※本記事は薬剤師が執筆しております※
「妊活に効果的な温活の方法やメリットを知りたい」と、温活の方法が気になる方も多いのではないでしょうか。
健康や美容に良い影響を与える温活は、妊活への効果も期待されています。温活でカラダの冷えをとると妊娠しやすい体質になると考えられているため、妊活中は普段の生活から温活を意識することが大切です。
温活は簡単にできる内容が多いため、自分のライフスタイルにあった方法を取り入れてみましょう。
本記事では、温活の方法やメリットを解説します。男性も一緒にできる温活もあわせて紹介するので、パートナーともぜひ取り組んでみてください。
⽬次
- 温活とは?
- どうして温活が必要?
- 温活の方法を紹介!
- おすすめの温活グッズ
- 男性も一緒にできる温活を紹介!
- まとめ
温活とは?
温活とは、健康なカラダの維持や美容のためにカラダを温める活動全般のことです。
「冷えは万病のもと」と昔から言われています。カラダが冷えると血流が悪くなり、基礎代謝や免疫力が低下し、カラダの不調や風邪をひきやすくなったり、太りやすくなることが考えられています。
〜冷えで起こるカラダの不調〜
- 肩こり、腰痛、頭痛、だるさ
- 生理痛、生理不順
- 便秘、下痢、むくみ
- イライラや不眠
- 抜け毛や白髪
- くすみやしわ
そのため、冷えを解消する温活の重要性が注目されています。
温活には、食事でカラダの内側から温める方法と身につける物や入浴で外側から温める方法があります。さまざまな方法がありますが、自分のライフスタイルにあった温活からはじめてみることがおすすめです。
どうして温活が必要?
冷えは妊活にも良くない影響を与えます。冷えは外気の寒さ以外にも、筋肉量が少ない女性や運動不足や生活習慣の乱れやストレスで起こりやすいとされています。
最近では仕事が忙しく運動不足や生活習慣が乱れる方も多いです。知らない内にカラダを冷やして妊娠しづらくならないためにも妊活中は温活が必要です。
冷えが妊活に良くない影響を与える主な理由は下記の3つです。ここでは、3つの理由を詳しく解説します。
- 血流や代謝が悪くなる
- ホルモンバランスや免疫力に影響する
- 子宮環境に悪影響をあたえる
血流や代謝が悪くなる
血流が悪くなると卵巣や子宮に十分な栄養が届かなくなります。妊活中は、女性ホルモンを作る働きがある卵巣や赤ちゃんを育てる子宮へ十分な栄養を届けてあげることが大切です。
また、血流が悪いと代謝が落ち、脂肪燃焼がスムーズにいかず痩せにくくなります。女性の肥満は排卵障害が起こり、不妊の原因になる場合もあります。また、男性の肥満も精液の状態に影響を与える可能性も考えられています。
妊活中は、冷えで血流や代謝が悪くならない対策が必要です。
ホルモンバランスや免疫力に影響する
ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下は妊活によくない影響を与えます。冷えで卵巣機能が落ち、ホルモンバランスが乱れると生理不順になることもあります。生理不順は排卵がスムーズに行われていないことも多いため、注意が必要です。
そして、免疫力が低下し風邪をひいてしまうと通院や性交のタイミングを逃してしまう場合もあります。また、精子の質は日々の体調に影響されやすいため、妊活中の体調不良には注意が必要です。
子宮環境にも悪影響
子宮は赤ちゃんを育てるベットになるため、妊活中は子宮環境を良い状態に保つことが大切です。
妊娠は受精卵が子宮内膜に着床することで成立します。子宮内膜は女性ホルモンの働きで厚くてフカフカな状態な内膜になると着床しやすくなります。
ただ、冷えると子宮の血流が悪くなることや、女性ホルモンをつくる卵巣の機能が低下し、子宮環境に悪影響を与える可能性があります。
温活の方法を紹介!
