はげや薄毛が気になってきたから、はげの基準を知りたいと思っている人もいるのではないでしょうか?はげや薄毛は、外見に大きく影響を与えるため、生活の質へ大きな影響を与えます。
はげや薄毛は、複数の原因が重なって発症することも多いでしょう。男性の薄毛や抜け毛は、遺伝的な要因によるものが多くなっています。女性の場合は、ホルモンバランスの変化やストレス、栄養不足などが原因です。それ以外にも、薬の副作用によって薄毛やはげになります。
はげの基準とは、薄毛や抜け毛の状態を評価するために使用される基準のことで、主に男性型脱毛症の診断に用いられます。本記事では、はげ基準について解説し、はげの種類や原因、見分け方まで網羅的に解説しますのでご参考ください。
目次
- はげの主な原因となるAGAとは?
- はげの基準を定めたハミルトン・ノーウッド分類って?
- つむじ(てっぺん、頭頂部)はげの基準とは?
- M字(おでこ、生え際)はげの基準とは?
- 若はげの基準とは?
- はげの基準は地域によって異なる?
- まとめ
はげの主な原因となるAGAとは?
AGAとは、男性型脱毛症のことをいい、男性の3人に1人が発症すると言われている脱毛症のひとつです。男性だけでなく、女性にも起こることがあります。
AGAの主な原因は、男性ホルモンのテストステロンが、5α還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることです。DHTは、頭皮の毛包にあるアンドロゲン受容体に作用して、髪の毛の成長期を短くするため、薄毛や抜け毛の原因となります。
AGAの初期症状は、生え際や頭頂部の髪の毛が細くなり、次第に薄くなることです。 その後、髪の毛が徐々に抜け落ち、つむじ周辺や頭頂部のはげが生じます。AGAは進行性の病気であるため、はげの部分が広がっていきます。
AGAの治療には、早期の発見が重要です。薄毛や抜け毛に悩んでいる人は、専門の医師に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。
AGAには男性ホルモンの働きが関係している?
AGAには男性ホルモンであるテストステロンとジヒドロテストステロンのふたつが関係しています。
テストステロンは、男性の体内で重要な役割を担っているホルモンです。テストステロンが5α還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)へ変換されると、髪の毛の成長期を短くし、抜け毛や薄毛が進みハゲを引き起こします。
女性でも、更年期前後に男性ホルモンの影響が大きくなり、薄毛になることがあります。
AGAと生活習慣の関係性とは?
AGAの発症には、遺伝が大きく関係することは分かっていますが、生活習慣が関係するかは分かっていません。しかしながら、生活習慣は頭皮環境へ影響を与えます。悪い生活習慣を続けていると、抜け毛や薄毛を引き起こすでしょう。
AGAを予防するためには、健康的な生活習慣を保ち、ストレスを軽減することが大切です。
AGA以外のはげの原因には何がある?
AGA以外のはげの原因は、ストレスや悪い生活習慣などです。
ストレスは、はげの発症に深く関わっています。ストレスによって、頭皮環境が悪化し、フケやかゆみ、炎症などが続くと薄毛を引き起こします。ストレスを軽減するために、十分な睡眠や運動などを取り入れてストレスを発散してください。
喫煙や偏った食事、睡眠不足などの悪い生活習慣もはげの原因です。薄毛が気になりはじめたら、生活習慣の見直しをしてみましょう。
はげの基準を定めたハミルトン・ノーウッド分類って?
ハミルトン・ノーウッド分類は、男性型脱毛症(AGA)の進行度を表す指標のひとつです。ハミルトン分類は、男性のはげの進行度を7段階に分けたもので、以下のように表されます。
I型 | 髪の毛が前頭部の中央から後退し、M字型になる |
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II型 | I型の拡大版で、M字型に後退が進み、前頭部がますます広がる |
III型 | 前頭部の後退が進み、M字型がより深くなる |
IV型 | 後頭部から前頭部にかけて、髪の毛がますます薄くなっていく |
V型 | 前頭部と後頭部の薄毛がつながり、中央部がますます薄くなってくる |
VI型 | 前頭部と後頭部の薄毛がより進行し、側頭部の髪の毛が残る |
VII型 | 側頭部の髪の毛も薄くなり、髪の毛が全体的に薄くなっていく |
ハミルトン・ノーウッド分類は、はげの進行度を客観的に評価するための指標として、医療現場で広く用いられています。しかし、個人差があるため、必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。
日本国内では、ハミルトン・ノーウッド分類に頭頂部の脱毛があるかないかを加えた高島分類が一般的に使用されています。
つむじ(てっぺん、頭頂部)はげの基準とは?
