ビタミンEが豊富な食べ物を解説!栄養素や摂取目安も紹介
妊活と栄養
2023.01.12

ビタミンEが豊富な食べ物を解説!栄養素や摂取目安も紹介

※本記事は管理栄養士が執筆しております※

ビタミンEは体に良いイメージがありますが、日常生活で不足なく摂れているのか、疑問に思う方は多いのではないでしょうか。

妊活中は、栄養の偏りがないように、特定の成分だけでなく、全ての栄養素をバランス良く摂取することが大切です。

この記事では、ビタミンEが含まれている食べ物や、効率的にビタミンEを摂取できるおすすめの食べ方を解説していきますので、是非参考にしてみてください。

目次

  1. ビタミンEはどんな栄養素?
  2. ビタミンEは妊活におすすめ
  3. ビタミンEを多く含む食べ物は?
  4. ビタミンEをうまく摂取する方法は?
  5. ビタミンEの摂取量の目安
  6. ビタミンEを摂取するときの注意点は?
  7. 栄養素はバランス良く摂取しよう
  8. まとめ

ビタミンEはどんな栄養素?

ビタミンEは脂溶性のビタミンで、油に溶けだしやすい性質を持っています。同じ脂溶性ビタミンのレチノール(ビタミンA)に比べると、体に蓄積しづらいため過剰摂取の心配は少ないです。

強い抗酸化作用を持ち、細胞の老化を防いでくれます。毛細血管を拡張して血流を促進する効果もあるため、ビタミンEを摂取することで冷え性や肩こりなどの改善につながります。

ビタミンEは妊活におすすめ

食品に含まれているビタミンEはα、β、γ、δの4種類あります。体内に1番多く存在し、生理作用が強いのはα-トコフェロールです。

「トコフェロール」はギリシャ語で「子供を産む力を与える」という意味からきています。その名の通り、ビタミンEは男性ホルモンや女性ホルモンの生成に関わっている他、強い抗酸化作用により細胞の老化を防ぐことも知られています。

ビタミンEが女性の妊活におすすめな理由

体の細胞は脂の膜で囲まれています。この膜が刺激や酸化ストレスにさらされてダメージを受けると、細胞の老化が進み正常な働きを維持できません。細胞が老化すると、体の各器官の働きが鈍くなる原因になります。

卵子や卵巣の細胞も同様に、ビタミンEの抗酸化作用で老化から守られています。加齢による卵子や卵巣の老化は、妊娠率の低下と関わりがあるとされているため、妊活中はビタミンEを不足しないように摂っていきましょう。

ビタミンEが男性の妊活におすすめな理由

ビタミンEの抗酸化作用は、女性だけでなく男性にも関わりがあります。

クギがさびたり、りんごの断面が変色したりすることは「酸化」が関係しています。

体の中でも、絶えず細胞の「酸化」は起こっています。「活性酸素」が体内で増えすぎた状態を「酸化ストレス」と呼びます。酸化ストレスは男性のコンディションに影響を及ぼす要因のひとつとされています。

ビタミンEなどの抗酸化作用を持つ栄養素は、活性酸素の生成を防ぎ、「酸化ストレス」を改善する働きがあります。

ビタミンEを多く含む食べ物は?

ビタミンEを多く含む食べ物は、植物油やナッツ類、魚介類などです。食品のビタミンEは主に4種類ありますが、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、生理作用が1番強いα-トコフェロールがビタミンEの目安量として示されています。

ビタミンEを多く含む食べ物

  • アーモンド
  • アボカド
  • かぼちゃ
  • うなぎ
  • オリーブオイル

ビタミンEを多く含む食べ物①アーモンド

アーモンドには100g中に30mgのビタミンE(α-トコフェロール)が含まれています。

主成分は脂質ですが、そのほとんどがオリーブオイルに含まれているオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸です。オレイン酸は善玉コレステロールを増やすはたらきがあり、動脈硬化の予防効果が期待できます。

ビタミンEを多く含む食べ物②アボカド

アボカドには100g中に3.3mgのビタミンE(α-トコフェロール)が含まれています。

森のバターとも呼ばれ、脂肪分が全体の20%を占めます。脂肪の主成分はオレイン酸のため、悪玉コレステロール値の改善に働きかけ、血液がドロドロになるのを防ぎます。

また、浮腫の改善が期待できるカリウムも豊富です。

ビタミンEを多く含む食べ物③かぼちゃ

かぼちゃには100g中に4.9mgのビタミンE(α-トコフェロール)が含まれています。

カロテンが豊富で、100g中に4000μgも含まれています。

ビタミンAは、動物性食品のレチノールと植物性食品のカロテンがあります。カロテンは体内で必要分だけビタミンAに変換され、肌や粘膜を丈夫にする働きをするため、免疫力を高める効果も期待できます。

