妊活中に必要な栄養素とは?男女別に紹介!
妊活と栄養
2023.02.26

妊活中に必要な栄養素とは?男女別に紹介!

※本記事は薬剤師が執筆しております※

この記事では妊活中に必要な栄養素が知りたい方に向けて、妊活における栄養素の働きを男女別に解説します。

栄養素をバランスよくとることで妊娠しやすい体づくりを行いましょう。

さまざまな栄養素のなかでも葉酸は、細胞の生産や再生を助けて体の発育に役立ちます。

ほかにもタンパク質や亜鉛、ビタミンEといった、妊活中に必要な栄養素を紹介します。

ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 妊活中に栄養素に気をつけたい理由とは?
  2. 妊活中の女性に必要な栄養素を解説!
  3. 妊活中の男性に必要な栄養素を解説!
  4. パートナーで一緒に楽しめる妊活中のおすすめレシピ
  5. まとめ

妊活中に栄養素に気をつけたい理由とは?

妊活中はできるだけ生活習慣に気をつけて、心身の状態を健康に保つ必要があります。適度な運動や十分な睡眠に加えて食生活に気をつけましょう。

男性の妊活に大切な精子の質の向上や女性の生理周期の調整、胎児の発育には栄養バランスのとれた食事が大切です。

バランスのよい食事とは、5大栄養素とよばれるタンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルのそろっている食事です。できるだけ食材数を多く摂るようにすると栄養素の偏りが少なくなります。

妊活中の女性に必要な栄養素を解説!

妊活中の女性に必要な以下の栄養素について解説します。

  • たんぱく質
  • 葉酸
  • ビタミンE
  • 亜鉛

働きと1日の推奨量、栄養素を多く含む食品をぜひ参考にしてください。

たんぱく質

タンパク質は身体をつくり、身体を動かすエネルギーにもなる栄養素です。妊活中や妊娠中に関わらず、十分に摂る必要があります。

肉や魚、卵や豆製品、乳製品のうち、毎食1つは食べるようにしましょう。

食事摂取基準では、タンパク質の1日の推奨量は女性で50gと定められています。体重1kgあたり1〜1.5gのタンパク質を1日に摂れるように、食事を選んでください。

効率よくタンパク質を摂れるのは鶏のささみやいわし、卵です。

食品と含まれるタンパク質の量

食品名

タンパク質(g/食品100gあたり)

鶏ささみ

24.6

いわし

21.3

鶏卵

12.2

普通牛乳

3.3

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

葉酸

葉酸は妊活中・妊娠中の女性にとって大切な栄養素です。葉酸は水溶性ビタミンであり、赤血球をつくる働きやDNAやRNAといった核酸の合成、タンパク質を合成する働きがあります。

葉酸は発育に大きく関わり、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らします。妊娠1カ月前から妊娠初期の摂取が特に大切です。

妊娠中の女性は1日あたりの推奨量である240マイクログラムに加え、240マイクログラムの付加量が設定されています。

葉酸が多く含まれる食べ物はレバーやほうれん草、枝豆や納豆です。妊娠中の女性はビタミンAの過剰摂取を避けるために、レバーの摂りすぎには気をつけましょう。

食品と含まれる葉酸の量

食品名

葉酸(マイクログラム/食品100gあたり)

レバー

1000

ほうれん草

210

枝豆

320

納豆

120

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

鉄は赤血球の成分であるヘモグロビンを構成しており、酸素を全身に運搬します。妊娠中は体内の血液量が増えるため、鉄の需要も高まります。妊娠前から鉄を意識して摂り、貧血を予防しましょう。

女性の1日あたりの推奨量は8mgであり、妊娠中は10mgと定められています。レバーのほかにアサリや小松菜、納豆などに多く含まれています。

植物性食品よりも動物性食品に含まれる鉄の方が吸収されやすく、ビタミンCと一緒に摂ると吸収効率がよくなるのでおすすめです。

食品と含まれる鉄の量

食品名

鉄(mg/食品100gあたり)

豚レバー

13.0

アサリ

3.8

小松菜

2.8

納豆

3.3

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

ビタミンE

ビタミンEは不溶性ビタミンの1種であり、高い抗酸化作用をもちます。抗酸化作用とは、蓄積すると細胞にダメージを与える活性酸素の発生を抑え、取り除いて細胞の酸化から身体を守ることです。

ビタミンEは性ホルモンの生成や分泌にも関わっているため生殖機能の維持をサポートします。

女性の1日における推奨量は18~29歳で5.0mg、30~49歳で5.5mgです。ビタミンEはかぼちゃやモロヘイヤ、赤ピーマンなどの野菜やアーモンド・落花生など種実類に多く含まれています。

食品と含まれるビタミンEの量

食品名

ビタミンE(mg/食品100gあたり)

かぼちゃ

4.9

アーモンド

29.0

落花生(いり)

10.0

うなぎ かば焼き

4.9

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

亜鉛

亜鉛は細胞の生成やタンパク質合成に関わるミネラルです。ホルモンの合成・分泌など酵素の構成成分としてさまざまな働きをしています。

免疫機能の維持や胎児の発育のためにも、亜鉛を意識して摂りましょう。

女性の1日の推奨量は8mgです。牡蠣やホタテ、タコ、牛肉など動物性食品に多く含まれています。

食品と含まれる亜鉛の量

食品名

亜鉛(mg/食品100gあたり)

牡蠣

14.0

ホタテガイ

2.7

タコ

3.1

牛肉(ばら)

3.0

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

妊活中の男性に必要な栄養素を解説!

