薄毛治療には、費用がかかることが多く、AGAの治療費は医療費控除の対象になるのかどうかを知りたい方は多いのではないでしょうか?
AGA治療費が医療費控除の対象になることを紹介します。なぜなら、AGAの治療費は、医療費控除の対象になるため、所得税や住民税の還付が受けられることがあるからです。
この記事では、AGA治療費控除についての基礎知識や対象となる費用、適用条件などを解説します。ぜひ、最後まで読んでください。
目次
- AGA治療と医療費控除
- 薄毛治療の費用について
- AGA治療におけるクリニック選びのポイント
- AGA治療に必要な内服薬について
- AGA治療の金額と税理士に相談する理由
- AGA治療は健康保険適用される?医療費を抑えるためにできることとは?
- まとめ
AGA治療と医療費控除
AGA治療は受けたいけれども、費用が気になっている方は多いでしょう。
ここでは、AGA治療と医療費控除について3つ紹介します。
- 医療費控除とは
- AGA治療が対象となる条件
- 医療費控除の申請方法
以下で、1つずつ詳しく説明します。
医療費控除とは
医療費控除とは、支払った医療費のうちの一定金額を所得から差し引くことができる制度で、確定申告することによって税金を軽減できます。医療費控除の対象には実際にかかった治療費のほか、通院のための交通費や入院中の食事代なども含まれます。
しかし、支払ったすべての医療費が控除されるわけではなく、たとえば以下のような医療費は控除の対象ではありません。
- 美容目的の整形費用
- 健康増進や美容目的で使用したサプリメント
- 自己都合で利用した差額ベッド代
- 眼鏡やコンタクトレンズの購入費用
美容目的や健康を維持するなど治療ではないものは、医療費控除の対象外です。たとえば、美容目的のビタミン剤の購入は医療費控除外になります。
AGA治療が対象となる条件
基本的にAGA治療は美容目的なので自由診療であり、方法や手術の有無に関係なく、すべて医療費控除対象外です。
しかし、AGAの原因に病気や疾患が関係する場合などは、病気の治療費と見なされて控除の対象になる場合があります。AGA治療の医療費控除について明確な基準はなく、現状は税理士や管轄の税務署によって違います。
医療費控除の申請方法
会社員などは年末調整で所得税額を精算しますが、医療費控除は年末調整の対象外であるため、確定申告(または還付申告)を行わなければなりません。確定申告で納税する人は還付金はありません。確定申告は、以下の順に行います。
- 医療費控除の対象かを確認する
- 「医療費控除の明細書」と「確定申告書」を準備する
- 書類を税務署に提出する
- 還付金を確認する
医療費控除を申請できるのは、対象年の1年間に支払った医療費控除対象となる医療費などから10万円(総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%)を超える場合です。保険金などで補填(ほてん)があった場合は、補填金額を引いた金額です。
「医療費控除の明細書」とは、医療費控除対象の医療費や交通費などをまとめたものです。
提出の際には本人確認書類が必要になります。還付金は、通常2週間から1か月くらい後に、指定預貯金口座に振り込まれます。
薄毛治療の費用について
薄毛治療の費用にはどのくらいかかるのでしょうか?
