※本記事は薬剤師が執筆しております※
妊活中のウォーキングの効果が知りたい方は多いのではないでしょうか?
パートナーと一緒に取り組めるなどのメリットがあるので、妊活中のウォーキングはおすすめの運動です。
この記事では妊活中のウォーキングのメリット・デメリットについて紹介します。ぜひ、最後まで読んでください。
目次
- 【女性】妊活中のウォーキングのメリット
- 【男性】妊活中のウォーキングのメリット
- 30分程度のウォーキングがおすすめ
- ウォーキングのメリットを活かす歩き方
- 適度な運動で妊活ライフを楽しもう
- まとめ
【女性】妊活中のウォーキングのメリット
ウォーキングは、誰でも手軽に始めることのできる有酸素運動で、生活習慣病の予防や改善にも効果的です。有酸素運動とは、酸素を使って糖質や脂質をエネルギー源に変換して行う、筋肉への負担が軽い運動のことです。
ここでは【女性】妊活中のウォーキングのメリットを3つ紹介します。
- 子宮や卵巣に栄養が届きやすくなる
- ダイエットにも効果的
- 日光を浴びるとビタミンDが作られる
以下で、1つずつ詳しく説明します。
子宮や卵巣に栄養が届きやすくなる
ウォーキングでは「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎを動かすので、下半身の血流が改善し、全身の血流が良くなります。
全身の血流が良くなると、子宮や卵巣へも栄養が行き届くようになり、妊娠しやすい環境へ整えることができます。
ウォーキングで骨盤底筋が鍛えられるのは、インナーマッスルである骨盤底筋も使うからです。骨盤底筋が鍛えられることで冷えや子宮のゆるみも防ぎます。運動不足になりやすい妊娠中も無理なく行えます。
ダイエットにも効果的
妊娠に適したBMI値は19~25で、BMI値が25以上であれば、ダイエットが必要です。ウォーキングは、誰でも簡単に長時間継続して行えます。しっかり呼吸をしながら歩くことで脂肪燃焼効果も高く、ダイエットにも有効です。
効果が実感するのには半年から1年ほどかかりますが、リバウンドもなく、根本から痩せ体質になることができます。
脂肪燃焼効果を得るために有酸素運動で必要なのは20分以上継続することです。できるだけ20分以上続けて歩き続けましょう。また、1週間に1度だけよりも、20分を週に2~3回の方が効果的です。継続することで効果は実感できます。
歩幅が大きくなるように意識して歩くと骨盤の安定につながります。適正体重を維持するためにもウォーキングは妊活中の運動に適切です。
日光を浴びるとビタミンDが作られる
ビタミンDは1日約20分、日光に当たることで体内でつくることができます。ビタミンD欠乏状態では、不妊症の原因のなる子宮内膜症や多嚢胞卵巣症候群などの疾患リスクが高まります。
また、ビタミンDは不妊治療でも重要な栄養素です。体外受精の治療をしている女性では、血中ビタミン濃度が十分な場合に妊娠率が高まると言われています。さらに40歳以上の女性では血中ビタミンD濃度が高いほど卵巣予備能検査での数値が良いとも言われています。卵巣予備能検査とは、卵巣の卵子数を推測し、妊娠チャンスがあるかどうかを予測するものです。
まず、散歩やウォーキングなどで、外に出る習慣を持ちましょう。日焼けでのシミやシワが気になる場合は、肌質に合った日焼け止めクリームを塗りましょう。
【男性】妊活中のウォーキングのメリット
ウォーキングが誰でも手軽に始めることのできる有酸素運動であることは男性でも同じです。男性の妊活中のウォーキングの生活習慣病予防以外のメリットとは何でしょうか?
