※本記事は薬剤師が執筆しております※
妊活が原因で離婚を考えている方は多いのではないでしょうか?不妊の原因は男女両方にあるため、パートナー同士で話し合うことが重要です。
この記事では妊活が原因で離婚してしまうカップルの特徴を紹介します。また、離婚をさけるためにできることについても解説しますので、ぜひ、最後まで読んでください。
目次
- 妊活で離婚を考えるきっかけとは
- 不妊の原因とは?
- 離婚を避けるためにできることとは?
- 妊活は1人ではできない
- まとめ
妊活で離婚を考えるきっかけとは
妊活が理由で離婚ということに疑問を抱く方は多いかもしれません。妊活で離婚を考えるきっかけにはどのようなことがあるのでしょうか。
ここでは、妊活で離婚を考えるきっかけ3つを紹介します。
- 夫が妊活に非協力的
- 妊活が原因で不仲に
- 不妊の原因が判明した時
以下で、1つずつ詳しく説明します。
夫が妊活に非協力的
妊活にはタイムリミットがあるけれども、夫が非協力的で、例えば、排卵日のセックスに応じてもらえないような場合は離婚を考えるきっかけになるようです。
今の医学では加齢は妊活においてネックになります。妻側が妊娠を望んでいても、夫が理由もなく妊活に非協力的な状況は不仲の原因になります。本当に理由がなく妊活を拒否しているのかどうか、夫の考えを聞くことが大切です。
妊活が原因で不仲に
「今日は排卵日」「不妊かもしれないから病院へ行きたい」などと意を決して言っても、無視されてしまい、イライラをそのままぶつけてしまうというように、妊活への意識の差から喧嘩になってしまうことがあります。
このような場合は伝え方を工夫しましょう。
排卵日は月1回しかないため、チャンスを逃すとまた1ヵ月待つ必要があることを説明しましょう。その上で、「できないと強い言い方で当たってしまうかもしれない」など、事前に機嫌を損ねるかもしれないことを伝えておくことがおすすめです。
病院へ行きたがらないのは、妊娠しないのは自分のせいかもしれないという不安からかもしれません。それは男女共通の思いです。
不妊の原因がどちらにあるのかを知りたいのではなく、妊娠するにはどうしたらいいのかを知りたいと伝えましょう。この先どうするのが良いのかを第一に、夫婦2人で話し合いましょう。
妊活は、身体的、精神的な負担が大きくストレスが溜まる人が多いです。伝え方を工夫するなど、しなくてよい喧嘩は避けてコミュニケーションを深めましょう。
不妊の原因が判明した時
不妊の原因が判明すると「もう絶対に妊娠できない」という絶望感におそわれる可能性があります。それでも自分の子供が欲しいと思った場合は、別の相手を探すことになるのでしょう。
しかし、その前に本当にパートナーと不妊離婚したいのかどうかもう1度考えてみましょう。そして、子どもを持つための別の方法や子どものいない夫婦にも目を向けてみましょう。
不妊の原因とは?
不妊とは、避妊せず性交渉を行っていても、1年以上妊娠しない状態のことです。
妊娠は女性がするので、不妊の原因というと女性にあると思われがちです。しかし、男性が不妊の原因である場合もあり、その割合は男女のいずれか一方、もしくは両方に原因がある場合がほぼ同数、それ以外にどちらにも原因が見当たらない、原因不明が約1割あると言われています。ここでは、男女別に不妊の原因を解説します。
- 女性側の原因
- 男性側の原因
以下で、1つずつ詳しく説明します。
女性の不妊の原因
女性の不妊の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?ここで紹介する女性の不妊の原因とその治療法は3つです。
- 排卵障害
- 卵管障害
- 頸管障害
このうち、排卵因子、卵管因子は頻度が高く、男性の精子異常を加え、不妊の3大原因と言われています。以下で、1つずつ詳しく説明します。
排卵障害
月経はあっても排卵はしていないことがあります。排卵障害とは、卵子がなんらかの原因で成熟しなかったり、卵巣から外に出られなかったりする状態です。原因としては、重度の肥満または体重減少、女性ホルモンの分泌に影響する病気、ホルモンバランスの乱れによる病気や甲状腺、卵巣の機能異常を挙げることができます。
排卵障害の治療は、卵子の状態によって排卵誘発剤を用いたり、卵子を成熟させてから排卵を薬によってサポートしたりする治療を行います。 病気や機能異常がある場合に行うのは原疾患の治療です。
卵管障害
卵管障害とは、精子と卵子が出会ったり、受精卵が子宮に戻ったりする場所の「卵管」が閉塞している状態のことです。子宮内膜症による閉塞、クラミジアなどの感染症による卵管の炎症、手術などの外的要因が原因として挙げられます。
治療法は特殊な内視鏡で卵管の詰まりを解消する、もしくは癒着部位を手術で離すことです。手術しても妊娠が成立しない場合は、正常な卵子で体外受精を行うことも選択肢の1つになります。
頸管障害