妊活中は下記の2点を意識して温活の方法を選んでみましょう。
- 簡単で続けやすい方法
- ストレス解消になる方法
温活は続けることが大切なため、普段の生活の中に簡単に取り入れられる温活がおすすめです。
また、妊活中はストレスをためてしまう方も多いですが、ストレスも冷えと同様に妊活の大敵です。そのため、妊活中の温活はストレス解消になるリラックス効果の高い方法がより効果的です。
ここでは、おすすめな3つの温活の方法を紹介します。
代謝を上げる食べ物・飲み物を積極的に摂取
まずは、カラダの内側から温める方法として、代謝をあげる食べ物や飲み物の積極的な摂取を意識してみましょう。代謝をあげる食べ物とは、主に下記の3つです。
- 筋肉量を増やす食べ物…脂肪分が少ない肉、魚、大豆製品などのたんぱく質
- 血流を良くする食べ物...血液をサラサラにする作用がある玉ねぎ、にんにく、納豆、ナッツ類、青魚など
- カラダを温める食べ物...生姜や黒いもの(黒ごま、黒豆など)
代謝をあげる食べ物が中心のバランスの良いメニューを考えてみましょう。また、カラダを温める食べ物の摂取だけではなく、カラダを冷やす食べ物を避けることも大切です。
カラダを温める食べ物とカラダを冷やす食べ物を詳しく紹介します。
カラダを温める食べ物・飲み物
下記のような食べ物や飲み物は、カラダを温めます。
- かぼちゃ、にんじん、ごぼう、ネギ、ニラ、りんご、ぶどう、など
冬に旬をむかえる根菜類はカラダを温めます。寒い地域でとれたものや土の中で育ったものを中心に選んでみましょう。
- 生姜、にんにく、シソ、ネギ、など
香味野菜は料理の味や香りを引き立てるだけではなく、カラダを温める効果もあります。風邪を引いたときに、カラダを温めるため生姜湯を飲まれる方も多いのではないでしょうか。普段の料理に香味野菜を足してみてくださいね。
- 紅茶、ほうじ茶、ワイン
普段の飲み物をカラダを温める飲み物に変えてみましょう。お気に入りの飲み物を見つけることで楽しく温活に取り組むことができます
カラダを冷やす食べ物・飲み物を紹介
次にカラダを冷やす食べ物・飲み物を紹介します。
- トマト、ナス、キュウリ、レタス、キャベツ、など
温める野菜とは反対に、夏が旬な野菜や地面の上にできる野菜はカラダを冷やします。
- バナナ、パイナップル、マンゴー、キウイなど
南国のフルーツもカラダを冷やしてしまいます。大量に摂り過ぎないように注意しましょう。
- ビール、コーヒー、緑茶
ホットコーヒーや緑茶は温かい飲み物ですが、カフェインが含まれています。カフェインの過剰摂取は冷えを起こすため、温かい飲み物でもカフェインを摂り過ぎないようにしてください。
夏場は冷えのイメージがあまりないと思います。ただ、冷たい飲み物の摂り過ぎでカラダを冷やすこともあるため、注意が必要です。
程よく汗が出るほどの入浴
カラダを温めるには、程よく汗が出るほどの入浴を意識しましょう。結論からいうと、38度から40度くらいのお湯の温度で、15分ほどじっくり浸かるのがおすすめです。
一般的には、お風呂の温度は38°C〜40℃でぬるめ、42℃以上くらいで熱めと感じます。熱すぎると交感神経が活発になるため、ぬるめの温度でゆっくり入浴するほうが副交感神経が優位に働きリラックス効果が高くなります。
また、良い香りの入浴剤はリラックス効果がより高まります。妊活中は、ぜひ自分好みの香りの入浴剤でカラダをじっくり温めてみてくださいね。
運動する
適度な運動は筋肉量を増やし、基礎代謝を上げる効果があります。とくに女性は筋肉量が男性よりも少ないため、冷えが起こりやすいとされています。運動不足は冷えの原因になるため、運動不足の方は要注意です。
また、適度な運動は生活習慣や肥満の予防、ストレス解消にもなります。ストレスや肥満は男女ともに妊活によくない影響を与えるため、運動は妊活中の温活におすすめな方法です。
ただし、過度な運動は生理不順をおこし、不妊の原因になることもあるため、適度な運動を心掛けましょう。妊活中は、ヨガやストレッチやウォーキングなど、少し汗ばむ程度の適度な運動がおすすめです。
参考)京野アートクリニック高輪
おすすめの温活グッズ
最近では、気分が上がるおしゃれな温活グッズも豊富に販売されています。
カラダを冷やしやすいのは冬場のイメージが強いと思います。もちろん冬場はカラダを冷やしやすい時期ですが、夏場でも冷房や薄着でカラダを冷やすこともあります。温活グッズは、冬場に限らず夏場でも必要な場合は活用してみましょう。
ここでは、おすすめの温活グッズ4つを紹介します。自分好みの温活グッズをぜひそろえてみてください。
