「AGAかもしれないから、治療について知りたい」
「育毛剤やシャンプーだけでは効果が出ないと感じている」
「AGAの治療方法にはどんな飲み薬があるの」
このような疑問を抱え、AGA治療の飲み薬について知りたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
AGA（男性型脱毛症）は症状が徐々に進む病気であるため、早めに治療をはじめることが大切です。AGAの治療には、効果が認められている飲み薬があります。
この記事では、AGA飲み薬の種類や効果・副作用および適切な使い方や注意点などを網羅的にご紹介しますので、参考にされてください。
目次
- AGA治療で用いられる主な飲み薬とは？
- AGA治療におけるミノキシジル飲み薬の効果
- AGA治療におけるフィナステリド飲み薬の効果
- AGA治療におけるデュタステリド飲み薬の効果
- AGA治療における内服薬（飲み薬）と外用薬（ぬり薬）の違い
- AGA治療における医師による処方と服用方法
- AGA治療における副作用と注意するべきこととは？
- AGA治療における女性向けの飲み薬の選択肢とその効果とは？
- まとめ
AGA治療で用いられる主な飲み薬とは？
AGA治療で用いられる飲み薬は、一般的に以下の3つです。
- プロペシア（フィナステリド）
- ザガーロ（デュタステリド）
- ミノキシジル
プロペシアとサガーロおよびそれぞれのジェネリック医薬品は、厚生労働省に認められている医薬品です。男性における男性型脱毛症の進行遅延に効果があります。
一方で、ミノキシジルの飲み薬は国内では認められていません。ミノキシジル塗り薬は、第1類医薬品として認められています。
飲み薬による治療は、医師の診断を受け、処方してもらわなければいけませんが、手軽に治療をはじめられます。仕事で忙しい人にとって、飲み薬は魅力的な選択肢となるでしょう。
ミノキシジルの効果
ミノキシジル飲み薬は、アメリカにおいて、高血圧症の薬として承認されています。ミノキシジルには、血管拡張作用と発毛促進作用がありますが、男性型脱毛症の薬として認められている国は2023年時点ではありません。
医師が個人輸入した医薬品を投薬する必要があるときは、国内未承認薬で品質・有効性・安全性が確立されたものではないことを説明するようになっています。説明を受け、不安点があるときは医師へ質問し、不安を解消してから飲むようにしてください。
フィナステリドの効果
フィナステリドは、男性ホルモンのテストステロンをより活性の高いジヒドロテストステロン（DHT）に変換する2型5α還元酵素を阻害する薬です。DHTが作られるのを抑えるため、薄毛の進行を遅らせる効果が認められています。
先発医薬品のプロペシア（フィナステリド）では、1mg投与した人で約58％の症状の改善が認められていると報告されています。
デュタステリドの効果
デュタステリドは、フィナステリドと同じ2型の5α還元酵素を阻害するだけでなく、1型の5α還元酵素も阻害してDHTへの変換を抑える薬です。フィナステリドと同様にAGAの進行遅延に効果が認められています。
デュタステリドもフィナステリドと同程度の効果が認められています。
医師による処方と服用方法
フィナステリドとデュタステリドは、どちらも医師の処方箋が必要な処方せん医薬品です。医師の診察を受け、処方せんをもとに調剤され、薬を受け取ることができます。
ミノキシジル塗り薬は、第1類医薬品であるため、薬剤師のいるドラッグストアなどで購入できます。一方で、ミノキシジル飲み薬は、国内未承認薬です。医師が個人輸入した医薬品を服用することになるため、医師の指示のもとで薬を処方してもらいましょう。
副作用と注意する点とは？
AGA治療薬には効果がある反面、副作用も報告されています。
はじめて薬を飲むときにそれぞれの薬の副作用の説明を受け、副作用を感じたら使用を中断し、医師に相談してください。重大な副作用の初期症状などを見逃さないために、自分で判断せずに、医師の診察を受けることが大切です。
AGA治療におけるミノキシジル塗り薬と飲み薬の効果
AGA治療において、ミノキシジルは塗り薬と飲み薬が使われています。男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版において、ミノキシジル塗り薬の推奨度はA（行うよう強く勧める）で、ミノキシジル飲み薬の推奨度はD（行うべきではない）です。ここでは、ミノキシジル塗り薬について説明していきます。
ミノキシジルはどのように作用する？
ミノキシジル塗り薬は、頭皮の毛母細胞を刺激し、新しい髪の毛の成長を促し薄毛を改善します。効果には個人差がありますが、2カ月から6カ月程度の使用で効果が現れることが多いです。
ミノキシジルの効果と副作用
ミノキシジル塗り薬には、発毛・育毛効果と脱毛の進行予防効果が認められています。ミノキシジル塗り薬の発毛効果に関しては、高い水準の根拠が報告されています。
一方で、ミノキシジル塗り薬の副作用で頭皮のかゆみや炎症が起こるかもしれません。人によりますが、顔面の多毛などの症状が出る人もいます。副作用と感じる症状が出たときは、医師や薬剤師へ相談してください。
ミノキシジル外用薬の使い方と注意点