ビタミンEを多く含む食べ物④うなぎ

うなぎのかば焼き100g中には4.9mgのビタミンE(α-トコフェロール)が含まれています。

レチノールが多く、かば焼きだと100g中に1500μgと、食品のなかでもトップクラスの含有量です動物性食品に含まれているビタミンAはレチノールと呼ばれ、免疫力の向上や皮膚や消化器官の粘膜の健康を保つのに役立ちます。うなぎは滋養強壮の食品としても有名です。

ビタミンEを多く含む食べ物⑤オリーブオイル

オリーブオイル100g中には7.4mgのビタミンE(α-トコフェロール)が含まれています。

主成分の油は不飽和脂肪酸のオレイン酸です。オレイン酸は悪玉コレステロールを減らす作用を持ち、動脈硬化の改善や血液をサラサラにする働きが期待できます。

油脂は光や酸素に触れると酸化され、過酸化脂質を生成し、酸化された油は体にダメージを与えます。

オリーブオイルは抗酸化物質のビタミンEが多いため、他の油脂に比べ熱や光による酸化に強いのが特徴です。

ビタミンEをうまく摂取する方法は?

ビタミンEは脂溶性のビタミンのため、油と一緒に調理することで吸収力がアップします。

効率良くビタミンEを摂取するには、油を使った炒め物や、オイル入りのドレッシングの使用がおすすめです。

抗酸化作用を持つビタミンAやビタミンCを一緒に摂ると、お互いの働きを助ける相互作用が期待でき、細胞の老化を防ぐ力のアップにつながります。

ビタミンEの摂取量の目安

1日のビタミンEの摂取量の目安(mg/日)

年齢(歳)

目安量(mg)

耐容上限量(mg)

男性

女性

男性

女性

18~29

6.0

5.0

850

650

30~49

6.0

5.5

900

700

妊婦

   6.5

授乳婦

7.0

※α‐トコフェロールについて算定した。α‐トコフェロール以外のビタミンは含んでいない。

参照:日本人の食事摂取基準2020年版

妊活中のビタミンEの摂取量の目安

ビタミンEは植物油に多いため、調理に植物性の油を使い、魚介類やアーモンドなどを日常的に摂っていれば不足の心配は少ないとされています。

18~49歳のビタミンEの1日の目安量は5.0~6.0mgですが、妊婦は6.5mg、授乳婦は7.0mgと非妊娠時より多く設定されています。

ビタミンEは抗酸化作用の働きで卵子や卵巣の老化を防止することが期待できます。

妊活中は、過剰にならない範囲で積極的にビタミンEを摂っていきましょう。

ビタミンEを摂取するときの注意点は?

ビタミンEは空気に触れると徐々に酸化していく性質があります。植物油は空気に触れるとどんどん酸化し、体に悪い過酸化脂質が増加していきます。揚げ物などで余った油は、容器に入れたり蓋をするなどして空気にさらさないように保存し、長期的に使い回さないようにしましょう。

ビタミンEを摂取するときの注意点①ビタミンEの摂取不足

ビタミンEは植物性の油脂に多く含まれているため、調理で植物油を使い、日常で魚介類やナッツ類を摂っている人は不足の心配は少ないです。

極端なダイエットをしている方は、ビタミンEの他にも様々な栄養素が不足している可能性があります。必要な栄養素を摂るために、3食できるだけバランス良く食べることを意識しましょう。

ビタミンEを摂取するときの注意点②ビタミンEの過剰摂取

ビタミンEは、他の脂溶性ビタミンに比べて体に蓄積しづらいため、食事での過剰摂取の心配は少ないと考えられています。

しかし、サプリメントや健康食品などを誤った方法で摂取すると、耐容上限量以上のビタミンEを摂取する危険があります。

長期的な過剰摂取による健康被害も報告されているため、1日の目安量や正しい使用方法を参考にして取り入れましょう。

栄養素はバランス良く摂取しよう

栄養素はバランス良く摂取することでより強い効果を発揮します。

例えば、ビタミンB群は三大栄養素の代謝をサポートしますが、ひとつの成分だけでは効果が出にくいため、B群をまとめて一緒に摂ることが望ましいとされています。

今回はビタミンEについて紹介しましたが、ビタミンEだけを摂ろうとすると、栄養の偏りが生じます。妊活中に必要な栄養素を不足なく摂るために、食事のなかで様々な栄養素をバランス良く摂ることを意識していきましょう。

まとめ

ビタミンEは性ホルモンの生成に関わっている他、強い抗酸化作用により卵子や卵巣の老化を防ぐことが期待できる、妊活中に積極的に摂りたい栄養素のひとつです。

ビタミンEが豊富な食品は植物油脂やアーモンド、魚介類などです。油に溶けだしやすいため、油を使って調理をすると効率的に摂取できます。

妊活中に摂りたい栄養素のひとつでしたので、この記事を参考にして、過不足がないように意識していきましょう。

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