AGA治療におけるフィナステリドの効果と副作用とは?ミノキシジルなどの内服薬との併用は大丈夫?
2023.07.07

AGA治療におけるフィナステリドの効果と副作用とは?ミノキシジルなどの内服薬との併用は大丈夫?

「頭頂部の薄毛や生え際の後退が気になってきたから、AGAかもしれない」「フィナステリドの効果や副作用はあるの?」「飲み合わせの確認はどうしたららいいの?」

このような悩みを持っている人もいるのではないでしょうか。男性型脱毛症(AGA)の進行を抑える治療薬のひとつに、フィナステリド飲み薬があります。フィナステリドは、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの生成を抑えることで、薄毛の進行を抑制する効果が認められています。

この記事では、フィナステリドを含めたAGA治療薬の効果や使い方、副作用などについてご紹介しますのでご参考ください。

目次

  1. フィナステリド治療とは
  2. フィナステリド治療の効果
  3. フィナステリド治療の服用開始時の注意点
  4. フィナステリド治療の処方について
  5. フィナステリド治療と男性機能障害の関係
  6. フィナステリド治療のジェネリック医薬品について
  7. フィナステリド治療のミノキシジルとの併用
  8. フィナステリド治療のデュタステリドとの違い
  9. AGAフィナステリド治療でフィナステリドが使えない場合はある?
  10. まとめ

フィナステリド治療とは

フィナステリド治療とは、男性型脱毛症(AGA)の治療に使用される内服薬を使う治療法のことをいいます。先発医薬品の商品名はプロペシアで、プロペシアの成分はフィナステリドです。

フィナステリド治療は、AGA治療でよく選ばれる治療方法のひとつです。

フィナステリドとは

フィナステリドとは、AGAの治療に使用される飲み薬です。男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制することで、AGAの進行を抑制する効果があります。

先発医薬品のプロペシアは、2005年に男性型脱毛症の治療薬として厚生労働省に承認され、発売が開始されました。発売後にも多くの調査が行われているため、安全性も高い薬です。

DHTとは

DHTとは、ジヒドロテストステロンのことをいい、男性ホルモンのひとつです。男性ホルモンのテストステロンが5α還元酵素の働きで、DHTへ変換されます。

DHTはヘアサイクルを乱し、AGAを引き起こすことが報告されています。DHTによって、通常2〜6年とされる髪の毛の成長期が数ヶ月に短縮され、髪の毛が太く成長する前に抜けてしまい薄毛を引き起こします。

AGAとは

AGAとは、男性型脱毛症のことをいい、思春期以降に始まりゆっくりと進行する脱毛症です。AGAの発症には遺伝と男性ホルモンが関与することが報告されているため、血のつながった家族にAGAの人がいるときは、AGAを発症する可能性が高いでしょう。

フィナステリド治療の効果

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版において、男性への治療は推奨されており、AGAの進行を抑制する効果が認められています。日本の厚生労働省にあたる米国食品医薬品局(FDA)の承認も受けており、2011 年末時点で海外60カ国以上で承認されている薬です。

フィナステリドは男性ホルモンのテストステロンをより活性の高いDHTに変換する2型の5α還元酵素を阻害し、テストステロンからDHTへの変換を抑制します。DHTの生成を抑制することで、薄毛の改善につながり、AGAの進行抑制効果があります。

前頭部や頭頂部の男性ホルモン感受性毛包では、DHTが結合した受容体から脱毛因子が誘導されます。フィナステリドによってDHTの生成が抑えられると、前頭部や頭頂部の薄毛改善につながりやすいでしょう。

フィナステリド治療は、フィナステリド服用開始から3カ月程度で発毛効果を実感できる場合もあります。しかし、効果が出るまでには個人差があるため、自己判断で中止せずに6カ月は服用を続けることが大切です。

フィナステリド治療の服用開始時の注意点

フィナステリド治療には注意点もあります。ここでは、以下の3つの注意点についてご紹介します。

  1. 副作用
  2. 用法および用量
  3. 治療期間

それぞれ詳しく説明しますので、続きをお読みください。

副作用について

フィナステリド治療には効果がある一方で、副作用も報告されています。

重大な副作用には、肝機能障害があるため、服用をはじめる前には血液検査などをしてASTやALTなど肝臓の数値に異常がないか調べる医療機関もあります。肝機能障害の初期には自覚症状がほとんどないため、定期的に血液検査を受けてチェックするとよいでしょう。

