療やセルフケアで進行を遅らせることができます。

この記事では、AGAが遺伝によって発症する確率や隔世遺伝などについて解説します。ぜひ、最後まで読んでください。

AGAは遺伝？AGAを発症する原因とは

AGAが発症する大きな原因は遺伝です。AGAの発症に関与する5α還元酵素の活性の強さと男性ホルモンレセプター感受性が遺伝すると言われています。

還元酵素活性の強さは両親のどちらかの形質を受け継ぎますし、男性ホルモンレセプター感受性も母方の家系に薄毛の方が居れば遺伝している可能性があると言われています。

AGAが発症するのは、5α還元酵素と男性ホルモンテストステロンが結合し、ジヒドロテストステロン（DHT）が発生、そのDHTが男性ホルモンレセプターに結合することににより、脱毛因子であるTGF-βが増加するからです。

そもそも遺伝による親から子への伝承とは

そもそも遺伝による親から子への伝承とはどのように起こっているのでしょうか？

ここで紹介する遺伝による親から子への伝承は2つです。

• 遺伝の仕組みとは
• 遺伝の形式について

以下で、1つずつ詳しく説明します。

遺伝の仕組みとは

遺伝とは、遺伝子を使って親から子へ特徴を伝える現象であり、遺伝子はヒトのすべての特徴を記した情報です。

たとえば、顔の骨格を決める遺伝子、体の大きさを決める遺伝子など、ヒトの遺伝子は30,000種類以上あります。ヒトの体は、遺伝子の指令で維持されています。

遺伝子とはDNAが集まってできたものです。DNAは細胞の核の中に存在し、核の中で安定して存在するために染色体という形をとっています。つまり、染色体の中にDNAが存在し、遺伝子として働いているのはDNAです。

染色体には常染色体と性染色体の2種類があります。ヒトの染色体は46本あり、染色体数の内訳は常染色体が44本、性染色体が2本です。常染色体、性染色体という2種類の染色体が親から子へ引き継がれ、親の特徴が子に引き継がれます。

親の特徴の中には遺伝以外にも環境要因と関係して発現するものがあります。本態性高血圧が例のひとつです。親が本態性高血圧である子どもとそうでない子どもとを比べると、親が本態性高血圧の子どもの方が本態性高血圧になる確率は高くなりますが、必ず本態性高血圧になるわけではありません。親の特徴は必ず、子の特徴として現れるわけではありません。

遺伝の形式について

親から子へ染色体が受け継がれる4つの遺伝の形式について解説します。

常染色体優性遺伝

常染色体優性遺伝とは、一方の親の遺伝子が、もう一方の親の遺伝子の特徴を抑えるように発現する遺伝のことで、その遺伝子を優性遺伝子、その遺伝の形式は優性遺伝といいます。

一組の遺伝子の中で両親のどちらかが優性遺伝子を持っている場合、その遺伝子は確率50%

で子どもに現れます。常染色体の遺伝なので、性別に無関係で50%の確率で発現します。

常染色体劣性遺伝

常染色体劣性遺伝とは、両親が同じ特徴の遺伝子を持つときに初めて子どもに現れる遺伝のことで、その遺伝子を劣性遺伝子、その遺伝の形式を劣性遺伝といいます。

両親がふたりとも劣性遺伝子を持ってはいるけれども発現していない場合（保因者）、子どもがペアで劣性遺伝子を持ち、発現する確率は25%です。一方の親が同じ劣性遺伝子を持たなければ、保因者の子が生まれる可能性はありますが、その遺伝を発現する子どもは生まれないと考えられます。

X連鎖性優性遺伝（伴性優性遺伝）

X連鎖性遺伝とは、ある遺伝子がX染色上にあり、その遺伝子情報が子どもに引き継がれることです。ある優性遺伝子がX染色体にのっているとすると、優性遺伝子を受け継いだ人は男性も女性も症状をもちます。X連鎖性優性遺伝の特徴は以下の通りです。

• 症状が現れている男性はその変異を娘には引き継がれるが、息子には引き継がれない
• 症状が現れている女性で優性遺伝子を１つだけ持つ人は1/2の確率で子どもに変異を伝える

X連鎖性劣性遺伝（伴性劣性遺伝）

男性はXとＹを持っています。母親が劣性遺伝子を持つ場合、母親は症状はありませんが、男性は半分が症状を発現する可能性があります。X連鎖性劣性遺伝の特徴は以下の通りです。

• 父親から息子に遺伝はしない
• 症状のある男性から娘を介して孫へ遺伝し、孫が男の子であれば、その1/2が症状を発現する可能性がある
• 保因者である女性はほとんどは症状がないが、何らかの症状の兆候を持つ人もいる

AGAなどのハゲは優性遺伝？

優性遺伝とは、一方の親の遺伝子が、もう一方の親の遺伝子の特徴を抑えるように発現する遺伝のことです。

AGAなどによるハゲ・薄毛は優性遺伝によって伝わると言われており、5αリダクターゼの活性の高さは優性遺伝、男性ホルモンレセプター感受性の強さはX連鎖性劣性遺伝で受け継がれると考えられています。つまり、父・母方の家系のどちらかに薄毛の方がいると、薄毛体質を受け継ぐということになります。

AGAが遺伝で発症する確率とは？

母方の祖父・曽祖父の両方がともに薄毛であれば、AGA発症の確率は高いです。薄毛の遺伝子はX染色体上にあるとされているので、母方の祖父母・曽祖父母の遺伝子情報も引き継ぐことになります。

