※本記事は薬剤師が執筆しております※
「妊活ってよく聞くけれども、いつから始めるのか知りたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。
子どもが欲しいと思ってもすぐに妊娠できるわけではなく、年齢とともに妊娠する可能性も低くなるため、妊活はいつから始めても問題ありません。妊活を始めてもなかなか妊娠しないこともあるため、不妊治療を始めるタイミングも考えておくと良いでしょう。
本記事では妊活や不妊治療をいつから始めるのか、妊娠を希望する方が準備しておくと良いことをご紹介しますので、ご参考ください。
目次
- そもそも妊活って?
- 妊活はいつからはじめるべき?
- 2人目の妊活はいつから?
- 妊活の時期を考える上で考慮したいポイント
- 不妊治療に切り替えるタイミングとは?
- 妊娠を希望するならやっておきたいこと
- まとめ
そもそも妊活って?
妊活とは妊娠に向けて、妊娠に関する知識を学んだり、妊娠しやすい生活習慣を取り入れたりすることです。夫婦で妊娠のための準備をしていきます。
出産年齢の高齢化や夫婦の多忙などにより、自然に子どもができない人は増加傾向であり、妊娠できないことは特別なことではありません。
妊活はいつからはじめるべき?
妊活をいつからはじめるかは、夫婦での話し合いが必要です。新婚生活を楽しみたいなど子どもができる前にやりたいこともあるでしょう。
男性も女性も年齢を重ねると自然妊娠する可能性が徐々に減るため、赤ちゃんが欲しいと思ったときはすぐに妊活を始めることがおすすめです。
いつ始めても問題ない
妊活はいつ始めても問題ありません。風疹の抗体があるのか子宮や卵巣に病気がないかなど妊娠前から準備が必要であるため、早めに妊活を始めた方がいいでしょう。
30歳を過ぎると、妊娠の可能性が少しずつ減少
女性は産まれた時から卵子を体内に持っており、年齢とともに減少し、老化していきます。そのため、年齢を重ねると自然妊娠する可能性が低くなります。
30歳を過ぎると徐々に卵子や精子も影響を受け、妊娠しにくくなるため、子どもをたくさん欲しいと思う方は早めに妊活を始めましょう。
2人目の妊活はいつから?
2人目の妊活は排卵が再開しないとできません。授乳をしていると排卵再開が遅れがちであるため、1人目産後の1年半以降が一般的です。
1人目の妊活は夫婦だけの問題ですが、2人目の妊活は子育てと並行して行う必要があります。夜泣きがひどく抱っこをしなければいけない状況などもあり、性交渉のタイミングを取りにくくなります。
産後1年半以降
1人目を自然妊娠した場合、2人目もすぐに妊娠できると思い、数年過ぎてしまうケースも多いかもしれません。2人目は妊活のスタートが遅れがちであるため、出産適齢期を過ぎて慌てて不妊治療を開始する方も多いようです。
第一子との年齢差などの兼ね合い
第一子との年齢差が3学年離れていると、入学と卒業が重なるため、3歳差を避けた方がいいと考えるかもしれません。
何歳離れていると育児しやすいかや育休後復帰せずに2人目の産休に入った方がいいなど、第一子との年齢差の兼ね合いを考え、妊活を進めていきましょう。
両親の年齢
2人目を妊活するときは両親の年齢も上がるため、早めに取り組む方がよいでしょう。両親の体力も落ちて、子育てと同時に行う妊活は難しくなります。
2人目が欲しいと思った時には自然妊娠する可能性が低くなるため、不妊治療を検討しなければいけないこともあるでしょう。
妊活の時期を考える上で考慮したいポイント
結婚が決まると、子どもがいつ欲しいか考えるカップルも多いでしょう。妊活の時期を考える上で考慮したいポイントは以下の3つです。
- 年齢
- 結婚式やハネムーンの日程
- 新婚生活の期間
結婚前からふたりで話し合っておくとよいでしょう。
自分とパートナーの年齢
年齢の進行とともに不妊の割合も増加するため、自分とパートナーの年齢を考えて妊活を始める時期を決めましょう。夫婦の年齢と将来的に何人子どもが欲しいのかを考えて妊活の開始時期を考えることがおすすめです。
結婚式/ハネムーンとの兼ね合い
妊活を始めるときは、結婚式やハネムーンとの兼ね合いもあります。「理想のウェディングドレスを着たい」「久しぶりに集まる友人とお酒を楽しみたい」などの希望があると、妊活は結婚式やハネムーンが終わってから考えるとよいでしょう。
避妊を行っていないと、希望のタイミングと妊娠がずれてしまう場合もあります。
ふたりの新婚生活をどれくらい楽しみたいか
子どもがいる生活も楽しいですが、出産後は子ども中心の生活になるため、夫婦だけの時間を確保するのは難しくなります。ふたりの新婚生活をどれくらい楽しみたいか、結婚するときに話しておくことをおすすめします。
不妊治療に切り替えるタイミングとは?