- 腹巻
- カイロ
- 靴下
- サプリメント
腹巻
生理痛がひどい方だと、すでに腹巻を使用している方も多いのではないでしょうか。お腹を冷やすと下痢や腹痛、生理痛がひどくなることがあります。妊活の観点からも、腹巻きで子宮周りを温めてあげることは大切です。
腹巻きには、冬仕様の厚手なものや夏用の薄手なもの、ルームウェアと一体化したものなど、さまざまなタイプがあります。
カラダを締め付けると逆に血流が悪くなるため、なるべくゆったりとつけられる腹巻きを選びましょう。ぜひ、自分の好みの腹巻きを探してみてください。
カイロ
冷えを解消したい場合は、カイロで「次髎(じりょう)」と「丹田(たんでん)」の2つのツボを温めてみましょう。
次髎(じりょう)…おしりの仙骨(せんこつ)という骨にあるくぼみ
丹田(たんでん)…おへそから、指3〜4本分下にあるツボ
温活グッズの定番なカイロは、冷えた場所を集中的に温められるメリットがあります。温める場所で効果も変わるため、貼る場所も意識してみてください。
玄米カイロや小豆カイロなど、くり返し使えるエコなタイプもおすすめです。
靴下
妊活中は、靴下で下半身を温めるとより効果的です。
「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉をご存知でしょうか。足元を暖かくして、頭を冷やすと効率よくカラダを温めることができる、という東洋医学の言葉です。
暖房を使うと暖かい空気は上にのぼってしまうため、足元はどうしても冷えやすくなってしまいます。そのため、冬場で暖房を使うときも、靴下で足元を冷やさないように注意してください。
5本指ソックスや足裏カイロを貼り靴下を履く方法もおすすめです。
サプリメント
足りない栄養素を効率よく補完でき、簡単に続けられるのがサプリメントです。
血流を良くする成分には「いちょう葉のエキス」や「オメガ3系の脂肪酸」などがあります。
バランスの良い食生活は妊活中の冷え対策にも効果的です。ただ、気を配っていても栄養が不足したり、仕事が忙しくて栄養バランスのとれた食生活を続けることが難しい場合もあります。
そのようなときは、サプリメントの摂取も考えてみましょう。
男性も一緒にできる温活を紹介!
男性も一緒にできる温活は、パートナーとスキンシップがとれる方法がおすすめです。
妊活は性交のタイミングを増やすことが大切です。ただ、妊活中は排卵日のみタイミングをとるカップルやセックレスに悩むカップルも多いです。スキンシップはパートナーとの仲が深められる効果があるため、パートナーとスキンシップがとれる温活で二人の仲を深めましょう。
ただ、精子をつくる精巣は熱に弱く、長時間、高温環境にさらすと精子の質に影響が出る可能性があります。そのため、長時間の入浴や下半身を温めるような温活は避けてください。
最後に2つの男性も一緒にできる温活を紹介します。
- ペアでヨガ
- ゾーンセラピー
ペアでヨガ
ペアヨガは、パートナーと呼吸をあわせて一つのポーズをつくるヨガです。ペアヨガでは、通常のヨガのポーズ以外にも、パートナーの力を借りたストレッチやパートナーを支えるポーズを行います。
ヨガ自体、心身のバランスを整えてリラックスできる効果があるため、妊活中には最適な運動です。ペアヨガはスキンシップが多いため、一人で行うヨガよりもパートナーとの信頼関係が高まる効果があります。
スキンシップが足りていない、運動不足のカップルは、ペアヨガを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ゾーンセラピー
ゾーンセラピーとは、手や足裏と各カラダの臓器はつながっているという考えから、手や足のマッサージでカラダの不調を治す健康法です。
足裏の刺激は一人でもできますが、パートナーと確認しあいながら行うと効率的です。お互いのカラダに触れあいながら行うため、パートナーとのスキンシップにもなりおすすめです。
まとめ
本記事では、温活のメリットや方法を解説しました。お伝えしたいポイントは下記の5つです。
- 温活とは、健康なカラダの維持や美容のためにカラダを温める活動全般のこと
- 冷えは血流や代謝が悪くなり、ホルモンバランス、免疫力、子宮環境へ悪影響を与える
- 妊活中は、代謝をあげる食べ物の摂取、入浴、運動など、簡単で続けやすい温活がおすすめ
- 腹巻き、カイロ、靴下、サプリメントなどの温活グッズがある
- 男性も一緒にできる温活は、ペアヨガやゾーンセラピーなどスキンシップがとれる方法がおすすめ
健康や美容に良く、妊活中にも効果抜群な温活。ぜひ、自分にあった温活を取り入れてみてくださいね。