※本記事は薬剤師が執筆しております※
妊活中はダイエットをすべきかどうか、どのようなダイエットが良いのかを知りたいと思っている方は多いのではないでしょうか?
妊活中のダイエットは現在のBMIを確認した上で、適切に行うことが大切です。太りすぎの場合はダイエットが必要ですが、痩せすぎの場合はNGです。
この記事では妊活中のダイエットについて、前提知識から実際のダイエット方法まで幅広く紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
⽬次
- 妊活中にダイエットはするべき?避けるべき?
- 妊活中でもダイエットすべきかはBMIを参考に
- 妊活中のおすすめダイエット方法
- 妊活におすすめのダイエットレシピ
- まとめ
妊活中にダイエットはするべき?避けるべき?
太りすぎの場合はダイエットをするべきですが、痩せすぎの場合、ダイエットをする必要はありません。妊娠のためには肥満だけでなく、痩せ過ぎも好ましくありません。適正体重でない場合、ホルモンバランスが崩れてしまい妊娠しづらくなってしまいます。
特に女性の高度の肥満は月経周期の乱れ、排卵異常のリスクが上がります。また、男性も精子の質を高めるためには定性体重を保つことが重要です。
妊活中のダイエットは適正体重になることを目標にしましょう。
まず、今の体重を測定し、適正体重を上回っているのであれば、食物繊維から食べる、高タンパク低脂肪を心掛けるなどの食事や運動を行う健康的なダイエットを始めてみてはいかがでしょうか。
妊活中でもダイエットすべきかはBMIを参考に
BMI(Body Mass Index)とは、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数で、体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出します。WHO基準では18.5未満が痩せ(低体重)、18.5〜25.0未満が標準、25〜30未満が過体重、30以上が肥満、となっています。標準体重がちょうどBMI22になると一番健康に過ごせると言われています。
妊活中はBMI25.0以上であればダイエットをしましょう。18.5未満の場合はダイエットは控えるようにしましょう。
女性の場合
妊活に最も良いBMIは22です。BMIが高いと、卵巣や子宮内膜の機能や卵子の質の低下のため、妊娠率が低下します。BMI値30以上の女性では妊娠しても流産率が高くなります。さらに、妊娠合併症率が上がります。
BMI18.5未満の場合、卵巣機能、卵子の質の低下のため、妊娠しにくいです。さらに、低出生体重児になる可能性がでてきます。また、産まれてくる子どもが将来、生活習慣病になるとも言われています。妊娠中の母体の状態が赤ちゃんの将来の健康に関係するかもしれないということです。
BMIは、高くても低くても、妊娠率が低下し、流産率が上昇します。適正な体重を保ちましょう。
男性の場合
男性も妊活に最も良いBMIは22です。BMIが高くてもBMIが低くても、精子濃度、精子数、運動率が低くなり、精液の質が低下することが報告されています。
さらに、BMIが高い場合は精子の形の異常やDNAが傷を負っている割合が高くなるとも言われています。これは、ホルモン量の変化および精巣温度の上昇などが理由です。このような場合は顕微授精でも妊娠しにくいです。
男性もBMIは、高くても、低くても、妊娠率が低下します。妊活のためにも、自分の健康のためにも適正な体重を保ちましょう。
妊活中のおすすめダイエット方法
妊活中のダイエットは、体に負担なく続けられることが重要です。妊活中は激しい運動や体を冷やす運動は避けましょう。過度な運動は、発生する大量の活性酸素のため、卵子や精子が老化してしまい、妊活には逆効果です。
さらに、女性では妊娠の可能性がある場合、激しい運動は流産の一因になることもあります。 妊活中は自分のペースでできる運動を選びましょう。
妊活中のおすすめダイエット方法には、以下のようなものがあります。
- 筋トレ
- ヨガ
- 置き換えダイエット
以下で1つずつ説明します。
筋トレ
筋トレは効率的に筋力アップでき、基礎代謝も上がります。また、男性ホルモンの生成が促進され、精巣機能も良好になり、妊活に良い影響を与えます。
しかし、息切れするような激しい動きは控えるようにしましょう。過度な筋トレでは体内で活性酸素が生成され、精子を老化させてしまうと言われています。これは女性の場合もあてはまります。不安な方は、主治医に相談してみましょう。
特におすすめは筋トレは下半身を鍛える、スクワットやウォーキングなどです。