具体的な確率は、母方の祖父が薄毛である場合は約75％、母方の祖父・曽祖父の両方ともに薄毛である場合は約90％と言われています。

母方の家系に薄毛の人がいても必ずAGAになるわけではありませんが、いない人に比べればAGA発症確率は極めて高いと言ってもよいでしょう。

AGAなどのハゲは隔世遺伝する？

隔世遺伝とは、両親を飛び越えて、祖父母もしくはそれ以前の世代から遺伝子を受け継いで遺伝することです。つまり、両親のどちらも薄毛でなくとも、先祖に薄毛の人がいれば薄毛になる可能性があります。

隔世遺伝すると言われているのは、男性ホルモンレセプター感受性です。男性ホルモンレセプター感受性はX連鎖性優性遺伝すると考えられています。つまり、男性のX染色体は母親から受け継ぐので、母方の家系に男性ホルモンレセプター感受性が高い人がいれば、父親が男性ホルモンレセプター感受性が高くなくても、子どもは男性ホルモンレセプター感受性が高い可能性が高いということです。

母方の祖父や曽祖父が薄毛であれば、遺伝でその子孫も薄毛になる可能性が高いです。特に、祖父と曽祖父の両方が薄毛であれば、AGAになる確率は非常に高いと言えます。

遺伝によるAGAはどのように対処すべき？

遺伝で発症しやすいAGA。それでは、遺伝によるAGAはどのように対処すれば進行を遅らせることができるでしょうか？

ここでは、遺伝によるAGAへの対処法を3つ紹介します。

• まずは遺伝的に薄毛体質かどうかを確認
• 栄養バランスがとれる食事をとる
• いっそのことスキンヘッドにする

以下で、1つずつ詳しく説明します。

まずは遺伝的に薄毛体質かどうかを確認

きちんと確認するならばクリニックにいくべきですが、簡単に確認するならば家族・祖父母の薄毛・ハゲについて聞いてみるという方法があります。祖父母より前の祖先については、早いうちに両親や親戚に確認しましょう。

AGAクリニックであれば、遺伝子検査で正確にAGAの発症リスクを知ることができます。遺伝子検査で分かるのは、男性ホルモンレセプター感受性の高さです。遺伝子検査は口腔粘膜の細胞を使うので、口の中を綿棒でこするだけなので簡単にできます。自費での診療なので、費用はクリニックによってさまざまです。遺伝子検査を希望する場合は、AGAクリニックに相談してみましょう。

栄養バランスがとれる食事をとる

栄養バランスがとれた食事をしっかり摂り、ホルモンバランスを整えましょう。食事からの栄養素は、髪の毛が成長するのに必要な養分です。頭皮まで必要な栄養素が行き届かないと、健康で丈夫な髪の毛は育たなくなってしまいます。

栄養バランスの良い食事を摂ることが第一ですが、特に髪の毛の成長に必要な栄養素は以下の3つです。

• タンパク質
• ミネラル
• ビタミン

食事は摂取する内容ばかりに関心が向きますが、摂取の仕方も大切です。栄養バランスの良い食事を摂取するためには、以下のことに注意しましょう。

• 好きなものばかり食べない
• 規則正しい食生活を送る

同じメニューが続いてしまう方は、ご飯やパンなどの主食、肉や魚など主菜の組み合わせを少し変化させて、メニューバリエーションを増やしてみましょう。毎日時間を決めて食事をし、間食も1日1回、決めた時間としてみましょう。

いっそのことスキンヘッドにする

今でこそあまり珍しくはないスキンヘッドですが、以下のようなメリットとデメリットがあります。

【AGAへの対処としてのスキンヘッド：メリット】

• AGAだと気づかれにくくなる
• シャンプーやヘアケアなどに時間が掛からない
• 男性的に見え魅力が増す

【AGAへの対処としてのスキンヘッド：デメリット】

• いかつい印象を与えてしまう可能性がある
• こまめに手入れをする（剃る）必要がある
• 痒くなりやすい

AGAに悩んでいる方やヘアケアに時間を掛けたくない方にはおすすめの髪型で、似合っていれば男性としての魅力が増す可能性もありますが、何分いかつく見えてしまうので、医療職や接客業など優しい雰囲気が重視な職種の方は避けた方がよい場合もあります。また、スキンヘッドにしたからといって、毛穴がなくなる訳でないので、髪の毛を剃るメンテナンスが大変、痒くなるというデメリットもあります。

AGA、自分の子どもにも遺伝させてしまう？

AGAは優性遺伝をするので、自分がAGAであると自分の子どもに遺伝させてしまう可能性があります。

遺伝でAGAが発症しそうな場合は、少しでも進行を遅らせるために、以下のようなことに気をつける必要があります。

• ストレスためないように、適度に解消する
• 栄養バランスの取れた食事を摂る
• 十分な睡眠を取る
• 適度な運動を行う
• 正しいヘアケアを行う
• 禁煙する
• 紫外線を避ける

ただし、薄毛の原因は遺伝だけではないので、父方・母方の両方の家系にAGAの人がいなくてもAGAになる可能性はあります。

まとめ

AGAが遺伝によって発症する確率や隔世遺伝などについて説明してきました。

AGAによる薄毛・ハゲは遺伝的な要因が理由で発症することが多いですが、AGAは治療やセルフケアで進行を遅らせることができます。また、AGAは遺伝以外の理由で発症することもあるので、少しでもAGAの疑いがあれば、生活習慣の見直し、AGA治療の検討をすることが大切です。