※本記事は薬剤師が執筆しております※
健康なカラダづくりに欠かせない運動ですが、妊活にも効果があるのか気になるところですよね。
結論からいうと、妊活中に男女ともに気持ちよくカラダを動かすことは重要です。運動は生活習慣病や肥満の予防やストレス解消になるため、妊活にもよいことばかりです。肥満は不妊の原因になると考えられているので、適正体重を維持するためにも運動は大切です。
この記事では妊活中の運動によるメリット・デメリット以外にも、おすすめの運動や継続のコツを解説します。ぜひ最後まで読んで、参考にしてください。
⽬次
- 妊活中の運動によるメリット
- 妊活中の運動によるデメリット
- とくに女性は激しい運動には注意
- パートナーと一緒に続けられる運動
- 男性におすすめな運動
- まとめ
※不妊施設に通われている方や妊娠の可能性がある方は、運動についてはかかりつけ医に相談してください。
妊活中の運動によるメリット
妊活中の運動による主なメリットは下記の3つです。
- 適正体重の維持
- 生活習慣病の予防
- ストレス解消
女性の肥満は生理不順を引き起こし不妊の原因になると考えられています。また、男性の肥満も精液の状態に影響がでる可能性があると言われています。生活習慣病の中には正常な妊娠に影響がでるものもあります。妊活がうまくいかずストレスを感じる方も少なくありません。妊活中の男女に良くない影響をあたえる肥満や生活習慣病、ストレスへの対策に運動は最適です。
最近では、将来の妊娠を考えながらカップルが自分たちの生活や健康に向き合う「プレコンセプションケア」が注目されています。プレコンセプションケアにも「積極的に体を動かす」「適正体重の維持」「ストレスをためない」の項目がふくまれています。
妊活中は妊娠がゴールと考えてしまいがちです。元気な赤ちゃんが産まれてきて、さらには将来の家族がより健康な生活が送れることが大切です。
参考:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター ホームページ
妊活中の運動による2つのデメリットは?
妊活中の運動によるデメリットは2つ考えられます。
- 疲労によるセックスレス
- 状況によっては強制的な運動がストレスになる
男女ともに過度な運動は、疲労がたまりセックスレスのきっかけになってしまうこともあります。セックスレスは不妊原因の一つになるだけではなく、ときには夫婦関係に影響がでてくる場合もあります。
また、忙しくなかなか運動時間が取れない方や運動が嫌いな方だと、かえって運動自体がストレスになることもあります。気が進まない中での強制的な運動はストレスはもちろん、長続きしないことが多いです。運動による効果は、一過性ではなく継続させることが何よりも大切です。
疲労やストレスがたまるような、過度な運動や強制的な運動は続かないばかりか、妊活のマイナス要素になる可能性があります。これらのデメリットを避けるためにも、運動の仕方には工夫が必要です。
とくに女性は激しい運動には注意する
女性の激しすぎる運動や極端な痩せは生理が止まってしまう可能性があるため注意が必要です。
過度な運動や極端な痩せは、ホルモンバランスの乱れをおこし、生理の遅れやひどくなると生理が止まる原因になることがあります。生理不順がある女性は排卵が正常におこなわれていない場合もあり、かえって妊娠しづらくなってしまう可能性もあります。
なお、激しい運動による生理の停止は女性アスリートの健康問題の一つにもなっています。
女性は激しい運動や極端な痩せには注意しましょう。
パートナーと一緒に続けられる運動は?