スクワットはテレビを見ながら、歯磨きしながらなど、「ながら運動」できるので取り組みやすいです。また、ウォーキングも通勤、買い物など普段の生活の中で行えるので、始めやすい筋トレです。ウォーキング時間の目安は1日30分以上ですが、気負わずに、1駅歩く、商店街1周など手軽なところから始めてみましょう。
ヨガ
ヨガは自律神経を整え、精神的なストレスも軽減してくれるので、妊活中に良いです。
ヨガで男性ホルモンが増えること、さらに、毎日1時間継続することで、骨盤底筋群(ケーゲル筋群)が強化され、性機能全体を上げることも分かっています。まさに妊活にうってつけの運動ですね。
妊活中の男性には、以下のようなポーズがおすすめです。
コブラのポーズ:床に寝ころがり、腰を反らす
ネコとウシのポーズ:四つん這いで腰を曲げたり反らしたりする
ブリッジのポーズ:あお向けになってお尻上げをする
これらのポーズは下半身の血行改善や筋肉増進に効果があります。性器と肛門の間は第1チャクラと言って、生命力ややる気などのエネルギーを作り出すとも言われており、性欲が増すでしょう。
ホットな環境で行うホットヨガは、代謝アップと大量の発汗でリラックス効果が偉えるため、妊活にはおすすめです
置き換えダイエット
通常の食事で妊活中におすすめの食べ物に置き換えられるものを置き換える(白米→玄米など)ダイエット方法もあります。食事を我慢してストレスをためることは良くないので、無理のない範囲で行いましょう。
妊活におすすめの食べ物には下記のようなものがあります。
- 精子の質を向上させる:ナッツ類やかぼちゃ、玄米など抗酸化作用の高い食べ物
- 精子の運動率を上げる:牡蠣、ホタテ、牛肉、卵黄などの亜鉛を含む食べ物
- 生殖機能をアップ:ナッツやかぼちゃなどビタミンEを含む食べ物
- 精力増強:緑黄色野菜、玄米などビタミンB群が含まれる食べ物
おやつのチョコレートをアーモンドに置き換えるなど、簡単なものから始めることができます。
バランスの良い食事を摂取することを基本に、置き換えられるものがあれば、置き換えてみましょう。
妊活におすすめのダイエットレシピ
妊活中のダイエットでは、食物繊維が多く含まれるものから食べ、食後血糖値の急上昇を避けるようにしましょう。血糖値の急上昇は脂肪が蓄積しやすくなってしまう原因になります。肥満防止のために、エネルギー消費の多い筋肉を作る材料になるタンパク質もしっかり摂取しましょう。タンパク質は肉、魚、乳製品、大豆製品などに多く含まれています。
脂質は摂りすぎないことが大切です。肉は脂身の少ない部位、乳製品は低脂肪のものにすることをおすすめします。オメガ3脂肪酸が豊富な青魚の油は、代謝を促すので積極的に摂取しましょう。
本日は妊活におすすめのダイエットレシピをご紹介します。
- オートミールフレンチトースト
- たらと豆腐のカンタンよせ鍋
以下で詳しく説明します。
オートミールフレンチトースト
卵焼き器で作るオートミールのフレンチトーストです。オートミールをレンジでふやかすので、短時間で作れます。玄米と比べるとオートミールは、食物繊維が3倍以上、鉄分は約2倍になっています。
【材料(2人分)】
- オートミール60g
- 卵2個
- 調製豆乳180cc
- はちみつ大さじ2杯
- バター(無塩)10g
【作り方】
- 耐熱ボウルにオートミール、豆乳、はちみつを入れ、レンジ600Wで3分加熱、取り出したら粗熱をとる
- 卵を加えてよく混ぜる
- 卵焼き器にバターを溶かし、上記を流し入れる
- 3分ほど焼いて焼き色がついたら裏返し、さらに3分ほど焼く
- お好みの大きさに切ってはちみつをかける
豆乳は牛乳でも代用できるので、是非作ってみてください。
たらと豆腐のカンタンよせ鍋
高タンパク・低脂質な冬が旬のたらと豆腐と組み合わせた、素早く煮える食材だけで作れるあっさり鍋です。水菜は葉酸や鉄も豊富なので一緒に摂るようにしましょう。
【材料(2人分)】
- 生たら2切(200g)
- 絹ごし豆腐1/2丁(150g)
- 長ねぎ1本(100g)
- 水菜1束(100g)
- わかめ(乾燥)4g
- Aセット(水4カップ・めんつゆ(2倍濃縮)大さじ3)
【作り方】
- 長ねぎは斜め薄切り、水菜は長さ4cm、たら・豆腐は一口大に切る
- 鍋にAセットを入れ中火にかけ、煮立ったら、たら、豆腐、長ねぎ、水菜、わかめを入れ、5分煮る
新鮮な食材で日々の料理を作りましょう。毎日の積み重ねで少しずつ妊娠しやすくなっていくはずです。
まとめ
本記事では、妊活中のダイエットについて解説しました。
BMI25.0以上の場合は、積極的にダイエットを行いましょう。妊娠に最も適している適正体重を目指して日々の生活から運動をこころがけましょう。また、痩せすぎの場合も妊娠しづらくなってしまうので男女ともに注意が必要です。
妊活中に特に適している筋トレや食材、レシピも紹介しました。気をつけるべきこともありますが、これらを参考にして、パートナーと一緒に妊活を楽しみましょう。