ここでは、薄毛治療の費用について3つ紹介します。
- AGA治療の費用相場
- 治療費用に含まれるもの・含まれないもの
- 保険適用について
以下で、1つずつ詳しく解説します。
AGA治療の費用相場
AGA治療の費用相場は、月額15,000〜30,000円くらいです。年間では180,000円〜360,000円程度です。大まかな内訳は下記の表に掲載しました
【AGA治療の費用相場】
項目 | 内容 | 金額 |
---|---|---|
初診料・再診料 | 金額はクリニックによって異なる | 初診料無料〜5,000円、再診料1,000〜3,000円 |
検査料 | 初診時もしくは半年〜1年に1回ごとに治療経過を確認 | 5,000〜10,000円 |
薬代 | AGA治療にかかる費用の大部分を占める | 10,000円前後 |
その他 | 育毛シャンプーやサプリメント、別の施術 |
クリニックによっては、初診料・再診料もしくは検査料が無料の場合があります。AGA治療に行く前に、行ってみようと思っている医療機関に問い合わせてみましょう。
治療費用に含まれるもの・含まれないもの
治療費用に含まれるものは、上記の表にあるような検査、投薬、注射、点滴などのほか、施術なども治療費に含まれます。
治療費用に含まれないものとは、以下のものが挙げられます。
【治療費用に含まれないものの例】
- タクシー代(公共交通機関利用が可能な場合)
- 自家用車で通院する時のガソリン代もしくは駐車代
- 親族に支払う療養上の世話のお礼
- 体調を整えるための治療に直接関係のないもの
引用元:国税庁
保険適用について
AGA治療は自由診療なので、保険適用外です。保険適用は、「病気やけがが命に関わるものか」で判断します。たとえば、風邪は放置すれば死亡してしまう可能性がありますが、AGAによる薄毛は進行しても、本人が恥ずかしいということはあっても死亡することはありません。
診察や検査、薬代も全額自己負担なので、クリニックを選ぶときは継続して通院できる料金設定かも重要なポイントです。
AGA治療におけるクリニック選びのポイント
それでは、AGA治療をするクリニックを選ぶポイントとはどのようなものでしょうか?
ここでは、AGA治療におけるクリニック選びのポイントを3つ紹介します。
- 医師の経験・知識について
- 治療薬の種類について
- 診療時間や予約の取りやすさについて
以下で、1つずつ詳しく説明します。
医師の経験・知識について
AGA治療をするクリニックを選ぶときには、医師の経験・知識を重視しましょう。AGAかどうかは、医師が問診や視診などを行って、判断します。経験・知識のある医師は、現場で多くのAGA患者に接しているので、患者の外見などについても熟知しています。
医師の経験・知識は外見からははかり知れませんが、「通院している患者は多いか」「口コミの評判は良いか」はある程度の目安になります。
治療薬の種類について
治療薬の種類が多く、AGA以外の薄毛治療の実績があるAGA治療専門クリニックをおすすめします。というのも、AGA以外にも多くの脱毛症があるからです。治療実績や症例は公式サイトに掲載されています。
AGA治療は自由診療なので、治療費はクリニックによって大きく異なります。治療薬の種類が多いと、患者の経済事情も考慮した治療プランの提示もあるでしょう。
診療時間や予約の取りやすさについて
AGA治療は長期間に及ぶので、自分が通院しやすい診療時間であるか、予約は取りやすいかも大切です。
通院は月に1回くらいの可能性が高いので、定期的に通うことを考えて通勤帰りに利用できるクリニックを選ぶと便利で都合が良いです。また、最近はオンライン診療を行っているAGAクリニックも少なくありません。オンライン診療であれば通院時間はゼロ、予約は24時間いつでも大丈夫です。
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AGA治療に必要な内服薬について
AGA治療に必要な内服薬にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、AGA治療に必要な内服薬フィナステリドについて紹介します。
- フィナステリドとは
- 内服方法や用量について
- 効果が現れるまでの期間について
以下で、1つずつ詳しく説明します。
フィナステリドとは
フィナステリド(プロペシア)は、AGA原因のジヒドロテストステロン(男性ホルモン)を作り出す還元酵素Ⅱ型「5αリアクターゼ」を抑制する薬です。フィナステリドは、正常なヘアサイクルに戻すのが目的で、AGAの進行を抑制します。
現在、フィナステリドの後発医薬品(ジェネリック医薬品)が多くのジェネリックメーカーから製造販売されているので、先発品よりは安く入手できるでしょう。価格は自由診療のため医療機関によって違います。
内服方法や用量について
フィナステリドは有効血中濃度を一定に保つために、基本的に1日1回就寝前か時刻を決めて服用します。医師の処方量の服用ですが、1日1mgが上限です。
フィナステリドはDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えて、徐々にヘアサイクルを元の周期に戻しAGAの進行を抑制するので、服用して急激に変化が確認できるのではなく、通常6カ月間連日投与する必要があります。
効果が現れるまでの期間について
フィナステリドを服用して発毛が実感できるまで期間は、個人差がありますが、速くても3カ月程度、平均服用期間6カ月と言われています。この期間で効果が実感できない場合も1年程度を目安に継続します。
AGA治療の金額と税理士に相談する理由
AGA治療の金額はどのくらいで、AGA治療の費用について税理士に相談する理由は何でしょうか。
ここでは、AGA治療の金額と税理士に相談する理由を紹介します。
- 治療費用の金額相場
- 医療費控除の申請に必要な書類について
- 税理士に相談するメリットについて
以下で、1つずつ説明します。
治療費用の金額相場
薬を使ったAGA治療の費用相場は月額15,000〜30,000円で、年間では180,000円〜360,000円くらいかかる計算です。
AGA治療は注入治療や植毛による治療もあるので、ここでは注入治療や植毛による治療の金額相場を挙げてみます。
【注入治療や植毛による治療の金額相場】
治療方法 | 内容 | 相場金額 |
---|---|---|
注入治療 | 毛髪の成長因子を頭皮に注入 | 20,000〜60,000円/回 |
自毛植毛 | 薄毛部位に自分の毛髪を移植する | 300,000〜2,000,000円 |
注入療法は1回/3〜4週間、半年〜1年ほど継続し、年間では数十万以上かかります。植毛術はごく一部の移植であれば300,000円程度ですが、広範囲になると数百万と非常に高額です。
医療費控除の申請に必要な書類について
会社員であっても確定申告で納税する方でも、医療費控除を受けるためには確定申告(または還付申告)を行う必要があります。
確定申告の医療費控除に必要な書類は「医療費控除の明細書」と「確定申告書」です。「医療費控除の明細書」とは、医療費控除対象の医療費や交通費などを詳しくまとめたものです。国税庁確定申告リンク集からも確定申告書などの書類作成が行えます。
税理士に相談するメリットについて
税理士は税金のプロなので、あなたの確定申告の味方になってくれます。国税庁や税務署は健康保険適用外のAGA治療の医療費控除について、明確に見解を出しておらず、税理士や申告者当人の判断で医療費控除の対象にするかどうか決めているのが現状です。
国税庁や税務署の課税当局から何らかの見解が出るまでは今のままの状態です。自分のAGA治療が医療上の必要性があって行っていることを税理士に相談してみましょう。相談する方の状況に合わせて、対応してくれる可能性が高いです。
AGA治療は健康保険適用される?医療費を抑えるためにできることとは?
AGA治療では健康保険は使えませんが、医療費を抑えるためにできることとはどんなことでしょうか。
ここでは、AGA治療の費用について、2つ紹介します。
- 健康保険が適用されるAGA治療の種類とは?
- 健康保険適用外のAGA治療でも医療費控除は使える?
以下で、1つずつ詳しく説明します。
健康保険が適用されるAGA治療の種類とは?
AGAではありませんが、保険適用となる薄毛治療としては円形脱毛症があります。円形脱毛症の治療は塩化カルプロニウムやステロイドを使う外用療法、もしくはアレルギー用薬やセファランチンの内服などで行います。
保険診療と保険外診療の併用(混合診療)は原則禁止です。例外はありますが、AGA治療と同時に発症した円形脱毛症の混合診療は認められておらず、行う場合は全体として保険外診療(自由診療)となりますので、注意してください。
健康保険適用外のAGA治療でも医療費控除は使える?
AGA治療の中でも若年性脱毛症(若ハゲ)の治療は立派な病気の治療なので、医療費控除は使えます。ただし、医療費控除するのであれば、「脱毛症という病気を治療している」という気持ちが大切です。「ハゲは見た目でよくない」「将来ハゲないように予防している」という理由でのAGA治療では医療費控除の対象外です。
国税庁や税務署の課税当局は健康保険適用外のAGA治療は医療費控除について、明確に見解を出しておらず、税理士や申告者当人の判断で医療費控除の対象にするかどうか決めているというのが現状です。
まとめ
AGA治療費控除についての基礎知識や対象となる費用、適用条件などを解説してきました。
AGA治療費は円形脱毛症や若年性脱毛症(若ハゲ)の場合、医療費控除の対象になります。AGAの治療費が医療費控除の対象になれば、所得税や住民税の還付を受けることができ、医療費を抑えることができます。
治療費のことでAGA治療をためらっている方は、自分の薄毛が医療費控除対象の薄毛かどうか知るためにも、医師の診察を受けることをおすすめします。