つむじはげとは、頭頂部のつむじ付近から髪の毛が薄くなり、頭皮が見える状態です。てっぺんや頭頂部がはげるつむじはげの基準には、以下の3つがあります。
- つむじ付近の肌が透けて見えている
- つむじ付近の皮膚が赤らんでいる
- つむじ付近の髪の毛が細い
つむじはげは、男性型脱毛症の特徴のひとつです。それぞれ詳しく解説しますので、ご参考ください。
つむじはげの基準:つむじ付近の肌が透けて見えている
つむじはげの基準のひとつは、つむじ付近の肌が透けて見える状態です。つむじ付近の髪の毛が薄くなると、肌が透けて見えやすくなります。ただし、一般的な基準であるため、個人差はあるでしょう。
つむじはげの基準:つむじ付近の皮膚が赤らんでいる
つむじ付近の皮膚が赤らんでいると、つむじはげのはじまりかもしれません。頭皮の赤みの原因として、炎症やかゆみなどがあります。 頭皮の炎症は、薄毛やはげを引き起こします。
つむじに赤みやかゆみがあるときは、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
つむじはげの基準:つむじ付近の髪の毛が細い
つむじはげの基準のひとつに、つむじ付近の髪の毛が細くなるというものがあります。AGAを発症すると、ヘアサイクルの成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長できず、細くなります。
つむじ付近はAGAを発症しやすい部分であるため、つむじ付近の髪の毛が細くなっているときは早めに医療機関を受診することが大切です。
つむじはげに悩む人は、専門医に相談し、適切な治療を受けてください。専門医による的確な診断と治療を受けると、つむじはげの進行を遅らせたり、改善することができます。
つむじ(てっぺん、頭頂部)はげの原因は?
つむじ(てっぺん、頭頂部)はげの原因は主にAGAです。つむじはAGAを発症しやすい場所のひとつです。頭頂部の男性ホルモン感受性毛包で、ジヒドロテストステロン(DHT)の結合した男性ホルモン受容体は、毛母細胞の増殖を抑え成長期を短くします。
間違ったヘアケアを続けていると、髪の毛や頭皮に負担がかかり、つむじはげを引き起こすことがあります。頭皮ケアやシャンプーの仕方を見直してみましょう。
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M字(おでこ、生え際)はげの基準とは?
M字はげとは、生え際の後退によってできるM字型の薄毛やはげです。ここでは、M字(おでこ、生え際)はげの基準についてご紹介します。
M字はげの基準:生え際が後退している
自分で判断しやすい基準として、生え際が指2本分以上後退しているときは、M字はげの可能性があります。定期的に生え際をチェックし、指2本分以上後退しているときは、早めに医療機関を受診してください。
M字はげの基準:ハミルトン・ノーウッド分類でのM字の基準を満たしている
医療機関では、ハミルトン・ノーウッド分類や高島分類を用いて評価されます。M字はげも、AGAの特徴的なパターンのひとつであるため、M字はげが気になるときは、早めの対策や治療が大切です。早い段階で治療をはじめると、M字はげの進行を遅らせ、改善することができます。
M字(おでこ、生え際)はげの原因は?
