妊活でよく聞く「タイミング法」とは?妊娠しやすいタイミングや回数を紹介
男性妊活基礎知識
2023.02.19

妊活でよく聞く「タイミング法」とは?妊娠しやすいタイミングや回数を紹介

※本記事は薬剤師が執筆しております※

「そろそろ子どもが欲しいからタイミング法について詳しく知りたい」「どのくらいタイミング法をしたら妊娠できる?」と、妊活を始めるとタイミング法についていろいろと気になる方は多いと思います。

タイミング法は、病院に行く必要がないので妊活の中でも身近な方法になります。

しかし、妊娠率を高める方法には他にも様々な対策がありますので、その知識を身につけておくことも大切です。

この記事では、性行為のタイミングや回数から、妊娠率を高めていくために必要な知識についても詳しく解説していきます。

目次

  1. タイミング法とは?
  2. 妊娠しやすいタイミングと回数
  3. 妊娠率を高めるためにできること
  4. 産婦人科に行くタイミングは?
  5. まとめ

タイミング法とは?

タイミング法とは、排卵日を予想して性行為をするタイミングを合わせる方法です。不妊治療を始めた時に、最初に行うことが多い方法です。

そのため、タイミング法を実践するには排卵日のことをしっかりと把握しておくことが重要になります。

しかし、排卵は自覚症状がほとんどないので、自身の排卵日を知っている女性はほとんどいないでしょう。

まず、女性が基礎体温を毎日記録したり、排卵日検査薬を利用したりしていくと、次第に排卵日の予測ができるようになってきます。

また、病院で経膣超音波エコー検査で卵巣の中の卵胞の大きさを調べることで排卵日を予測する方法もあります。

妊娠しやすいタイミングと回数

最も妊娠しやすいタイミングは、排卵日の1〜2日前です。

排卵された卵子の寿命は約24時間、精子の寿命は女性の子宮内に入ってから約72時間と言われています。 そのため妊娠する確率を上げるには、排卵日の4日前から排卵日前日までの間に、2〜4回程度の性行為を行うようにしましょう。

ちなみに、排卵日の6日以上前、排卵日の翌日以降は性行為をしても、ほとんど妊娠しないことが研究で分かっています。

排卵日の予測方法は?

排卵日の予測方法には、大きく分けて3つの方法があります。そのうち、経膣超音波断層法は、病院を受診して医師が確認する必要があります。

基礎体温や尿中血中LH検査は、市販されている婦人用体温計や排卵日検査薬を用いて、家で手軽に測定、検査することが可能です。

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

基礎体温

基礎体温とは、人間が生きていくために必要な最低限のエネルギーのみを使っている時の安静時体温のことを言います。眠っている時の体温が基礎体温に近いので、目が覚めて体を動かす前に測定します。

基礎体温の測定には、「婦人用体温計」という小数点以下2桁まで測定できる専用の体温計を準備しましょう。

まず、朝、目が覚めたらすぐに婦人用体温計を舌の根元に差し込み、測定、記録を毎日続けていきます。1カ月続けていくと、基礎体温が高い時期(高温期)と低い時期(低温期)の2つのパターンがあることに気づきます。

これは、排卵が起きると黄体ホルモンの分泌が活発になり体温が上がるからです。つまり、低温期の最後が排卵日になります。

基礎体温には個人差があるため、毎日続けていくことで自分の周期が分かってきます。 もし、高温期と低温期がない場合はホルモンバランスが乱れていて排卵が起きていない可能性があります。早めに病院を受診しましょう。

経膣超音波断層法

経膣超音波断層法は、病院で行う超音波検査で、細長いプローブという器具を膣の中に入れて子宮や卵巣の状態を検査していきます。

排卵予定日より前に検査を行い、卵巣の中の卵子が入っている袋(卵胞)の大きさを測定します。一般的に、排卵する時の卵胞の大きさが直径20mm位で、卵胞の大きさを測定して排卵日を予測することができます。

尿中血中LH検査

LHとは黄体形成ホルモンのことで、黄体形成ホルモンが一気に放出されて急激に上昇(LHサージ)後に排卵が起こります。

この排卵の引き金になるLHサージを検査薬で検出することで、排卵日の1日前を予測することが可能になります。

LHは尿や血液で測定する方法があり、市販の排卵日検査薬は尿中のLHを検出する検査キットになります。

使い方は、次の月経予定日の17日前から、1日1回検査薬の採尿部分に2秒程度尿をかけます。そして、検査薬も平らなところに置いて5分待ち、結果を確認します。

検査結果が陽性=LHサージ検出、つまり排卵日直前と分かります。

妊娠率を高めるためにできること

妊活は、夫婦やカップルで一緒に取り組んでいくことが大切です。

タイミング法を行いながら、妊娠率を高める方法が他にもあるのか気になるものです。

ここでは妊娠率を高める方法を、いくつか紹介していきます。

性交渉のタイミングや回数を増やす

とにかく、妊娠するためには、性交渉のタイミングや回数を増やすことが重要です。ただ闇雲にタイミングや回数を増やしていくのは、体力を消耗して疲れてしまいます。

妊娠の確率を上げるためには、排卵日の2日前から前日に性交渉を行うのはもちろんですが、1日のうちに性交渉を行う回数を増やすよりも、性交渉の日数を増やすことを重視する方がいいと言われています。

