妊活中は食事に気をつけたほうがよいと聞くけれど、どのように気を付ければいいのだろうと疑問に思っていませんか。妊活中も一般的に健康によい食事といわれる糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランスよく摂っていく必要があります。
健康にいいからといって1つの栄養素だけを摂りすぎると副作用がでる可能性もあるため、過剰摂取には気をつけなければいけません。妊活にいいから〇〇だけたくさん食べるなど偏った食事をすることはやめて、栄養素をバランスよく効率的に摂取しましょう。
本記事では、妊活中に積極的に摂りたい成分や食べ物について網羅的に解説しますので、参考にしてみてください。
⽬次
- 妊活中の摂取すべき栄養素
- 【女性】摂取したい食事
- 【男性】摂取したい食事
- 妊活中の避けるべき食事
- 妊活中の外食や惣菜で選ぶべき食事
- 妊活中は食事から徹底しよう
妊活中の摂取すべき栄養素
妊娠しやすい体をつくるためには、健康的な食事が大切です。体を作るもとである食事は妊活中の女性にも男性にも重要な割合を占めます。栄養素が偏ると栄養失調になり、体全体に影響を与える可能性があります。妊活中に摂取すべき栄養素を女性と男性それぞれに解説していきますので、ご参考ください。
妊活中の方は栄養をしっかり摂り、体を栄養で満たした状態を維持しましょう。
女性が摂取すべき栄養素
妊活中の女性が摂取すべき栄養素は葉酸、亜鉛、鉄分、たんぱく質です。どの栄養素も意識して摂取しないと不足しがちな栄養素ですが、摂りすぎにも注意しなければいけません。
特に葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害発症の予防に大切な栄養素です。 妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の妊婦さんは、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、通常の食品以外の食品(サプリメントなど)に含まれる葉酸を1日400µg摂取することが望ましいとされています。
また、神経管の形成に重要な時期は受胎後およそ 28 日間であるため、妊娠が判明する前からの葉酸摂取が必要です。妊娠初期だけでなく、妊活中から葉酸を摂取しましょう。
男性が摂取すべき栄養素
妊活中の男性が摂取すべき栄養素は女性と同様に亜鉛、葉酸、鉄分、たんぱく質です。亜鉛の生理機能は、たんぱく質との結合によって発揮されるため、たんぱく質も同時に摂取しましょう。亜鉛は男性の生理機能へも影響を与えると考えられています。体内の亜鉛は精液中からも失われるため、妊活中の方は女性だけでなく男性も積極的に摂った方がいいミネラルの1つです。詳しくは以下の記事をご参照ください。
【女性】摂取したい食事
女性が摂取したい食事は葉酸を多く含む野菜を中心に、ビタミンやミネラルが豊富に含まれている食事です。また、良質なたんぱく質を意識した食事も大切です。
葉酸を含む野菜を使った食事
葉酸を多く含む食べ物は、野菜ではほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス、果物ではいちご、豆類では納豆などがあります。鶏レバーにも葉酸が多く含まれていますが、ビタミンAも多く含まれるため、妊活中や妊娠中の方は摂りすぎに注意が必要です。葉酸は緑黄色野菜に多く含まれているため、葉酸を多く含む野菜を使った食事を意識しましょう。
たんぱく質を意識した食事
たんぱく質は体を作るために必要な栄養素で、豆類などの植物性たんぱく質と肉や魚などの動物性たんぱく質に分けられます。
たんぱく質を含む食品でも、アミノ酸が豊富に含まれていなければ、体に良い働きをしてくれません。食べ物に含まれるたんぱく質の量と必須アミノ酸がバランス良く含まれているかを数字で表したアミノ酸スコアが高いのは動物性のたんぱく質です。しかし、動物性たんぱく質ばかりを摂ると栄養バランスが偏ります。どちらもバランスよく食べることが大切です。
白米ではなく玄米
主食の白米を玄米に変えると、より効率的にビタミンやミネラル、食物繊維を摂取できます。玄米は糖質をエネルギーに変える過程で必要なビタミンB群が豊富に含まれているのが特徴です。玄米から白米へ精製されると、多くのビタミンやミネラルが失われてしまうため、妊活中の方はできるだけ玄米を食べるようにしましょう。
【男性】摂取したい食事