ミノキシジル外用薬は男性と女性で推奨されている濃度が違うため、注意が必要です。また、ミノキシジル塗り薬の濃度が高いほど副作用が出る可能性も高くなります。
ミノキシジルの塗り薬は、1日1〜2回、頭皮に直接塗って使います。頭皮からミノキシジルが吸収され、発毛効果を現します。
AGA治療におけるフィナステリド飲み薬の効果
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版において、AGA治療におけるフィナステリド飲み薬の推奨度は以下のとおりです。
- 男性型脱毛症では推奨度A（行うよう強く勧める）
- 女性型脱毛症では推奨度D（行うべきではない）
男性型脱毛症に対するフィナステリド飲み薬の発毛効果には、高い水準の根拠があります。
フィナステリドはどのように作用する？
フィナステリドは、男性ホルモンのテストステロンをより活性の高いジヒドロテストステロン（DHT）に変換する2型5α還元酵素を阻害する薬です。
AGAはDHTが増えることによってヘアサイクルの成長期が短くなり、薄毛を引き起こします。フィナステリドを服用すると、DHTが作られるのを抑えるため、AGAの進行を遅らせることができます。
フィナステリドの効果と副作用
フィナステリドの効果は男性型脱毛症の進行遅延です。また、フィナステリドの副作用には1~5%未満の割合で、リビドー減退（性欲減少）が報告されており、1％未満の割合で勃起機能不全・射精障害・精液量減少なども起こる可能性があります。
フィナステリド内服薬の使い方と注意点
フィナステリド内服薬は1日1回服用する薬です。食事による影響は受けないため、食後でなくても服用できます。厚生労働省で認可されている薬の規格は、0.2mgと1mgがあり、1日に服用できる上限量は1mgです。
フィナステリド内服薬は、女性は服用することができません。
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AGA治療におけるデュタステリド飲み薬の効果
AGA治療におけるデュタステリド飲み薬の推奨度は、男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版において、以下のとおりフィナステリドと同じです。
- 男性型脱毛症では推奨度A（行うよう強く勧める）
- 女性型脱毛症では推奨度D（行うべきではない）
男性型脱毛症に対するデュタステリド飲み薬の発毛効果には、高い水準の根拠があります。
デュタステリドはどのように作用する？
デュタステリドは、男性ホルモンのテストステロンをより活性の高いジヒドロテストステロン（DHT）に変換する1型および2型の5α還元酵素を阻害する薬です。
デュタステリドの効果と副作用
デュタステリドの効果もフィナステリドと同様に男性型脱毛症の進行遅延です。
デュタステリドの副作用には10人に1人以下の頻度の副作用として、性機能不全が現れることがあります。また、100人に1人以下の頻度の副作用として乳房の腫れや痛みが現れることがあるため、いつもと違う症状を感じたときは医師や薬剤師に相談してください。
デュタステリド内服薬の使い方と注意点
デュタステリド内服薬は1日1回服用する薬です。食事による影響は少ないため、食後でなくても服用できます。厚生労働省で認可されている薬の規格は、0.1mgと0.5mgがあり、1日に服用できる上限量は0.5mgです。
デュタステリドは前立腺がんの検査で測定するPSA値を低下させるため、PSA検査を受けるときは、デュタステリドを服用していることを担当の医師へ伝えなければいけません。
また、デュタステリド服用中および最後にデュタステリドを服用した日から6カ月間は献血ができません。
AGA治療における内服薬（飲み薬）と外用薬（ぬり薬）の違い
AGA治療において内服薬と外用薬の違いについて、解説していきます。
内服薬は、お薬を口から飲むことで体の中に入れる薬です。体の中に入り、血液中に取り込まれ、全身へ運ばれ体全体に効果を発揮します。
一方で、外用薬の効果は塗った部分だけであることが一般的です。例えば、虫刺されのかゆみを抑えるクリームなどが外用薬ですが、 塗った場所に限定して効果を発揮することが多いでしょう。
内服薬のメリット
内服薬のメリットは飲むだけでいいため、手軽に治療を受けられる点です。内服薬は飲んで体の中に入る薬であるため、全身に影響を与えます。そのため、体の悩みや病気の根本的な改善が期待できます。
内服薬のデメリット
内服薬のデメリットは、薬の影響が全身にわたるため、外用薬に比べると副作用が多い点です。
また、他の薬や食品との相互作用が起こる場合があります。特定の薬や食品と併用すると、お互いの効果が強くなったり、弱くなったりする可能性があるため、他のお薬やサプリメント、飲み物との併用には注意が必要です。
必要に応じて医師や薬剤師に相談しましょう。
外用薬のメリット
外用薬とは、塗る、貼る、スプレーする、吸入するなどの方法で、体の外側から使う薬です。内服薬に比べて、副作用が少なく、患部に直接作用するため、高い効果が期待できます。内服薬のように胃腸を通らないため、食事の影響を受けません。
外用薬のデメリット