M字(おでこ、生え際)はげの原因にはAGAだけでなく、牽引性脱毛症やストレス、悪い生活習慣や食生活など様々な原因があります。
ここでは、AGAと牽引性脱毛症について解説します。
AGA
M字(おでこ、生え際)はげの主な原因もAGAです。つむじと同様に生え際もAGAを発症しやすい部分です。前頭部に存在する男性ホルモン感受性毛包では、ジヒドロテストステロン(DHT)が結合すると、髪の毛の成長期が短くなり、薄毛を発症します。
牽引性脱毛症
M字(おでこ、生え際)はげの原因のひとつは、牽引性脱毛症です。ポニーテールなどの頭皮に負荷がかかるヘアスタイルを続けると、強い力で髪の毛がうしろへ引っ張られます。その結果、生え際が後退し、M字はげを引き起こします。
頭皮に負荷のかかる髪型や、ヘアアクセサリーの使用に注意することが大切です。
若はげの基準とは?
若はげに明確な基準はありませんが、以下のような症状が気になる人は若はげの可能性があるかもしれません。
- 抜け毛が増えた
- 髪の毛が細くなった
- 髪の毛の量が減った
若はげとは、20代〜30代で起こる若年性脱毛症のことをいい、AGAだけでなく、ストレスや睡眠不足、栄養不足などの生活習慣の乱れが原因となることがあります。
若はげとAGAは違う?
若はげとAGAは同じ意味で使われることが多いですが、全く同じ意味ではありません。全ての若はげがAGAではなく、若はげの多くが、AGAである場合が多いでしょう。
若はげの原因は?
若はげの主な原因はAGAですが、AGAだけでなく、ストレスや喫煙などの悪い生活習慣が原因となることもあります。AGAは遺伝的な要因が大きいため、家族にAGAを発症している人がいるときは、自分の髪の毛の状態を定期的にチェックすることをおすすめします。
はげの基準は地域によって異なる?
国ごとに採用している分類方法が違うため、はげの詳しい基準は地域によって、異なります。一般的には、ハミルトン・ノーウッド分類を基本に地域や国に応じた診察基準を設定していることが多いでしょう。
また、はげの割合が多いかどうかは地域差があるかもしれません。世界21の国と地域における薄毛率の差などを明らかにする狙いで、あるヘア会社が2009年まで調査を行っていました。その結果では、欧米人は薄毛の割合が多く、アジア人の中で日本人は、薄毛の割合が比較的高いようです。
ここでは、2009年「世界の成人男性薄毛調査レポート」の結果をご紹介します。
白人の方がはげの割合が多い?
「世界の成人男性薄毛調査レポート」では、白人の方が一般的に薄毛の割合が高いようです。最も薄毛率が高かったのはチェコで、スペイン、ドイツと続き、この3カ国の薄毛率は40%を超えています。
アメリカの薄毛率は40%弱となっており、白人の方が一般的にはげの割合が高いという傾向が見られます。しかし、地域や人種によっては異なる場合もあるでしょう。薄毛には、生活習慣、ストレスなどが関係しているため、個人差が大きく影響します。
日本人はアジア人の中ではげの割合が高い?
「世界の成人男性薄毛調査レポート」において、日本の薄毛率は、約27%とアジア人の中で比較的高い結果でした。調査国平均は下回っていましたが、韓国の約22%、中国の約19%と比べると薄毛の割合が高いようです。
今回ご紹介したデータは2009年に行われたデータであるため、2023年では異なる結果が出るかもしれません。また、人種による薄毛割合は、科学的根拠のあるデータは少なく、参考程度に考えるといいでしょう。
日本皮膚科学会ガイドラインでは、日本人のAGA発症頻度は、20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代以降で40数%と年齢とともに高くなると記載されています。
日本人男性のAGA発症頻度は全年齢平均で約30%であることは事実です。そのため、髪の毛の状態を定期的にチェックすることは大切です。
まとめ
国によっても基準は違いますが、はげの程度を定量化する基準としてハミルトン・ノーウッド分類などが用いられます。
はげには様々な原因があり、遺伝的要因やホルモンバランスの変化、ストレスや生活習慣の乱れなどが挙げられます。
はげは、的確な診断が大切であるため、薄毛が気になりはじめたら、専門医の診察を受けることをおすすめします。適切な治療と合わせて、正しい生活習慣や正しいヘアケア、ストレスの軽減などを同時に行うと、はげの予防や改善につながるでしょう。