頸管障害とは、子宮の入り口の子宮頚管に腫瘍、先天的な異常、炎症などがあって、子宮頚管から分泌される粘液に問題が起こり、精子が卵管へ到達しにくくなるためにうまく受精できないことです。
子宮頚管に炎症がある場合は抗生物質などで炎症の解消を行います。それでも自然妊娠できない場合は、専用のチューブで精液を子宮内に送り込む「人工授精」も選択肢の1つになります。
男性の不妊の原因
男性の不妊の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、男性不妊の原因とその治療法3つを紹介します。
- 造精機能障害
- 精路通過障害
- 性機能障害
以下で、1つずつ詳しく説明します。
造精機能障害
造精機能障害とは、精子が作られていなかったり(無精子症)、精子の数が少なかったり(乏精子症)、精神の運動性が悪かったりする障害のことです。男性不妊の原因の約8割は造精機能障害です。
原因の約半分は不明ですが、精索静脈瘤が約4割です。原因不明の場合は根本的治療ができませんが、サプリメントや漢方などの補助的なものが効果がある場合もあります。精索静脈瘤とホルモン低下は治療可能な疾患なので、泌尿器科で早期に治療しましょう。精索静脈瘤は手術が必要ですが、ホルモン低下の場合はホルモン自己注射が行われます。
精路通過障害
精路通過障害とは、精子が正常に生産されても、体外に排出されるまでの経路で詰まっているために、精子を排出できないという状態です。原因は先天的理由、炎症が起きた影響、他の病気の手術の影響などが考えられます。
手術で精路を再建できれば、正常に精子を排出できる可能性が期待できます。また、詰まっている部分から精巣に近い所から精子を取り出し、体外受精・胚移植などを行うことも選択肢の1つです。
性機能障害
性機能障害とは、勃起障害(ED)や膣内射精障害などで性行為もしくは射精ができないという障害です。一般的に、仕事などのストレスなどが原因と考えられますが、糖尿病や無呼吸時症候群などの病気が原因のこともあります。
精神的なケアが有効ですが、通常は薬物治療で改善を目指します。
離婚を避けるためにできることとは?
出会って結婚したのだから、妊活離婚は避けたいものです。離婚を避けるためにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは、離婚を避けるためにできることを2つ紹介します。
- 少し距離を置いて好きなことをする
- しっかり話し合う
以下で、1つずつ詳しく説明します。
少し距離を置いて好きなことをする
妊活に協力してくれないパートナーにイライラしてしまう時、妊活でストレスがたまる時は、少し距離を置いて好きなことをして過ごし、気持ちを落ち着かせたり、ストレスの発散をしたりするのも良いでしょう。
友人と飲みに行ったり、好きな趣味に没頭したりして気分転換をしましょう。気持ちだけでも少し離れて過ごすことで、前向きに考えられるようになることもあります。
しっかり話し合う
自分の考えを伝えることは相手にプレッシャーやストレスを与えてしまうと思って、しっかりと話し合うことを避けている方もいるかもしれません。
しかし、子どもは「2人の子ども」なので、「片方が欲しいからつくるというものではない」というように、しっかりと話し合って思いや考え方を伝えるのは大切です。
パートナーの気持ちや考えも聞いて、自分の気持ちや思いも話して、両方で寄り添うことを考えてみましょう。分かりあえるとは限りませんが、案外、簡単に合意点が見つかるかもしれません。
妊活は1人ではできない
女性だけでも男性だけでも妊娠・出産はできません。子どもは「2人の子ども」なので、妊活でもパートナーと足並みを揃えることが大切です。
相手の非協力的な態度にイライラすることもあるかもしれませんが、本気で妊娠を望んでいるのであれば、まず、その気持ちをきちんと伝えましょう。離婚を考えるよりも先にできること、するべきことがあるはずです。
発想を変えて、パートナーと2人だけでも幸せな家庭を築くことも考えてみましょう。子どものいないカップルで幸せに暮らしている人たちは大勢います。自分達がそうなった場合のことを想像してみましょう。
里親制度は、子どもの親になりたい、育てる幸せを感じたいというカップルにはいい選択肢になるでしょう。里親制度とは、事情があって子どもを育てられない親の代わりに子どもを預かって育てる制度です。養子縁組をすれば、戸籍上も親になります。
まとめ
この記事では、妊活が原因で離婚してしまうカップルの特徴を紹介してきました。
妊活が原因で離婚することは、できれば避けたいものです。離婚を考えるより前に、しっかり話し合う、少し距離を置いて好きなことをして落ち着くなどできることがあります。
妊活は女性だけでも男性だけでもできません。パートナーと2人でするものです。不妊の原因は男女両方にあるため、パートナー同士で話し合い解決しましょう。