「AGA治療でミノキシジルを使おうかどうかを悩んでいる」
「ミノキシジルは効果があるの？」
「ミノキシジルは女性も使えるの？」
このような悩みや疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。ミノキシジル外用薬（塗り薬）は、発毛・育毛および脱毛の進行を予防する働きが認められている薬です。AGA治療においてガイドラインでも推奨されています。
ミノキシジルには、正常なヘアサイクルに戻す作用があり、また、毛包に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を進めることによって発毛をさせます。
本記事では、ミノキシジルの使用方法、効果、副作用、AGA治療を行う上で必要なことや注意点についてご紹介しますので、ご参考ください。
目次
- AGA治療とは
- ミノキシジル治療について
- ミノキシジル治療の注意点
- ミノキシジル治療の効果に関する疑問点
- ミノキシジル外用薬の処方について
- ミノキシジル外用薬の使用方法について
- AGA治療における女性の注意点
- AGA治療でミノキシジルと同様の効果を持つ医薬品はある？
- まとめ
AGA治療とは
AGA治療とは、薄毛や抜け毛の原因がAGA（男性型脱毛症）である人に行う治療方法です。AGA治療は、薄毛や抜け毛の進行を抑制し、毛髪の成長を促進することを目的としています。
主な治療法としては、フィナステリドなどの内服薬・ミノキシジル外用薬・レーザーや光療法・注入療法・自毛植毛があります。
AGAは多くの人にとって心理的な負担となる病気です。専門的な知識や具体的な治療方法を知ると、薄毛問題の解決策を見つける手助けとなるでしょう。
AGAとは
AGA（男性型脱毛症）は、男性によく見られる脱毛症のひとつであり、一般的に頭頂部や前頭部の髪の毛が徐々に薄くなります。AGAの原因はさまざまですが、遺伝的要素や男性ホルモンの影響、年齢などが関与しています。
薄毛になり、抜け毛が増える主なメカニズムは、DHTが増え、ヘアサイクルの成長期を短くするためです。
治療の必要性
AGAは治療をせずに放置していると、症状が進む病気です。AGA治療に関しては、初期の対策と継続的なケアが大切です。専門医による診断を受け、ヘアケアの改善、ストレス管理なども併せて行うことで、より良い結果を得ることができるでしょう。
AGA治療の効果や安全性は個人によって異なるため、医師の指導のもとで適切な治療方法を選ぶことが大切です。
AGAを発症すると、心理的ストレスやうつ症状を引き起こす可能性もあります。AGA治療によって、自信がつき、自分をアピールすることは、人間関係やキャリアの発展においても重要です。
ミノキシジル治療について
ミノキシジル治療は、ミノキシジルを使う治療方法です。ミノキシジルは、外用薬（塗り薬）と内服薬（飲み薬）の2種類があります。国内において承認されているミノキシジル製剤は外用薬（塗り薬）だけです。
ミノキシジルとは
ミノキシジルは、高血圧の治療薬として開発が進められた薬です。1979年にミノキシジルに発毛効果があることが分かり、1988年にアメリカで承認されて以来、世界90カ国以上で承認され外用薬が使われています。
効果
ミノキシジルの作用メカニズムは、血管拡張作用と発毛促進作用です。ミノキシジル外用薬は、発毛・育毛および脱毛の進行予防に効果が認められています。
外用薬と内服薬の違い
ミノキシジルは、外用薬と内服薬の2種類があります。
外用薬は、頭皮に塗るタイプのミノキシジルです。第1類医薬品として効果が認められており、薬剤師のいるドラッグストアや薬局またはインターネット通販で購入できます。薄毛治療専門クリニックで独自配合された外用薬が処方されることもあります。
内服薬は、飲み込むタイプのミノキシジルです。海外では他の血圧の薬が効かない患者さんのみに使用する高血圧の薬として治療にも使用されます。しかし、2023年時点では男性型脱毛症の薬として認められている国はありません。
内服薬は、外用薬よりも発毛効果が高い可能性もありますが、副作用も多く、国内で承認されていません。ミノキシジル内服治療は、医師から説明を受け、効果と副作用を十分に理解した上で選んでください。
使用方法について
ミノキシジル外用薬は濃度によって、男性だけが使える外用薬と男女ともに使える外用薬に分かれます。
製剤によって、使い方が異なるかもしれませんが、一般的には1日2回決められた量を脱毛している頭皮に塗布します。ほとんどの外用薬が1回量を計量できるタイプの容器になっているため、購入した外用薬の使用方法をご確認ください。
ミノキシジルを塗布後のマッサージは、ミノキシジルが手について期待される効果が得られない可能性があります。頭皮マッサージをするときは、ミノキシジル外用薬を塗る前に行いましょう。
副作用について
ミノキシジル外用薬の主な副作用は、以下のとおりです。