妊活中の男性に必要な栄養素のうち、以下の成分を解説します。

  • 亜鉛
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンC
  • リコピン

栄養素を多く含む食品や1日の推奨量も紹介するため、何をどのくらい食べたらよいかわからない人はぜひ参考にしてください。

亜鉛

亜鉛は血液や皮膚に多く存在するミネラルです。男性の場合は前立腺にも多く含まれています。細胞分裂を促進させる働きがあり、免疫機能の維持やホルモンの合成・分泌に関わっている栄養素です。

セックスミネラルとよばれるように、精子の形成や活性化など生殖機能を高めます。

亜鉛の1日の推奨量は18歳~74歳の男性で11mgです。牡蠣やすっぽん、牛肉や納豆に多く含まれています。

食品と含まれる亜鉛の量

食品名

亜鉛(mg/食品100gあたり)

牡蠣

14.0

すっぽん

1.6

牛肉(ばら)

3.0

納豆

1.9

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

ビタミンD

ビタミンDは脂溶性ビタミンの1つでカルシウムを吸収しやすくする働きがあります。骨や歯の形成をサポートします。日光に当たることで、皮膚からも合成される成分です。

1日の1日の目安量は8.5マイクログラムです。イワシやサケ、サンマなどおもに魚に多く含まれています。

食品と含まれるビタミンDの量

食品名

ビタミンD(マイクログラム/食品100gあたり)

イワシ

32.0

サケ

32.0

サンマ

16.0

まいたけ

4.9

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性ビタミンの1つであり、抗酸化作用の高い栄養素です。細胞の酸化を抑える働きがあるため、精子の老化予防が期待できます。性ホルモンの生成や分泌に関わっており、生殖機能の維持にも欠かせない成分です。

男性の1日における推奨量は18~49歳で6.0mg、50~64歳の男性で7.0mgです。かぼちゃやモロヘイヤ、アーモンドや落花生などに多く含まれます。

食品と含まれるビタミンEの量

食品名

ビタミンE(mg/食品100gあたり)

かぼちゃ

4.9

アーモンド

29.0

落花生(いり)

10.0

うなぎ かば焼き

4.9

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンの合成や貧血予防、酸化を防ぐといった働きがあります。18~64歳男性の1日の推奨量は100mgです。

赤ピーマンやブロッコリーなどの野菜やじゃが芋、果物に多く含まれています。ビタミンCは水溶性であり損失しやすいため、生で食べられる野菜や果物は加熱せずに食べるのがおすすめです。

食品と含まれるビタミンCの量

食品名

ビタミンC(mg/食品100gあたり)

赤ピーマン

170

ブロッコリー

140

キウイフルーツ

140

オレンジ

60

出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

リコピン

リコピンはカロテノイドとよばれる色素の1種であり、トマトやスイカなどに多く含まれます。

強い抗酸化作用をもつため動脈硬化予防や生活習慣予防、男性不妊の予防効果が期待されている成分です。

「日本人の食事摂取基準2020」ではリコピンの記載はありませんが、1日に摂る目安は15mg程度といわれています。生のトマトだと約2個分、トマトジュースだと約150mlにあたります。

トマトやスイカのほかにも柿や金時人参、マンゴーなどに含まれているカロテノイドです。

パートナーで一緒に楽しめる妊活中のおすすめレシピ

妊活中のおすすめレシピとして、以下の2品を紹介します。

  • 牡蠣の豆乳クリームパスタ
  • アボカドナッツサラダ

簡単に作れて栄養抜群なレシピなのでぜひ作ってみてください。

<h3>牡蠣の豆乳クリームパスタ

2人分の材料

スパゲティ

200g

牡蠣

8個(150g)

水(下処理用)

200ml

塩(下処理用)

小さじ1

玉ねぎ

60g

そら豆

150g

豆乳(無調整)

200ml

味噌

8g

塩コショウ

適量

オリーブオイル

大さじ1

作り方

  1. ボウルに牡蠣と水、塩を入れてよく揉み、流水で汚れをしっかり落とす
  2. キッチンペーパーで牡蠣の水気を取る
  3. 玉ねぎは薄くスライスする
  4. そら豆はさやから取り出し、薄皮をむく
  5. 塩を入れたたっぷりのお湯でスパゲティをゆでる
  6. スパゲティのゆで上がり時間の2分前にそら豆も入れ、一緒に火を通す
  7. フライパンにオリーブオイルを引き、玉ねぎを炒める
  8. 玉ねぎがしんなりしたら牡蠣と豆乳、味噌を入れて混ぜる
  9. 牡蠣に火が通ったらゆであがったパスタとそら豆を加えて和える
  10. 塩コショウで味を調える

亜鉛を中心にビタミン・ミネラルがたっぷり摂れる牡蠣のクリームパスタです。生クリームではなく豆乳を使うことでエネルギーや脂質の摂りすぎを防ぎます。

アボカドナッツサラダ

2人分の材料

トマト

1個(200g)

アボカド

1個(150g)

木綿豆腐

1/4丁(100g)

アーモンド

20g

オリーブオイル

大さじ2

レモン汁

小さじ1

作り方

  1. トマトとアボカド、豆腐を1cm角に切る
  2. アーモンドを砕く
  3. 1をオリーブオイルとレモン汁で和える
  4. 器に盛り、アーモンドを飾る

アボカドはビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、スーパーフードとよばれるほどです。アーモンドを合わせることでビタミンEやマグネシウムが摂れます。

まとめ

妊活中は運動や睡眠、食事に気を遣い、心身の健康を保つことが大切です。普段の生活を振り返り、無理せずストレスがたまらない程度に改善できるとよいでしょう。

この記事では女性・男性別に積極的に摂りたい栄養素を解説し、栄養がたっぷり摂れるレシピを紹介しました。ぜひパートナーと一緒に作って食事の時間を楽しんでください。

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