※本記事は薬剤師が執筆しております※
妊活中に病院デビューするタイミングを知りたい方という方は多いです
早めに受診することで、早期での治療が可能になり、約8割が妊活開始から1年の間に受診しています。
この記事では、妊活中の病院デビューについて紹介します。ぜひ、最後まで読んでください。
目次
- 妊活中の病院デビューはいつ?
- 妊活中の女性がいくべき病院は?
- 女性の初診時の検査内容を紹介
- 女性が妊活中に病院にいくべきタイミングは?
- 妊活中の男性の病院デビューは、まずは泌尿器科へ
- 男性の初診時の検査内容を紹介
- 男性が妊活中に病院にいくべきタイミングは?
- 不妊治療に切り替えるタイミングは?
- 不妊治療にのぞむ上で大事なこと
- 病院選びのポイントを解説!
- まとめ
妊活中の病院デビューはいつ?
妊活を始めた人たちが医療機関を受診するのは、比較的早く1年以内が8割以上であったと報告されています。20代〜30代初めまでが妊娠しやすく、卵子の質や排卵周期には年齢が関係していて、年を取ると妊娠しにくくなってしまうこともあるからです。
まず自分たちだけで、と思いがちですが、早めの受診が早期治療につながります。相談だけでも、という軽い気持ちで早めに医療機関を受診してみることをおすすめします。
妊活中の女性がいくべき病院は?
妊活中の女性がいくべき病院を年代別に紹介します。
- 【20代〜30代前半】婦人科がおすすめ
- 【30代後半〜】不妊専門がおすすめ
以下で、1つずつ詳しく説明します。
【20代〜30代前半】婦人科がおすすめ
20代〜30代前半の場合は婦人科がおすすめです。自分の健康状態を確認するために、近所の婦人科を定期的に受診するのが良いでしょう。
妊娠適齢期なので、妊娠を妨げる要因がなければ、2年以内に約9割が自然妊娠すると言われています。したがって、妊活歴が浅いのであれば、不妊治療はまだ早いかもしれません。しかし、月経不順、ひどい月経痛、性行為中の痛みなどがある場合には、早めに婦人科を受診しましょう。
【30代後半〜】不妊専門がおすすめ
30代後半〜の場合は不妊専門がおすすめです。妊活を開始してから1年を経過しても妊娠の兆しがないなら、検査を受けてみるといいでしょう。不妊原因があった場合、すぐに治療に入れるというメリットがあります。
近所の婦人科だと、妊婦さんや赤ちゃんも訪れます。不妊専門の病院、クリニックであれば、妊婦さん達の姿を見なくて済み、ストレスが少ないでしょう。
女性の初診時の検査内容を紹介
初診時では検査や問診から不妊の原因を探ります。
女性の初診時の検査内容は概ね以下の通りです。
【初診時に行う基礎疾患の検査】
- 内診:医師による触診や器具による内診で子宮や卵巣の異常の有無を調べる
- 超音波検査:子宮筋腫や卵巣嚢腫などの病気の有無を調べる
- 血液検査:クラミジアなどの性感染症、内科の一般的な病気の有無を調べる
診察では、いつ頃から妊娠を希望しているのか、避妊期間、妊活を始めてからどのくらい経つのか、性交渉の回数などを問診します。
時期別に行う検査もあるので、すべての検査が終わるまで2〜3回の通院が必要です。
女性が妊活中に病院にいくべきタイミングは?
月経周期によって行える検査が異なるので、初めは自分の都合の良い日に行きましょう(予約しましょう)。不妊検査が全部終了するには1〜2カ月、複数回の受診が必要です。残念ながら、1日で全ての検査ができないのが特徴です。
月経中(月経1-5日)でないと行えない血液検査もあります。卵巣機能を調べるLH/FSH/PRL/E2測定、月経異常が排卵に関係するどこの異常によって起きているかを明らかにするLH-RHテスト/TRHテストは、月経中でないと行えません。
妊活中の男性の病院デビューは、まずは泌尿器科へ
妊活中の男性が病院デビューでいくべきところは泌尿器科です。よく誤認して産婦人科へ行ってしまう方もいますが、男性の妊活に関しての専門家は泌尿器科です。泌尿器科以外では、男性不妊外来という選択肢もあります。
男性の初診時の検査内容を紹介
初診時では精液検査と、必要に応じて泌尿器科的な検査を行います。
男性の初診時の検査内容は概ね以下の通りです。
【初診時に行う検査】
- 精液検査:病院で採取した精液で精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無を調べる
- 触診:精巣(こう丸)など外陰部の診察、精巣サイズ測定、精索静脈瘤(男性不妊症の原因で最多)の有無
- 泌尿器科的な検査(必要に応じて):エコー検査・採血
精液の性状は体調で日々変動するので、再度検査をして問題ないとされる場合もあります。基準値は、2021年に世界標準が変更されました。
男性が妊活中に病院にいくべきタイミングは?