| 関係するところ | 主な症状 |
|---|---|
| 皮膚関係 | 頭皮の発疹、かぶれ、ふけ、多毛症（体毛の濃くなること） |
| 神経関係 | 頭痛、めまい |
| 循環器系 | 胸の痛み、心拍数の増加、血圧低下 |
| その他 | 急激な体重増加 |
ミノキシジル内服薬は正式に認められたAGA治療薬ではないため、ミノキシジル内服薬の副作用の正確な情報は少ないのが現状です。ミノキシジル内服薬は、上記と同じような症状に加えて、循環器系の副作用が多いと考えられます。
ミノキシジル内服薬は、国内で認可されていない服用方法であるため、思わぬ副作用などが起こる可能性も高いでしょう。
使用開始時の注意点
ミノキシジル外用薬を使うときは、他の育毛剤や外用剤を頭皮へ使うことはさけてください。
また、以下に当てはまる人は、使用開始前に医師または薬剤師へ相談し、ミノキシジル外用薬を使うかどうか決めましょう。
- 今までに薬などでアレルギー症状を起こしたことがある人
- 血圧に異常がある人
- 心臓や腎臓の病気がある人
- むくみがある人
- 家族にAGAの人がいない人
- 高齢者
- 甲状腺の病気がある人
ミノキシジル外用薬は、副作用などにより日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずる
おそれがある医薬品です。使いはじめる前に十分な説明を聞きましょう。
ミノキシジル治療の注意点
ミノキシジル治療は、適切に使用すれば、AGAの治療に効果的です。しかし、注意点もあるため、ここでは注意点についてご紹介します。
ミノキシジル内服薬は国内で承認されている？
国内で認可されているミノキシジルは外用薬だけです。
薄毛治療専門のクリニックなどで処方されているミノキシジル内服薬は、薄毛改善薬として国内で承認されたものではありません。アメリカにおいて、ミノキシジル内服薬は、高血圧症の薬として承認されていますが、男性型脱毛症の薬としては、認められていません。
ミノキシジル内服薬は、医師が個人輸入した医薬品です。そのため、ミノキシジル内服薬を使う必要があるときは、国内未承認薬で品質・有効性・安全性が確立されたものではないことを説明するようになっています。十分に説明を受け、不安点があるときは医師へ質問し、不安を解消してから飲むようにしてください。
使いはじめに初期脱毛が起こることも
ミノキシジル外用薬を使用しはじめた後に、抜け毛が増える可能性があります。初期脱毛といい、全ての人に初期脱毛が起こるわけではありません。
初期症状は、ヘアサイクルの一環として多くの人に起こる症状であるため、ミノキシジル外用薬が効いている証拠です。ミノキシジル外用薬を使いはじめて数カ月以内に起こるため、副作用と思い治療を中止してしまう人もいますが、自己判断で中止せずに医師へ相談してください。
ミノキシジル治療の効果に関する疑問点
ミノキシジル治療について説明してきましたが、いくつか疑問点が出てきた人もいるのではないでしょうか。ここでは、ミノキシジル治療の効果に関する疑問点についてご紹介します。
効果はどのくらいから出るの？
ミノキシジルの有効性は4カ月使用後から認めれれています。ヘアサイクルが元に戻り、髪の毛が成長するには、時間がかかるため4〜6カ月は毎日使用してください。
治療をやめるとどうなるの？
ミノキシジルの効果を維持するには、続けて使うことが必要です。髪の毛が生えたからといって、使用を中止すると徐々に元に戻ります。ミノキシジル外用薬は、AGAの根本的な原因を取り除く薬ではありません。
女性にも効果があるの？
ミノキシジル外用薬は、女性の薄毛にも効果が認められています。女性の薄毛には、いくつかの種類がありますが、その中でも最も一般的なのは、女性型脱毛症（FAGA）です。ミノキシジル外用薬は、FAGAの治療に効果があり、髪の毛の成長を促進し、脱毛を抑制することができます。
ミノキシジル外用薬は、男性と女性の両方に効果がありますが、使用するミノキシジル濃度が違うため注意が必要です。また、妊娠中や授乳中の女性は使用できません。
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ミノキシジル外用薬の処方について
ミノキシジル外用薬は一般用医薬品のうち、第1類医薬品に分類されるため、医師の処方せんは必要ありません。薬剤師のいるドラッグストアや薬局、インターネット販売でも購入できます。医療機関を受診することなく、手軽に治療をはじめられる点がメリットです。
クリニックでの診療について
医療機関を受診したにもかかわらず、ミノキシジル塗り薬は処方されずに自身で薬局などで購入することは手間だと考える人もいるでしょう。
2020年に厚生労働省から出された見解によると、自由診療において、一般用医薬品を処方せんに記載することもできます。そのため、医療機関で医師の指示のもとミノキシジル外用薬を処方してもらうこともできます。