外用薬の効果は部分的であることが多いため、内服薬と比べると期待できる効果が少ないかもしれません。
外用薬には、塗り忘れたり、塗る範囲が広いと面倒になったりするなどのデメリットもあります。また、目や耳などの粘膜に塗ると、刺激が強く、かぶれなどの副作用が出ることもある点もデメリットのひとつです。
内服薬と外用薬を併用する場合の注意点
フィナステリドやデュタステリドの内服治療とミノキシジルの外用薬を併用すると、作用が異なるため、より高い効果が期待できます。しかし、それぞれの副作用に注意しなければいけません。
AGA治療における医師による処方と服用方法
AGA治療において、フィナステリドとデュタステリドの飲み薬を服用するときは、医師の診察を受け、薬を処方してもらう必要があります。
ミノキシジル塗り薬は、第1類医薬品であるため、薬剤師のいるドラッグストアやインターネット通販などで購入可能です。ミノキシジル飲み薬は、国内未承認薬であるため、医師が個人輸入した医薬品を服用することになります。医師の指示のもと薬を処方してもらいましょう。
AGAクリニックの選び方
AGAクリニックを選ぶときは、治療実績が豊富な医療機関やAGA専門クリニックを選びましょう。一緒に、オンライン診療を行っているかも確認することをおすすめします。
AGAはデリケートな悩みであるため、病院を受診することに抵抗がある人もいるかもしれません。また、AGAは進行性の病気であるため、治療を中止すると症状が再び進みます。AGAは長く治療を続ける必要がある病気です。
オンライン診療だと、人目を気にすることなく、自宅で診察を受けることができるため、受診に抵抗がある人や仕事が忙しい人でも手軽に受診できます。初診の場合はAGAの診断をしなければいけないため、初診だけはオンライン診療ではなく、対面による診療が必要な医療機関もあります。
診察と処方の流れ
一般的なAGAの診察と処方の流れは以下のとおりです。
- 受付・問診表の記入
- 医師による問診・診察
- 検査（ない場合も）
- 薬の処方
- 定期的な通院もしくはオンライン診察
クリニックによって異なるため、詳細な流れは受診予定のクリニックホームページをご参考ください。
薬の正しい使い方と服用方法
薬の種類によって服用方法が異なる理由は、薬ごとに食事の影響の有無や薬の吸収ルートが異なるためです。
そのため、指示された用法用量を守らなければいけません。万が一、服用中の薬がある人は薬の飲み合わせもチェックしなければいけないため、必ず医師へ伝えてください。
AGA治療における副作用と注意するべきこととは？
AGA治療には薬ごとに副作用があります。
頻度は不明ですが、フィナステリドとデュタステリドを服用するときに、特に注意しなければいけない副作用として肝機能障害があります。体がだるいなどの初期症状が出たときは、医師や薬剤師へ相談してください。
フィナステリドとデュタステリドの副作用で1〜5％未満で報告されているのは男性機能障害です。妊活を考えている人は、医師と相談してから服用をするかどうか決めてください。
ミノキシジル塗り薬の副作用で多いのは、頭皮の発疹、かぶれ、頭痛、めまい、心拍数の増加などです。
AGA治療における女性向けの飲み薬の選択肢とその効果とは？
女性のAGA治療に有効な国内で承認されている飲み薬は、2023年時点ではありません。いくつかの飲み薬が使われることがありますが、それぞれの効果や副作用は個人によって異なります。女性のAGA治療には個別の状況やニーズに基づいた適切な処方が必要です。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版において、女性向けの飲み薬で推奨度が高い薬はありません。ガイドラインにおいて行うよう勧められている推奨度B以上の治療方法はミノキシジル外用（推奨度A)とLEDおよび低出力レーザー照射（推奨度B)だけです。
男性と女性で処方される薬は異なる？
AGA治療において、男性と女性で処方される薬は異なります。フィナステリドとデュタステリド飲み薬は、女性は服用することができません。
万が一、フィナステリドを女性が服用するときは、認可されていない服用方法であるため、副作用が起こっても国の補償制度を受けられません。
女性用のミノキシジル外用薬の効果とは？
女性型脱毛症においても、ミノキシジル外用薬は効果が認められており、発毛効果に関しても高い水準の根拠があります。男性に使うミノキシジル外用薬と女性に使う外用薬ではミノキシジルの濃度が違うため注意が必要です。
女性型脱毛症では、1％ミノキシジル塗り薬が使われます。男性に使うときと同じようにミノキシジル塗り薬を使いはじめた時期には一時的に脱毛が起こることもあります。
まとめ
今回の記事では、AGA治療に関する様々な情報をお伝えしました。AGA治療は早期に治療をはじめ、継続することが大切です。内服薬の正しい飲み方や外用薬の使い方を知り、正しい方法で治療を続けることが大切です。
また、AGA治療では、副作用にも注意しなければいけません。服用する前に副作用についてしっかりと理解し、気になることがあったときにはすぐに医師や薬剤師に相談してください。
AGA治療を考えるときは、実績のあるクリニックで専門の医師の診断を受けることをおすすめします。
