2人目の妊活はどう進める?対処法は?
男性妊活基礎知識
2022.11.05

2人目の妊活はどう進める?対処法は?

※本記事はが薬剤師が執筆しております※

「2人目が欲しいけど、1人目と違ってなかなか妊娠できないな」「2人目はいつか欲しいけど、妊活は必要?」と、悩んではいませんか。

中には、2人目が欲しいけど妊娠できずに焦ったり、落ち込んでしまう方も少なくありません。もし、2人目を考えている場合は、早めの妊活がすすめられます。すぐの妊娠を考えていない場合でも、パートナーと早めに将来の妊娠に向けた活動や話し合いをすることは大切です。

また、1人目が順調に出産できた方でも、2人目不妊になる可能性もあります。本記事では、2人目妊活の取り組み方や進め方を紹介します。2人目が欲しい!という方はぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。

⽬次

  1. そもそも妊活とは?
  2. 2人目がなかなか妊娠できない原因はあるの?
  3. 夫婦で取り組める妊活は何がある?
  4. 子どもを望む場合の妊活開始時期
  5. 2人目妊活の進め方
  6. まとめ

そもそも妊活とは?

妊活とは、妊娠の正しい知識をつけたり、妊娠に向けて体調管理を整える活動全般のことです。妊活の内容は多岐にわたりますが、とくに大切なポイントは下記の2点です。

  • パートナーと将来の妊娠について足並みをそろえる
  • 子供が欲しい!と思ったら早めの妊活を心がける

妊娠は当然ですが一人だけではできません。パートナーあっての妊娠のため、パートナーと将来の妊娠計画や意識をすり合わせることが非常に大切です。妊活の主体は女性になりがちですが、男性も妊娠に関する知識をつけて、2人で妊活に取り組む必要があります。

また、子供をいざ作ろうとした時に病気や不妊症の原因が見つかることもあります。結果として、妊娠できるまで時間がかかる可能性もあるため、早めの妊活を心がけましょう。

2人目がなかなか妊娠できない原因はあるの?

1人目を順調に出産していても、2人目でなかなか妊娠できないケースもあります。なお、一般的には、1年間妊娠しない状態を不妊症と呼び、2人目不妊のような過去に妊娠、出産経験のある場合を続発性不妊といいます。ここでは、2人目がなかなか妊娠できない場合に考えられる原因を解説します。なお、下記の原因以外にも、一人目はたまたま授かったという可能性もあります。

  • 加齢による影響
  • セックスレス
  • 帝王切開手術後の影響
  • 1人目出産後の体の変化

出典元:日本産婦人科医会ホームページ

大半は加齢による影響

2人目不妊の主な原因は、加齢による影響です。女性は年を重ねると、妊娠する力が下がります。この妊娠する力のことを「妊孕力」と呼びますが、妊孕力の低下の主な原因は、赤ちゃんの元となる卵子の質の低下によるものになります。

残念ながら卵子の質の低下のメカニズムはまだよく分かっておらず、予防方法は現状ありません。また、男性も加齢により精子を作る働きが低下すると考えられています。

出典元:日本生殖医学会ホームページ

セックスレス

セックスレスとは、一ヶ月以上夫婦の間で性行為がない状態とされています。第一子の出産後は生活環境が大きく変わります。育児や家事に追われて疲労が溜まり、性行為の回数が減る夫婦も少なくありません。

また、最近では、男性の性欲低下も増えてきています。その原因として、夫婦の男女の関係から、家族や友人関係のような愛情の質の変化といったことが考えられています。

出典元:厚生労働省研究班監修女性の健康推進室ヘルスケアラボホームページより

帝王切開手術後の影響

1人目出産時の帝王切開手術後の影響が不妊原因につながることもあります。

帝王切開の術後しばらくして、縫い合わせた部位にさまざまな不都合が生じることを帝王切開瘢痕(はんこん)症候群と呼びます。帝王切開瘢痕症候群は、生理痛や不正出血などの症状以外にも着床をさまたげてしまい不妊の原因になるとされています。

帝王切開手術の経験があり、中々妊娠しづらい方や不正出血、生理の量が増えた症状が見られる場合は医療機関への早めの受診がすすめられます。

出典元:厚生労働省.治療の難しい不妊症のためのガイドブック.令和3年

1人目出産後の体の変化

極端な肥満は生理周期の異常を引き起こし、不妊原因になることもあります。一般的には、生理周期が39日以上長くなったり、24日以内と早くきてしまう状態を生理不順とよびます。生理不順は排卵が正常に行われていないことも多く、不妊の原因になる場合もあります。

1人目を出産後、出産前と比べて極端に太ってしまったという方は注意が必要です。

出典元:日本生殖医学会ホームページ

夫婦で取り組める妊活は何がある?