1〜5%未満に報告されている副作用として、リビドー減退(性欲減少)があります。1%未満で、勃起機能不全・射精障害・精液量減少が起こることがあります。このような症状があらわれたときは、服用を中止し、医師に相談してください。

内服方法について

フィナステリド錠には、0.2mg錠と1mg錠があり、用量は医師が症状を判断し決定します。

男性成人は、通常フィナステリドとして、0.2mgを1日1回服用します。必要に応じて増量することができ、1日1mgが上限です。食事の影響は受けないため、食前でも食後でも服用できます。

フィナステリドは男児胎児へ影響を与える可能性があるため、妊娠または妊娠している可能性がある女性や授乳中の女性は取り扱わないように注意しなければいけません。フィナステリド服用中の男性は、分割や粉砕をせずに服用してください。

治療期間について

3カ月毎日服用すると、効果が発現する場合もありますが、効果が得られるまでには通常6カ月の服用が必要です。

効果を持続させるためには、続けて服用しなければいけません。AGAは進行性の病気であるため、服用を中止すると、再び症状が進行します。

フィナステリド治療の処方について

国内で認可されているフィナステリドは処方箋医薬品に分類されるため、医師の処方が必要な薬です。医療機関を受診し、診察を受けてから薬をもらってください。

海外からの輸入品やインターネット通販などで購入した医薬品からは、偽造品も多く発見されています。国内で認可されていない薬を服用すると、思わぬ副作用が起こる危険性があるため、国内で認可されている医薬品を処方してもらいましょう。

クリニックでの診療について

クリニックでは、簡単な問診や視診、触診などによってAGAを診断します。AGAと診断を受けると、AGA治療方法を症状に応じて選ぶことになります。AGAが初期段階であるときは、飲み薬による治療が選ばれることが多いでしょう。

一方で、AGAが進み、はげている範囲が広いときには自毛植毛などの治療方法が選ばれるかもしれません。

ミノキシジルやデュタステリドとの併用について

ミノキシジル塗り薬や飲み薬はフィナステリドと併用することができますが、デュタステリドは併用することができません。

デュタステリドはフィナステリドと同じで、2型の5α還元酵素を阻害する薬です。デュタステリドは2型だけでなく、1型の5α還元酵素を阻害し、AGAの進行を抑えます。どちらも同じ作用があるため、併用はせずにどちらか一方の薬を選び服用します。

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フィナステリド治療と男性機能障害の関係

フィナステリド治療は男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの生成を抑制する作用があるため、男性機能障害と関係があります。ここでは、男性機能障害について詳しく説明します。

男性機能障害の症状について

男性機能障害として多く報告されているのは、リビドー減退(性欲減少)です。また、勃起機能不全・射精障害・精液量減少が起こることがあるため、妊娠を考えている人や妊活中の人は服用するかどうか慎重に判断しなければいけません。

治療中の男性機能障害の発生率について

フィナステリド治療中の男性機能障害の発生率は以下のとおりです。

  • リビドー減退(性欲減少):1~5%未満
  • 勃起機能不全・射精障害・精液量減少:1%未満
  • 男性不妊症・精液の質低下:頻度不明

男性機能障害は、生活の質に大きく影響する副作用であるため、服用をはじめるときは医師と相談してください。

治療中の男性機能障害の改善方法について

万が一、副作用と考えられる男性機能障害が現れたときには、服用を中止し、医師に相談してください。服用を中止すると改善する可能性が高いでしょう。

精液の質低下は、服用を中止後に、性液の質が正常化または改善されたとの報告があります。一方で、発売された後に行われた調査では、フィナステリド投与中止後もリビドー減退などの男性機能障害は続いたとの報告があります。

フィナステリド治療のジェネリック医薬品について

フィナステリドは、ジェネリック医薬品も発売されています。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を含み、効果や安全性は同等です。価格は先発医薬品よりも安価であるため、治療を続けやすくなるでしょう。

ジェネリック医薬品の特徴について

ジェネリック医薬品は、先発品の特許が切れた後に発売される医薬品です。ジェネリック医薬品は開発費用が抑えられるため、先発医薬品よりも安い価格が設定されています。AGA治療は保険が適用されない治療であるため、ジェネリック医薬品を選ぶと自己負担額の削減に役立ちます。

厚生労働省に認可されているジェネリック医薬品は通常、先発医薬品と同等の効果や安全性が認められています。フィナステリドのジェネリック医薬品について質問があるときは、医師や薬剤師に相談してください。

フィナステリドはジェネリック医薬品?