これは、精子の寿命は子宮内で48〜72時間あるため、性交渉の日数を増やすことで、常に新鮮な精子が子宮の中に存在し続ける状態にできるからです。

産婦人科・泌尿器科などの病院で相談する

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妊活を続けていても、妊娠できない場合は、病院に相談してみましょう。

不妊の原因は、女性と男性それぞれ半々の割合であります。そのため、女性だけではなく男性も病院に相談することが重要です。

一般的に、女性の場合は産婦人科、男性の場合は泌尿器科で検査を行うことができます。また、不妊治療外来があるクリニックでは、男性と女性どちらも検査を行うことが可能です。

女性の一般的な検査は以下の通りです。

  • 内診、経腟超音波断層法で子宮や卵巣に異常がないか確認します。
  • 子宮卵管造影検査では、卵管が閉塞していないか、子宮の形について調べます。
  • 血液検査で、女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモンなどの妊娠に関わるホルモン数値をそれぞれ確認します。月経周期に応じて数回調べます。

男性の一般的な検査は以下の通りです。

  • 精液検査で、精液量や精子濃度、運動率、精子の形態を確認します。
  • 診察や超音波検査で陰囊、精索、精巣に異常がないか確認します。
  • 血液検査で、テストステロンや性腺刺激ホルモン、プロラクチンなどの妊娠に影響するホルモンの数値を測定します。

健康的な生活を心掛ける

妊娠する確率を上げるためには、男性、女性の体が健康な状態でなければなりません。

妊活をしている夫婦やカップルは、仕事や家庭のことで忙しくしている世代が多いのが事実です。

以下の生活習慣を取り入れることで、妊娠する確率が上昇することが明らかになっています。自分の生活習慣を見直してみましょう。


  • 睡眠時間は7〜8時間確保する。
  • 禁酒、禁煙をする。
  • バランスの良い食事を摂取する。
  • 適度に運動する。
  • 適正体重を維持する。
  • 葉酸を摂取する。

ストレスを軽減する

ストレスを溜め込んでしまうと自律神経やホルモンバランスが乱れてしまい、妊娠率が低下することが明らかになっています。

妊活を続けていると、「頑張っているのになかなか妊娠できない」「友人の方が先に妊娠してた」等、色々な不満が溜まってしまい、妊活が辛くなることがあります。

たまには妊活のことを忘れて、旅行や食事、運動などで適度にストレス発散をすることが大切です。

妊娠率を高める最適な性交渉のタイミングや回数とは?

ここでは、妊娠率を高める最適な性交渉のタイミングや回数をまとめてみました。

それぞれ確認していきましょう。

排卵日の3日前から

精子や卵子の寿命を考慮すると、排卵日の3日前から性交渉を行うと妊娠する確率が上がります。

女性の体は、排卵を自覚することが難しいため、基礎体温を測定したり、排卵日検査薬を利用したりして排卵日を予測しましょう。

病院で超音波検査を行い、卵胞の大きさを確認することで、排卵日を予測することも可能です。排卵日については女性主導になりがちですが、男性も排卵日について知識を深めて、一緒に理解することが重要です。

普段からの回数を無理なく増やすことも大事

妊娠する確率を上げるためには、性交渉の回数を増やすことが大事です。

アメリカの生殖医学会の調査では、性交渉の頻度が、毎日の場合37%、1日おきで33%、週1で15%の妊娠率だったことが分かっています。

また、毎日、1日おき、週2〜3回の頻度での妊娠率はほぼ同じだと明らかになっているので、夫婦や恋人それぞれのペースで無理なく回数を増やしてみましょう。

なかなか妊活がうまくいかない…。産婦人科に行くタイミングは?

産婦人科に行くのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、妊活がうまくいかないと感じたときだけではなく、今から妊活を始めたいときにも気軽に相談しに行ってみるのが良いでしょう。

相談することで、妊活の知識が偏っていたことに気づいたり、正しい知識を知るいいきっかけにもなります。

男性も女性も、年齢とともに生殖能力は落ちていくことが明らかになっています。

産婦人科では、ホルモンバランスなど、普段の生活では気づかないことを検査してもらえるので、不妊の原因が見つかったら早めに治療することができます。まずは気軽に相談してみましょう。

まとめ

タイミング法とは、体外受精や人工授精のような病院で専門的に行う妊活方法よりも身近にできるため、よく取り入れられる妊活方法です。 

まずは、基礎体温の記録や排卵日検査薬、超音波検査などを活用して自分の排卵日を予測できるようになることが重要です。 排卵日が分かってくると、排卵日の4〜1日前の間に性交渉を数回設けることで妊娠する確率がアップします。

タイミング法だけではなく、健康的な生活やストレス解消を心がける事も妊娠力を上げるためには重要なことです。 

もし、タイミング法などの妊活を続けていても、なかなか妊娠ができない時は病院を受診してみましょう。

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