ミノキシジル外用薬の種類と選び方について
ミノキシジル外用薬には、第1類医薬品として厚生労働省に認可されているものと、クリニック独自で高濃度の外用薬を処方をしているものがあります。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版において、推奨されているミノキシジル外用薬の濃度は男性型脱毛症に5％、女性型脱毛症に1％です。第1類医薬品として販売されている薬も5%と1％です。
安全性を重視して選ぶときは、第1類医薬品として承認されているミノキシジル外用薬をおすすめします。
ミノキシジル外用薬の使用方法について
ミノキシジル外用薬の効果を最大限にえるためには、正しい使い方が大切です。使う前に薬の説明書をよく読み、用法と用量を守りましょう。ここでは、ミノキシジル外用薬の使用方法について説明しますので、続きをお読みください。
頭皮の清潔な保持について
頭皮は髪の毛が育つ土台であるため、頭皮環境を清潔に保つことが大切です。頭皮環境が悪いと、毛根に皮脂がたまり、ミノキシジル外用薬の吸収を妨げます。正しい洗髪方法で1日1回の洗髪を行い、清潔な頭皮環境を保持しましょう。
適正な使用量と使用頻度について
製剤によって、使用量が異なるかもしれませんが、一般的な使用量は1日2回、1回1mLを脱毛している頭皮に塗布します。ほとんどの外用薬が1回量を計量できるタイプの容器になっているため、購入した外用薬の使用方法をご確認ください。
1日2回より多く使っても効果があがることは報告されていません。使用頻度を高くしても、髪の毛の成長が早くなることはなく、副作用が出る可能性が高くなります。
AGA治療における女性の注意点
女性のAGA治療では、男性とは異なる注意点があります。ここでは、その注意点をいくつか挙げます。
女性のAGA治療の特徴
AGAは男性ホルモンの影響で発症する脱毛症です。女性の場合は男性ホルモンの分泌量が少ないため、男性に比べて進行が遅い傾向があります。閉経後に女性ホルモンの分泌が減るとAGAを発症しやすくなります。女性のAGAも進行する可能性はあるので、早期に発見し、早期に治療することが大切です。
ミノキシジル治療の注意点
女性がミノキシジル外用薬を使うときは、女性用に認められているミノキシジル塗り薬を使用してください。女性は、男性と比べると、脱毛の原因がさまざまであるため、使用前に注意すべき点が多くあります。
女性型脱毛症に承認されているミノキシジル外用薬の濃度は1％です。ミノキシジル濃度が1％であっても女性には使えないミノキシジル塗り薬もあるため、購入前に薬剤師に相談してください。
妊娠または授乳中の人は使用できません。
フィナステリド治療の注意点
女性型脱毛症においてフィナステリド内服薬の服用は推奨されていません。妊娠中の人が誤って服用すると、男児胎児の器官形成に影響を与えます。妊娠を希望する女性は、AGA治療を始める前に必ず医師に相談する必要があります。
AGA治療でミノキシジルと同様の効果を持つ医薬品はある？
AGA治療でミノキシジルと同様の効果を持つ医薬品はありません。AGA治療で推奨されている医薬品はフィナステリドとデュタステリドの内服薬とミノキシジル外用薬だけです。フィナステリドとデュタステリドの内服薬には、ミノキシジルの発毛や育毛効果は認められておらず、AGAの進行遅延のみです。
ミノキシジルのジェネリック医薬品はある？
ミノキシジル製剤は1999年にダイレクトOTC 医薬品（商品名：リアップ、開発販売社：大正製薬株式会社）として開発され、先発品会社のみから発売されてきました。
その後、ミノキシジルを有効成分とするミノキシジル外用薬が多く承認され、ジェネリック医薬品も多く存在します。ジェネリック医薬品は、先発品会社のミノキシジル製剤と同等の効果が承認されています。
ミノキシジルの効果をコントロールしたいときはどうすればいい？
ミノキシジル外用薬には、1％製剤と5％製剤があるため、ミノキシジルの含有量を調整することで、効果をコントロールできるでしょう。
1％製剤では、あまり効果が得られないと感じる人は5％製剤へ増量することによって、効果が得られる可能性があります。
ミノキシジル外用薬の副作用は濃度が高いほど、多くなると報告されているため、副作用が気になる人は1％製剤を使うことをおすすめします。
まとめ
この記事では、ミノキシジルについて説明してきました。AGA治療において、ミノキシジル外用薬の効果は認められており、ガイドラインでも推奨されています。ミノキシジル1％製剤は女性にも効果が認められています。
薄毛や抜け毛が気になり、AGAかもしれないと不安を感じている人はミノキシジル外用薬を試してみてはいかがでしょうか？医師の診察を受けずに、OTC医薬品のミノキシジル外用薬を使うのが不安な人は、専門の医療機関を受診し、処方してもらいましょう。