精液検査実施に大切な禁欲期間(射精しない期間、2-7日)後が望ましいです。最初の検査で基準値に満たなくても、時間をおいて、再度、精液検査を行って問題のない場合もあります。
不妊治療に切り替えるタイミングは?
不妊症の治療を開始するタイミングは、避妊をしないで性交していても1年以上妊娠しないときです。病気や年齢などで不安要素がある場合は、なるべく早めに受診しましょう。
また、年齢が高くなると、自然妊娠の可能性だけでなく、不妊治療の方法である体外受精や人工授精などの生殖補助医療の成功率も低くなることがとが分かっています。年齢が高い方は妊娠を希望されたらすぐに受診するのがおすすめです。
不妊治療にのぞむ上で大事なこと
不妊治療にのぞむ前に不妊治療をいつまでやるのかなどをパートナーと事前に話し合っておきましょう。また、費用や治療法についても事前に理解しておきましょう。
不妊治療は、治療内容によって健康保険が適用されるものと適用されない「自由診療」があり、自由診療は医療機関によって金額が異なり、一般的に費用は高額です。体外受精や顕微授精では1回数十万円かかる場合もあります。
病院選びのポイントを解説!
不妊治療を行なう際に大切なのは、自分達に合った病院選びです。
ここで不妊治療の病院を選ぶ際に考慮するポイントを5つ紹介します。
- 通いやすいかどうか
- 不妊専門のクリニックかどうか
- 男性の場合は産婦人科ではなく泌尿器科であること
- 医者との相性がいいか
- 評判がいいかチェックする
以下で、1つずつ詳しく解説します。
通いやすいかどうか
月経周期に合わせた複数回の受診が必要になるため、通院しやすいかどうかは重要なポイントです。病院までの交通費や移動時間も考慮に入れて選びましょう。
病院のアクセスが良くなかったり、診療時間が合わなかったりなどで、通えなくなるケースは珍しくありません。不妊治療の病院を選ぶときは、できるだけ通いやすい病院を選ぶのをおすすめします。
不妊専門のクリニックかどうか
不妊専門の場合、専門知識を持つ医師と出会えるのが大きなメリットです。不妊治療に精通した医師のもとで専門的な治療を受けたい時は、不妊治療専門クリニックを選びましょう。
産婦人科の場合は、不妊治療と一緒に婦人科系の病気治療も行えます。妊娠、出産まで診てもらえるので安心感があります。ただし、注意するポイントは、待合室には妊婦や健診で通院する新生児もいるということです。不妊治療中だと妊婦や赤ちゃんを見るのが辛いこともあります。そういったことが心配である場合は、不妊専門のクリニックが良いでしょう。
男性の場合は産婦人科ではなく泌尿器科であること
不妊の原因が男性の場合は、産婦人科ではなく泌尿器科で原因に合った治療を行ないます。
産婦人科よりも泌尿器科でのほうが専門的なアドバイスや悩みに対する適切な回答を得られることが多いです。
しかし、男性不妊に対応できる泌尿器科の専門医は多くなく、不妊治療専門病院であっても、女性不妊のみの対応の病院もあるため事前に確認しましょう。
医者との相性がいいか
不妊治療は、場合によっては長期に渡ることもあり、心身の疲労も溜まるため、相性も重要です。
専門知識や技術ももちろん大切ですが、自分たちと相性が良いか、「信頼できる先生」と思えるかというのは大切なことです。人によって「良い」と感じる点は異なるので、医師の人柄と自分達との相性も考えて病院を選びましょう。
評判がいいかチェックする
インターネットなどで病院やクリニックの評判などを調べてみましょう。病院、クリニックの特徴や治療方針、かかる費用などの情報も得られるでしょう。
ただ、誤った情報や古い情報が混在していますので、鵜呑みにせず、最終的には自分たちが会って、話して決めるという方針でいれば大丈夫でしょう。
まとめ
本記事では妊活中の病院デビューについて解説してきました。
早めに受診することで、早期での治療が可能なので、約8割が妊活開始から1年の間に受診しています。
不妊治療にのぞむ際には事前にパートナーと、「不妊治療をいつまで行うか」などについて十分に話し合いましょう。また、病院選びはとても大切です。パートナーと十分に相談の上、納得のいく病院を選びましょう。