フィナステリドの先発医薬品はプロペシアであり、フィナステリドはジェネリック医薬品です。厚生労働省から、ジェネリック医薬品の販売名は、「有効成分の成分名+剤形+含量+会社名」とする通知が出されています。

ジェネリック医薬品の選び方について

プロペシアのジェネリック医薬品はフィナステリドで、2023年4月時点で9種類のジェネリック医薬品が厚生労働省で認可され、発売されています。

添加物などが違うだけで、有効成分は同じであるため、どのメーカーのジェネリック医薬品を選んでも問題ありません。ジェネリック医薬品を選ぶときは、国内で認可されているものを選んでください。

フィナステリド治療のミノキシジルとの併用

フィナステリド治療は、ミノキシジル塗り薬との併用でより高い発毛効果が期待できます。フィナステリドとミノキシジル塗り薬は、どちらもAGA治療に効果があると認められており、作用する仕組みが違います。

併用による効果増大のメカニズム

フィナステリドは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制することで、発毛を促進する効果があります。ミノキシジル塗り薬は、血管を拡張させて毛乳頭細胞に栄養を送り込むことで、発毛を促進する効果があります。

それぞれ、異なる作用でAGA治療効果が認められているため、併用すると効果が増大する可能性が高いでしょう。

併用による副作用のリスクについて

フィナステリド治療とミノキシジル塗り薬を併用すると、それぞれの副作用に注意しなければいけません。

ミノキシジル塗り薬の副作用には、頭皮の炎症、かゆみ、発疹、体毛が濃くなるなどがあります。

フィナステリド治療のデュタステリドとの違い

フィナステリド治療とデュタステリドによる治療効果や副作用はほぼ同じです。

フィナステリドとデュタステリドはどちらも5α還元酵素を阻害する薬です。フィナステリドは2型の5α還元酵素だけを阻害し、デュタステリドは2型だけでなく1型の5α還元酵素も阻害し、AGAの進行を抑えます。2剤とも同じメカニズムであるため、併用はせずにどちらか一方の薬を選び服用します。

デュタステリドは前立腺がんの検査に使われるPSA値に影響を与えたり、服用中および服用を中止後も6カ月間は献血できなかったりする点に注意が必要です。

AGAフィナステリド治療でフィナステリドが使えない場合はある?

フィナステリドは、AGA治療に効果的な内服薬です。ただし、フィナステリドを使えない場合もあるため、治療をはじめる前に医師に相談することが大切です。

フィナステリド治療に対する過敏症のある場合

フィナステリドの成分に対して過敏症の既往歴がある人はフィナステリド治療を受けられません。

過敏症とは、アレルゲンと接触したときに起こるアレルギー反応です。過敏症の症状は人によって異なりますが、最も一般的な症状は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、息切れなどです。重症の過敏症は、呼吸困難、血圧低下、意識喪失など、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。

過去にフィナステリドを服用してアレルギー反応がでた人は、フィナステリドを服用できません。

薄毛の理由がAGAではない場合

薄毛の理由がAGAでない場合は、フィナステリドの服用は適切ではない場合があります。フィナステリドは男性型脱毛症(AGA)に対して効果が認められており、AGAによる薄毛の進行を抑制する薬です。 

AGA以外の原因によって薄毛になっているときは、フィナステリドの効果は限定的であるか、全くない場合もあります。例えば、薄毛の原因が円形脱毛症だったときには、別の治療が選択されます。

フィナステリド治療を受けるときは、必ず医師による診断を受けてください。

女性の場合

フィナステリド治療は、女性に対する適応はありません。その理由は、海外で実施された閉経後女性のAGAを対象とした試験において、フィナステリドの有効性が認められていないためです。

また、妊婦または妊娠している可能性のある女性および授乳中の女性には、投与してはいけない薬です。妊娠中に服用すると、男児胎児の生殖器官の発育に影響を与える可能性があります。

まとめ

フィナステリドはAGAの治療に有効であることが認められている薬のひとつです。フィナステリドは、薄毛の進行を遅らせることはできますが、既に抜けてしまった髪の毛を再生することはできません。そのため、早い段階で治療をはじめることが大切です。

また、フィナステリドにはいくつかの副作用があります。5%未満で報告されている主な副作用は、性機能障害(勃起不全、射精困難、リビドー減退など)です。これらの副作用は、薬の服用を中止すると治まりますが、一部の人では続くこともあります。

フィナステリド治療をはじめるときは、医療機関を受診して、医師の指示に従って服用することが重要です。自己判断で中止せずに、治療を続けることも大切です。AGAに悩んでいる人は、フィナステリド治療を検討してみてはいかがでしょうか。

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