妊活中は、無理なく続けられる適度な運動をパートナーと一緒に取り組んでみましょう。
運動が苦手な方だと運動自体がめんどうで長続きしないことも多いです。そんなときは、長続きさせるためにもパートナーと一緒に楽しめる運動をはじめてみることがおすすめです。パートナーと一緒に運動することで、運動が苦手な方でも楽しく続けることができるでしょう。
なお、プレコンセプションケアでは、一週間に150分程度の運動をめやすとしています。疲労がたまらない程度に、週に何回かに分けて継続的に取り組んでみてくださいね。
ここでは、パートナーと一緒に続けられそうなおすすめな運動を紹介します。
- ヨガ
- 早歩き
- テレビ体操
参考:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター ホームページ
ヨガ
自宅でも簡単に取り組めるヨガは、夫婦のくつろぎタイムにもおすすめな運動です。リラックス効果が高く人気なため、すでにヨガを取り入れている方もいるのではないでしょうか。。
ヨガはサンスクリット語の「つながり」が語源と言われ、ココロとカラダがつながっている状態を意味します。ヨガはポーズ、独特な呼吸法、瞑想を組み合わせて行い、心身のバランスを整えてリラックスができる効果があります。
自宅以外でも、血流を良くしてカラダを温めるポーズを中心におこなう妊活ヨガも人気があるようです。とくに、妊活中でストレスがたまっている方にはヨガがおすすめです。
早歩き
運動が苦手なカップルにおすすめな運動が早歩きです。少し息が上がるが会話できる程度の早歩きを意識してみてください。
早歩きのメリットはなんといっても手軽にできることです。忙しくて運動をする時間が取れない方は、通勤中のゆっくり歩きを早歩きにかえるなど、日常生活の中の動作に取り組んでみるのもよさそうです。早歩き以外にも、エレベーターをやめて階段で登ったり、自転車を早歩きに変えるなど身近なことからはじめていきましょう。休日で時間があるときは、夫婦で自然がたくさんある公園での早歩きも気分転換になりおすすめです。
時間がない方や運動が苦手な方は、ふだんの生活の中で早歩きを意識してみてはいかがでしょうか。
テレビ体操
テレビ体操も自宅で簡単に取り入れられる適度な運動です。運動は継続する必要がありますが、テレビ体操はテレビをつけるだけで始められるため、継続のハードルが低いのが特徴です。いまでは、テレビに限らずさまざまな体操やストレッチのネット動画があるため、夫婦で楽しめそうな体操を見つけてみるのもいいですね。
朝のルーティーンに取り入れてみると、早起きにもなり規則正しい生活を送るきっかけになります。
男性におすすめな運動
男性も基本的には、無理なく続けられそうな運動を心がけましょう。過度な運動で疲れが溜まり、性欲減退やストレスの原因になってしまうと本末転倒です。また、長時間下半身を温めたり、圧迫することは良くないとされています。長時間のバイクや自転車での移動や、運動後のサウナなどには注意してください。
男性には前述した運動以外にも下記のような運動もおすすめです。自分が楽しめるような運動を見つけてみてくださいね。
- 筋トレ
- ジョギング・ランニング
- 簡単にできるチームスポーツ
筋トレ
さらなる健康のためにはジョギングのような有酸素運動以外にも、筋力アップができる筋トレを組み合わせてみましょう。筋トレはジムに行かなくても、自宅でできる手軽な運動です。
筋力をアップさせると、物を運んだり、階段の上り下りなどちょっとした日常動作が楽になり、肥満や骨粗しょう症などの予防や改善につながります。筋トレを行うことで男性ホルモンの分泌が増えることも期待されているようです。
子育ては体力勝負です。妊活中から若々しいカラダを保つためにも、筋トレは妊活男性に取り組んでほしい運動です。
参考:日本運動疫学学会、国立健康・栄養研究所・東京医科大学.(要約版)WHO身体活動・座位行動ガイドライン(日本語版).2021、公益財団法人長寿科学振興財団.健康長寿ネット
ジョギング
男性の方では早歩きはもちろん、少しペースを上げたジョギングもおすすめです。
ジョギングは、ゆっくりと快適なペースで走る代表的な有酸素運動です。ウォーキングでは少し物足りず、ランニングは少しキツイと感じる方におすすめなのがジョギングです。
ジョギングは話しながら走れるくらいのペースで走ります。少し汗ばむくらいの運動量のイメージです。ただ、走るペースは個人差もあるため、疲れすぎないように自分にあったペースで走りましょう。また、マラソンのように長時間走る運動も疲労がたまりやすいので注意してください。
いい汗を流すことは、ストレス解消にもなります。なんだかモヤモヤするときは、ジョギングして、気持ちよく汗をかいてみてはいかがでしょうか?
簡単にできるチームスポーツ
運動を継続するコツは楽しめるスポーツを選ぶことです。楽しめるスポーツといえば、バトミントン、ダブルステニス、バレーボール、野球などのチームスポーツがおすすめです。
誰かと楽しみを共有することはストレスにもなりにくく、またコミュニティに属することで心理的な安心感も得られます。また、一人だとついつい運動をサボってしまうことも多いと思います。チームスポーツであれば自分の意思に左右されず継続できるメリットもあります。
楽しくないことは長続きしません。長続きさせるためにも、まずは自分が楽しめるようなチームスポーツからはじめてみるのもおすすめです。
まとめ
本記事では、妊活中の運動によるメリット・デメリットやおすすめの運動を紹介しました。記事のポイントは下記の5つです。
- 男女ともに妊活中は積極的にカラダを動かすことがおすすめ
- 妊活中の運動は、適正体重の維持やストレス解消、生活習慣病の予防などのメリットがある
- 疲労がたまったり、ストレスになるような過度な運動は控えるパートナーと一緒にできる運動だと、ヨガ、早歩き、テレビ体操などがおすすめ
- 男性は筋トレ、ジョギング、チームスポーツもおすすめ
妊活中にもさまざまなメリットがある運動ですが、妊活中に限らずいつまでも健康なカラダを維持するためには、適度な運動を習慣にすることです。
運動を継続するコツは、自分が楽しめるような適度な運動を選ぶことです。この記事を参考に、夫婦で楽しめるような運動を見つけてみてくださいね。