AGAの治療にかかる費用はどのくらい？安く抑える方法も解説

AGAの治療を受けたいと思っているけれども「AGAの治療費はどのくらいかかるのだろう」「治療費を安く抑える方法はあるのだろうか」など疑問に思っていませんか？

AGAの治療費は保険を使うことができない自由診療であるため、自己負担額は10割です。

AGAの症状によって治療にかかる費用も違いますが、早い段階で治療を開始すると治療費が安くなる可能性が高いでしょう。

薬による治療が必要な時は月額数千円〜2万円が相場です。症状が進行し手術を選択する場合には、数十万〜数百万円かかることもあります。

本記事では、AGAの治療費用の相場から、治療費を安く抑える方法まで網羅的に解説しますのでご参考ください。

AGA治療の費用相場

AGAの治療費には診察料、検査料や薬代などが含まれ、1カ月あたりの総額は約15,000〜30,000円が相場です。年間約180,000〜360,000円の自己負担が発生します。

院外処方の医療機関だと処方箋が発行され、薬局で薬をもらう必要があるため、医療機関で処方箋発行料、薬局でも調剤料などがかかり、費用が高くなる傾向にあります。

内訳①：初診料・再診料

AGA治療は自由診療であるため、初診料や再診料はクリニックが自由に設定することができ、料金は医療機関によって異なります。クリニックによっては初回無料でカウンセリングを行っているところもあり、初診料の相場は0〜5,000円、再診料は1,000〜3,000円です。

内訳②：検査料

初診時に血液検査やマイクロスコープなどの検査が行われる時には検査料がかかります。検査費用は検査項目によって異なるため、受診予定の医療機関へご確認ください。

AGAは遺伝性が高い病気であるため、遺伝子検査も同時に実施している施設もあります。髪の状態や毛髪内部の様子を確認するために、マイクロスコープ検査が行われることもあります。

検査を行う頻度は初診時のみや半年〜1年毎に治療経過を確認するために行っているクリニックが多いです。

内訳③：薬代

AGAと診断され、AGA治療薬の処方があると薬代がかかります。AGA治療にかかる費用の大部分を占めるのは薬代です。使用する薬剤によって値段も異なります。ここでは、代表的な3つの薬剤「プロペシア」「ザガーロ」「ミノキシジル」の価格相場をご紹介します。

厚生労働省に認可されていない独自配合の薬を処方しているクリニックもありますが、ここでは厚生労働省に認可されている薬であることが前提です。

プロペシア（フィナステリド）

医師の処方箋が必要な処方箋医薬品です。プロペシアは男性ホルモンのテストステロンをより活性の高いジヒドロテストステロン（DHT）に変換する2型の5α還元酵素を阻害し、テストステロンからDHTへの変換を抑制します。

プロペシアを服用するとAGA発現に関与するDHTを減少させるため、抜け毛が減り、AGAの進行を遅らせる効果が期待できます。月額約3,000〜8,000円が相場で、ジェネリック医薬品を選択すると費用を安く抑えることができます。

ザガーロ（デュタステリド）

プロペシアと同様に医師の処方箋が必要な処方箋医薬品です。ザガーロもジェネリック医薬品が発売されています。

プロペシアと作用する仕組みはほぼ同じで、DHTを減少させAGAの進行を遅らせる効能効果が承認されています。プロペシアとの違いは2型だけでなく、1型の5α還元酵素も阻害する点です。月額約6,000〜12,000円が相場で、ジェネリック医薬品の方が安くなります。

ミノキシジル※内服薬と外用薬がある

ミノキシジルには飲み薬（内服薬）と塗り薬（外用薬）の2種類があります。外用薬は第1類医薬品として厚生労働省の認可を受けていますが、内服薬は認可されていません。

外用薬は薬局や通販サイトで購入することができます。薬剤師による適正使用の確認が必要で、月額7,000〜10,000円が相場となります。

内服薬は国内では承認されていないため、海外からの輸入品を服用することになります。「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」において、ミノキシジルの内服は推奨度分類がD（行うべきではない）です。ミノキシジルの内服薬は男性型脱毛症に対する治療薬として認可されている国はありません。

ミノキシジルを治療薬として選ぶときは国内で認可されている外用薬を選択することをおすすめします。

内訳④：その他

AGAは頭皮環境が悪いことが原因で発症する場合もあります。頭皮環境を整えるために、育毛シャンプーやサプリメントなどの購入費がかかる可能性があるかもしれません。

外来診療でAGA治療を受ける場合には、病院までの交通費もかかります。

AGA治療には、上記でご紹介した薬による治療法以外にも頭皮に薬剤を直接注入する治療であるメソセラピーやHARG療法などもあります。これらの治療を受けたときは、薬代だけでなく、施術費用も含まれた料金がかかるでしょう。

進行度別の費用相場

AGAの治療費は選択する治療内容によって費用が異なります。ここでは、以下のように進行度別に選択する治療方法を分類して費用相場をご紹介します。

軽度の症状でかかる費用

AGAの進行度が軽度の症状である場合、一般的には飲み薬や塗り薬を使った治療が行われるでしょう。飲み薬と塗り薬を併用するとより治療効果が得られるため、併用する場合もあり、相場は以下のとおりです。

• 飲み薬のみの場合　：約3,000〜12,000円
• 塗り薬のみ　　　　：約7,000〜10,000円
• 飲み薬と塗り薬併用：約10,000〜22,000円

ジェネリック医薬品を選択すると数千円、先発医薬品を選択すると数万円かかります。

中等度の症状でかかる費用

AGAの進行度が中等度の症状である場合、一般的に注射等で有効成分を頭皮に直接注入する治療を選択する可能性があります。注入する薬剤によって異なりますが、数万円〜数十万円かかるでしょう。