男性が摂取したい食事は亜鉛が多く含まれる牡蠣を使った食事と良質な肉を使った食事です。牛肉には亜鉛も含まれているため、牛肉料理も積極的に食べましょう。
牡蠣を使った食事
牡蠣には亜鉛が豊富に含まれているため、亜鉛の摂取源として貴重な食材です。亜鉛は男性の生理機能へも影響を与えると考えられていますので、ミルク煮や蒸し牡蠣などの牡蠣料理を食べましょう。
良質な肉を使った食事
妊活中の男性のたんぱく質源として肉を使った食事はおすすめです。良質な肉はアミノ酸スコアも高く、亜鉛も含まれています。牛肩赤身肉、牛もも赤身肉、豚ヒレ肉、豚肉などは亜鉛含有量も多いため、ステーキにするなど食事に取り入れてみてください。
妊活中の避けるべき食事
妊活中には避けた方がいい食材もあるため、事前に把握しておくとよいでしょう。妊活中に避けるべき食事は健康を損なう食事です。以下で詳しく解説します。
過度な飲酒
大量にアルコールを摂取すると肝機能などを悪くし、健康を害する恐れがあるため、お酒の飲み過ぎに注意しましょう。
男性の場合、過度な飲酒は勃起不全を引き起こしてしまう可能性があります。アルコールが脳の中枢神経を抑え、性的興奮が伝わりにくくなるためです。
女性の場合、妊娠に気づくのが遅れると胎児がアルコールの影響を受ける可能性があるため、過度な飲酒は控えましょう。
トランス脂肪酸の多い食事
脂質の中でもトランス脂肪酸を多く含む食べ物は妊活中に避けると良いでしょう。トランス脂肪酸は植物油から人工的に作られた固形油脂をいい、揚げ物やファストフード、マーガリンや菓子パンなどに多く含まれています。トランス脂肪酸をとりすぎた場合、健康への悪影響が注目されているため、妊活中はなるべく避けておきましょう。
糖質の多い食事
糖質の多い食事をとると妊娠糖尿病につながる可能性があるため、注意が必要です。糖質のとりすぎは肥満へもつながり、肥満は妊活へも影響を与えます。妊活中は糖質の多い食事は避けましょう。
カフェインを多く含む飲み物
カフェインの摂りすぎは胎児の発育に影響を及ぼす可能性が指摘されています。カフェインは緑茶、コーヒー、紅茶だけでなく、エナジードリンクや栄養ドリンクにも多く含まれているため、カフェインの摂りすぎに注意しましょう。
生肉によるトキソプラズマ
妊活中は生肉の摂取を避けましょう。生肉にはトキソプラズマが含まれている可能性があります。トキソプラズマとはトキソプラズマという寄生虫による感染症です。トキソプラズマに感染している猫の糞や加熱不十分の肉を経口摂取することにより人へ感染します。
普段は特別心配することのない感染症ですが、妊娠中に初めて感染すると胎盤を通して赤ちゃんにも感染する可能性があるため注意が必要です。中心部までしっかり加熱すれば感染することはないため、妊娠中は生肉や加熱不十分の肉の入った食事は避けましょう。
妊活中の外食や惣菜で選ぶべき食事
妊活にいい食事や食材は分かったとしても、毎日家で食事を作るのは大変です。外食で済ませたい時にどのような食事を選ぶべきなのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。ここでは外食時に選ぶべき食事について説明していきます。
コンビニ
コンビニ食は炭水化物が多くなりがちです。コンビニで食事を選ぶときは単品を組み合わせましょう。おにぎり2個よりもおにぎり1個+サラダチキン+サラダの方がバランスよく栄養素を摂ることができます。
ファミレス
ファミレスではメニューを見て定食を選択するか、炭水化物、たんぱく質、野菜を組み合わせて注文しましょう。また、野菜→たんぱく質→炭水化物の順番で食べると血糖値の上昇がおさえられるため、太りにくくなります。
レトルト
レトルト食品とは、加圧加熱殺菌装置で殺菌した食品のことを指します。カレーだけでなく、様々なレトルト食品が発売されています。レトルト食品を選ぶ時にも、たんぱく質と野菜が多く含まれているものを選びましょう。
定食屋
丼ぶりものよりも定食を注文しましょう。ファミレスと同様に炭水化物、たんぱく質、野菜がバランスよくとれる定食の方が栄養素を多く摂ることができます。サイドメニューがあれば、冷奴や卵、納豆などを追加するのもおすすめです。
妊活中は食事から徹底しよう
体は食べたものから作られるため、食事は健康維持に大切な要素です。妊活中は赤ちゃんを迎えるために、より健康的な食事を意識しなければいけません。妊活に良い食材だからといって、偏った食事ではなく、バランスの良い食事を心がけてください。
毎日の食事に気をつけながら、妊娠確率を高める対策も一緒に行うとよいでしょう。