ここでは【男性】妊活中のウォーキングのメリットを2つ紹介します。
- EDに効果的
- ストレス軽減
以下で、1つずつ詳しく説明します。
EDに効果的
生活習慣病予防に効果がある有酸素運動がED予防にも効果があると言われています。有酸素運動にはウォーキングのほか、マラソンやサイクリングなどもありますが、ウォーキングが最も手軽に始めることができます。
ウォーキングの際には、有酸素運動を意識し、筋トレも取り入れるとさらに効果的です。
ストレス軽減
自分が心地よく感じる強度でウォーキングすると「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。セロトニンは気持ちを落ち着かせる作用を持ち、幸福感を与え、モチベーションの向上、不安感軽減などの効果を持っています。
妊活中にタイミング法などでストレスを感じる男性は多いです。ストレスを感じることでEDになる可能性もあります。妊活中は男性にもウォーキングはおすすめです。
30分程度のウォーキングがおすすめ
1日30分以上を目安に歩くと呼吸で取り入れた酸素を使って脂肪を燃焼しエネルギーに変えることができます。過度な運動は活性酸素とよばれる細胞を老化される物質を生成するので避けましょう。時間が取れない場合でもこまめに歩くことが重要です。
「適度な運動は妊娠に良い影響を与える」けれども「過度な運動は逆に悪い影響をもたらす」と言われています。
適度な運動とはウォーキング、ヨガ、ゴルフなどを指しますが、具体的には、ウォーキングであれば35分間/日(週末のみなら2時間)、ランニングであれば毎日20分間/日(週末のみなら1時間10分)、サイクリングをであれば5分間/日(週末のみなら50分間)行うことがおすすめです。
ウォーキングのメリットを活かす歩き方
妊活中の女性ばかりでなく、男性にもメリットがあるウォーキングですが、その歩き方を間違えると、効果がでないばかりか、ケガの原因になる可能性もあります。ウォーキングのメリットを活かす歩き方とは、どのようなものでしょうか?ここでは、メリットを活かすための歩き方を紹介します。
- 正しいフォームで歩く
- 可能なら夫婦一緒に歩く
- 「こまめに歩く」でもOK
- 熱中症・紫外線対策は万全に
以下で、1つずつ詳しく説明します。
正しいフォームで歩く
正しいフォームで歩かないと筋肉にアンバランスな負荷がかかるため、血行不良を招いたり、ケガの原因になったりします。下記の点に注意して、正しいフォームで歩きましょう。
- 頭が上から糸でに引っ張られているつもりで背筋をまっすぐ伸ばす
- あごを軽く引き、遠くを視る
- 力を入れず、胸をやや張る
- かかとから着地、足裏全部をつけ、つま先で地面を蹴る
- ひじを約90度に曲げてしっかり前後に腕を振りながら歩く
可能なら夫婦一緒に歩く
ウォーキングは男女ともに妊活力アップにも効果的です。定期的に運動することで血行が良くなり、精子への酸化ストレスが減ったり、子宮や卵巣へ栄養が届きやすくなったりする効果があります。
ウォーキングは話しながらでもできるので、カップルで一緒に過ごす時間を増やすために、パートナーと一緒に歩いてみてはどうでしょうか。同じ風景を見ながら体を動かすので、いつもは違う会話ができたりと意外にいいことが あるかもしれません。
「こまめに歩く」でもOK
血行改善が目的のウォーキングは小分けに朝10分、昼10分、夜10分などとしても効果ありです。効果を得るために「有酸素運動は20分以上」必要という説がありますが、小分けに行っても問題ないというのが近年の流れです。
ウォーキングは歩き始めてから20分過ぎ頃から体脂肪の分解が高まりますが、血中の脂肪はその前から分解されているため、20分、30分という時間にこだわるよりは、こまめに毎日続けるほうが結果としてダイエットにつながるでしょう。
熱中症・紫外線対策は万全に
水分が不足すると集中力低下、脚がつるなどの症状を引き起こし、運動のパフォーマンス低下や怪我に繋がります。運動前に250ml~500ml前後の水分を摂取し、運動中も15~20分毎に200ml~500ml前後の水分を摂取して熱中症を防ぎましょう。
紫外線ダメージを防止するためには、帽子や日焼け止めクリームを適宜利用しましょう。
適度な運動で妊活ライフを楽しもう
妊活中は有酸素運動を心がけましょう。ダイエットのためには20分以上行うと効果的です。ウォーキング以外にも下記の運動がおすすめです。
- エアロビクス
- 自転車型トレーニング器具
- 水泳
- 水中エアロビクスや水中歩行
- ヨガ
- ピラティス
運動には妊活に良い効果が多いです。習慣化してしまうと意外に無理なく続けられます。パートナーと一緒に行うと、楽しい時間を共有でき、楽しみが増えます。ぜひ、一緒に運動を始めてみてはいかがでしょうか。妊活中の運動で疑問や不安があれば、医師に相談しましょう。
まとめ
この記事では妊活中のウォーキングのメリット・デメリットについて紹介してきました。
ウォーキングは、妊活中の男性女性のどちらにも良い効果がある上に、パートナーと一緒に取り組めるなどのメリットもあるので、おすすめの運動です。有酸素運動なら同じ効果が期待できますが、やはりウォーキングは手軽に始めることができる点が魅力です。「始めようかどうしようか」と迷っている方は、始めてみましょう。歩いていると心地よいので、意外に継続できます。
メリットを活かす歩き方をして、効果的に妊活をしましょう。