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では成長因子導入および細胞移植療法の推奨度はC2で、治療を行わないほうがよいと判断されています。安全性や有効性が検証されている段階であるため、治療を行うか慎重に判断してください。

重度の症状でかかる費用

AGAの進行度が重度の症状である場合、自毛植毛などの手術を勧められるかもしれません。「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」における植毛の推奨度は自毛植毛術はB（男性型脱毛症）、C1（女性型脱毛症）、人工毛植毛術はDとなっており、AGA治療の選択肢とは推奨度が高くなっています。

しかし、費用が高額であるのが難点です。一般的に数十万円〜数百万円かかります。

AGA治療の費用を抑える3つの方法

月々にかかるAGA治療費を抑えたいという方も多いのではないでしょうか。AGA治療にかかる費用を抑える方法は「治療の早期開始」「ジェネリック医薬品を使用」「オンライン診療」の3つです。

AGAの治療は効果が感じられるまでに約3〜6カ月ほどかかります。個人差があるため、1年程度の期間が必要になる方もいるかもしれません。また、AGA治療は髪の毛が増えたから終了ではなく、その状態を維持するために治療を継続する必要があります。

ここでは、AGA治療の費用を抑える3つの方法について詳しく解説していきます。

早い段階で治療を開始する

通常、AGA治療の費用はAGAの進行度が進むにつれて高額になります。そのため、早い段階で治療を開始するほど、費用を抑えることができるでしょう。自毛植毛などの治療を検討する前に薬による治療を開始して、進行を遅らせることで治療費を抑えることができます。

抜け毛が増え、頭皮が薄くなってきたから、AGAかもしれないと不安を感じたときは、早い段階で医療機関を受診し、治療を開始しましょう。

ジェネリック医薬品を利用する

AGA治療に使用されるプロペシアとザガーロ、ミノキシジルはいずれもジェネリック医薬品が販売されているため、ジェネリック医薬品を利用すると薬代を安くすることができます。

ジェネリック医薬品とは先発医薬品と同一の有効成分を同じ量含み、同じ飲み方をする医薬品で効能及び効果が同等であると認められている医薬品です。

先発医薬品の特許が切れた後に販売されるため全ての医薬品にジェネリック医薬品が存在するわけではありません。ジェネリック医薬品は研究開発にかかる費用が低く抑えられるため、先発医薬品に比べて薬の値段が安くなっています。

オンライン診療も検討してみる

AGA治療の費用を抑えたい方は、オンライン診療を検討してみてください。対面での診察がないと不安に思う方は初診のみ対面での診療を受け、2回目以降の診療をオンライン診療に切り替えるという方法もあります。

通常、オンライン診療の方が対面診療よりも初診料や再診料が安く設定されています。

オンライン診療を利用すると医療機関までの交通費もかからないため、交通費を抑えることが可能です。

クリニックによってAGA治療の費用が異なる理由

AGA治療の費用について調べると、治療費がクリニックによって違うことに疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。AGA治療は自由診療であるため、クリニックによってAGA治療の費用が異なります。ここでは自由診療について説明していきます。

自由診療だから

クリニックによってAGA治療の費用が異なる理由は自由診療だからです。AGA治療や美容医療サービス等の自由診療では治療にかかる費用を医療機関が自由に決めることができます。

治療方法や使用する薬も決められていないため、クリニックを選ぶ時には費用だけでなく、AGA治療において実績のあるクリニックを選択することをおすすめします。

AGAのクリニックの選び方

AGA治療は自由診療であるため、クリニックの選び方も大切です。AGAクリニックを選ぶ時は「実績」「費用」「通いやすさ」の3つを確認して選びましょう。

クリニック・医師の実績

AGAの治療実績が多いクリニックほど多くのデータを蓄積しているため、効果や副作用、次のステップへ進むタイミングなどの情報がたくさんあります。多くの患者さんを診察、治療しているため、疑問に感じる点などの説明も十分に行うことができます。

AGA治療に使う薬剤が厚生労働省に認可されている薬かどうかも確認すると良いでしょう。万が一AGA治療薬によって後遺症が残る副作用が出た場合、厚生労働省に認可されている薬であれば、医薬品副作用被害救済制度を利用することができます。

AGAはデリケートな病気であるため、1人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。多くの実績あるクリニックだとスタッフの教育もしっかりされていて、対応や雰囲気も良く、受診しやすくなります。

費用がどのくらいかかるのか

AGAは継続して治療することが大切です。薬を服用してAGAが一時的に改善しても、薬の服用を中止すると元の状態に戻る可能性が高くなります。

AGA治療は公的保険が適用されない自由診療で、医療費控除も対象外です。治療費がどのくらいかかるのか確認し、継続してお金が払える範囲で治療を行っているクリニックを選びましょう。

長期間通うことができるのか

オンライン診療ではなく、外来診療を行っているクリニックで治療を行う場合、長期間通うことができるのかも考えなければいけません。薬の処方日数によりますが、1〜2カ月毎に診察を受け、薬を処方してもらわなければいけません。

自宅付近や職場の近くなど、長く通いやすいクリニックを選んでください。

まとめ

AGA治療にかかる費用は進行度によって大きく異なります。早期に治療を開始すると、飲み薬や塗り薬での治療方法を選択できるため、手術などと比べて治療費を安く抑えることが可能です。

薬代は先発医薬品ではなく、ジェネリック医薬品を選ぶと約3〜5割安くなります。「AGAかもしれない」と不安に思っているけれども、高額な費用が何点で受診をためらっている方は、早めに医療機関を受診し早期に治療を開始することをご検討ください。