 

2人目が欲しいと思ったら、夫婦で出来るセルフケアを2人で行いましょう!最近では、将来の妊娠を考えながらカップルが自分たちの生活や健康に向き合う「プレコンセプションケア」の重要性が言われています。ここでは、夫婦で一緒に取り組める妊活の一部を紹介します。

  • バランスの良い食事・適正体重の維持
  • 葉酸を摂る
  • 禁煙する
  • 風疹の抗体検査・性感染症の検査を受ける

出典元:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター ホームページ

バランスの良い食事・適正体重の維持

男女ともに、栄養バランスの整った食事を1日3食摂ることを心がけましょう。妊活に限らず、健康な体を維持するためには、毎日の食事は大切です。

女性では極端な肥満や痩せは、生理不順を引き落とこし不妊の原因につながる場合もあります。また、男性も不規則な食生活や肥満は精液の状態に影響する可能性もあります。

夫婦そろってバランスの良い食事を心がけて、適正体重の維持を目指しましょう。

出典元:日本生殖医学会ホームページ

葉酸を摂る

妊娠前から積極的な葉酸の摂取がすすめられます。

妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針には「葉酸のサプリメントを摂取することで、神経管閉鎖障害のリスクが低減することが数多くの研究で明らかになっている」と記載されています。神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管ができるときに上手くつながらない先天性異常の一つです。

また、近年では葉酸が精子に良い影響を与える研究もあるようです。ぜひ、夫婦ともに、葉酸の積極的な摂取を意識しましょう!

出典元:厚生労働省.妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針

京野アートクリニック高輪ホームページ

禁煙する

本人の喫煙、受動喫煙ともに、妊娠・出産・産まれてきた子供の健康への影響が知られているため、男女ともに禁煙が勧められています。

喫煙は流産や早産、低出生体重児などを引き起こす可能性が考えられています。また、妊娠が分かってからいきなり禁煙することは難しいため、妊娠前から生活習慣を変えていくことが大切です。

また、受動喫煙も同様にリスクがあることや喫煙が精液の状態に影響することからも、男性も禁煙することが大切です。

風疹の抗体検査・性感染症検査を受ける

風疹の抗体検査と性感染症検査は夫婦ともに妊娠前に受けることがすすめられます。

妊娠中に風疹にかかると、お腹の赤ちゃんに感染して難聴や白内障、心疾患などを起こす先天性風疹症候群の赤ちゃんが産まれる可能性が高まります。風疹の流行自体をおさえるためにも、男女ともに風疹抗体検査とワクチン接種が推奨されています。

また、性感染症の中には不妊原因や妊娠中にかかっていると赤ちゃんに感染してしまう病気もあります。性感染症はパートナーが未治療の場合、再度感染してしまうリスクがあるため、男女ともに検査と治療が必要です。

出典元:厚生労働省.風しんについて厚生労働省.これって性感染症?

子どもを望む場合の妊活開始時期は?

「いつから妊活をはじめればよいの?まだ、早いかな?」と思う方も多いと思いますが、赤ちゃんが欲しいと思ったときが、妊活のはじめどきです!

ただ、ライフプランは欲しい子どもの数によっても大きく変わってきます。ヨーロッパの生殖医療の専門雑誌に掲載された欲しい子供の数と妊活スタート年齢を表したデータによると、絶対に欲しい(達成率90%)では、1人欲しい場合は32歳、2人欲しい場合は27歳となっています。

あくまでも海外のデータとなり、ライフプランは個人によって異なりますが、結婚とは違い妊娠・出産は年齢のリミットを意識しておくことは大切です。

2人目が欲しい場合は、余裕をもったライフプランを考える必要がありそうです。

出典元:Human Reprod, 30 (9), 2215-2224,2015

2人目妊活の進め方

2人目が欲しいと思ったら何からはじめればよいか悩んでしまいますよね。まずは、今すぐの妊娠希望がなくても、近い将来2人目が欲しいと思う場合は前述の夫婦で取り組めるセルフケアからはじめてみましょう。ここでは、セルフケア以外の2人目妊活の進め方を紹介します。

  • 医療機関を受診する
  • 原因を突き止め治療へ

医療機関を受診する

まず妊活のスタートは、産婦人科や不妊治療専門病を受診することからはじめます。

前回の妊娠・出産のときに異常がなくても、体の状態が変わっていることもあります。また、1人目の育児に追われると、自分のことは後回しにしがちです。とくに、子宮頸がん検診は忙しくても必ず受けてほしい検査になります。

病院でいまのカラダの状態をみてもらい、妊娠した時に問題となる病気はないか確認してもらいましょう。

原因を突き止め治療へ

検査の結果、病気が見つかったとしても適切な治療を早く受けることは、妊娠の可能性を高めることにつながります。

年齢を重ねると、妊娠しにくくなるだけではなく、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系の病気にかかる可能性も高まります。

見つかった病気や年齢によっては、その方に応じた治療が行われます。時には、生殖補助医療(体外受精や顕微授精など)がすすめられるケースもありますが、生殖補助医療でも加齢による妊娠率の低下が言われているため、やはり早めの妊活が大切です。

出典元:日本生殖医学会ホームページ

まとめ

本記事では、2人目妊活の取り組み方や進め方をお伝えしました。記事のポイントをまとめると、下記の4点です。

  • 妊活はパートナーと足並みをそろえて、子供が欲しい!と思ったタイミングで早めにはじめる
  • 2人目でなかなか妊娠できない原因には、加齢やセックスレスなどがある
  • 夫婦で取り組むべき妊活には、バランスの良い食事・適正体重の維持、葉酸を摂る、禁煙、風疹抗体検査・性感染症検査などがある
  • すぐの妊娠を望む場合は医療機関の受診からはじめてみる

1人目とはまた違った悩みがある2人目妊活。また、通院する場合は、1人目の預け先に悩む人も少なくありません。自治体の一時預かりなどもあるため、2人目妊活で悩んだ時は1人では悩まずに自治体や病院に相談するなど周囲のサポートを受けることが大切です!妊活を始める際は、お住まいの自治体や医療機関の情報をチェックしてみてくださいね。

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