「妊活をはじめてみたけれども、なかなか妊娠しない」「もしかしたら不妊かもしれない」などの不安を感じた時が不妊治療に切り替えるタイミングかもしれません。
ここでは不妊治療に切り替えるタイミングについてご紹介します。
もしかしたら不妊?と思ったら
妊活と同じで、不妊治療を始めてもすぐに妊娠できるわけではありません。不妊治療にかかる期間は個人差があるため、不妊かもしれないと思ったら早めに病院を受診することが大切です。
生理不順や基礎体温に異常があるなど妊娠に向けて不安要素がある時は、できるだけ早めに専門家に相談しましょう。
妊活をはじめて1年が経った時
妊活をはじめても1年間妊娠しないときは不妊治療に切り替えるタイミングかもしれません。日本産科婦人科学会において、不妊は妊娠を希望する健康なカップルが避妊をしないで性交渉しているにもかかわらず、1年妊娠しないことと定義しています。
30歳を過ぎていると1年経っていなくても、不妊治療を開始することもあるでしょう。
妊娠を希望するならやっておきたいこと
妊娠を希望する方は、妊娠の仕組みについて知っておくことが大切ですし、パートナーと一緒に以下の4つのことに取り組んでおくとよいでしょう。それぞれ、詳しく解説していきますのでご参考にされてください。
規則正しい生活習慣を心掛ける
妊活に限った話ではありませんが、規則正しい生活習慣が大切です。バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動と適正体重の維持に気をつけていきましょう。
栄養素が偏ると妊活に必要な栄養素が不足し、妊活に影響を与える可能性がありますし、運動不足によって血行不良を起こすと、代謝が悪くなります。
睡眠不足になると、十分な成長ホルモンが分泌されず卵子や精子の成長へも影響を与える可能性があります。人は睡眠中に脳や体を休ませるため、良質な睡眠は大事です。
パートナーと一緒に規則正しい生活習慣を心掛けてみてください。
風疹の抗体検査を受ける
妊娠を希望する方は風疹の抗体検査を受けておくとよいでしょう。妊娠中に風疹に感染するとおなかの赤ちゃんに感染して、難聴や心臓などの病気を持って生まれる可能性が高くなります。
風疹の予防接種を受けていない方や抗体が少ない方は、妊活を始める前に予防接種を受けてください。風疹の予防接種後2カ月程度は避妊が必要であるため、妊活を開始する前に受けることがおすすめです。妊娠している人は予防接種を受けることはできません。
風疹ウイルスは強い感染力を持っているため、パートナーや身近な人も風疹にかからないことが重要です。検査を受ける時はパートナーと一緒に受けましょう。
禁煙をする
タバコに含まれるニコチンは血管を縮ませる作用があり、妊娠中の喫煙は胎児へ大きな影響を与えます。そのため、妊娠が判明したら禁煙しなければいけません。喫煙している方は妊活を始める前から禁煙に取り組みましょう。
葉酸を摂る
葉酸は細胞の増殖と関係が深い栄養素であるため、妊娠を希望する方は男女ともに葉酸を積極的に摂取した方が良いでしょう。
特に女性の場合、葉酸を摂ると赤ちゃんの神経管閉鎖障害という先天性異常の発症率を下げることが明らかにされています。胎児の神経管閉鎖障害は、受胎後約28日までに起こることが多く、受胎後約28日とは、おおよそ妊娠が判明する時期です。妊娠が判明してから葉酸を摂るよりも妊娠を希望する時から葉酸を摂っておくとよいでしょう。
まとめ
妊活を始める時期は、夫婦の年齢などに影響を受けるため、決まった時期はありません。妊活を始めてもすぐに妊娠するわけではなく、1年以上妊娠が成立しない場合も考えられます。
不妊治療を受けるカップルも増えているため、妊活を始める前から不妊治療に切り替えるタイミングまでふたりで話し合っておくと妊娠へ向けてスムーズに活動できるでしょう。