※本記事は薬剤師が執筆しております※
ストレスが不妊の原因につながるかどうか知りたい方は多いのではないでしょうか?
最新の論文によれば、ストレスが不妊の原因となる明確な根拠は見つかっていません。
この記事ではストレスと不妊の関係性やストレスを溜めないための方法を紹介します。ぜひ、最後まで読んでください。
目次
- ストレスが不妊の原因になる根拠はない?
- ストレスは生活の質を大きく下げ健康を害する
- 不妊とならないために知っておく!妊活中にストレスが溜まる原因は?
- ストレス解消で不妊も解消!おすすめの方法は?
- まとめ
ストレスが不妊の原因になる根拠はない?
現在までの研究で、不妊で感情ストレスが起きることは明らかですが、感情ストレスが不妊原因になったり、不妊治療の成績を下げたりするという明確な根拠は発見されていません。個人間の違いが大きく評価が困難であるというのが本当のところです。
感情的ストレスと不妊に対する考え方は、人種、民族、所得、教育によって大きく異なっています。子どもを欲しいと願う女性にとっては不妊は辛いことですが、ストレスが不妊の原因かどうかは科学的には明らかではないので、必要以上に気にするのは控えましょう。
ストレスは生活の質を大きく下げ健康を害する
ストレスは生活の質を下げ、それによりホルモン分泌が乱れたり、睡眠が妨害されたりと、健康的な生活に影響を与えます。そのため、健康的な生活が妨げられ、妊娠率が下がるというのは考えられます。
ストレス刺激を感じないようにする方法は、QOLを高めるように生活をすることです。
身体的・精神的QOLの違いが物理的ストレス時の脳活動に及ぼす影響 ―機能的MRIによる分析―
QOLとは、Quality of life(クオリティ オブ ライフ)のことで、「生活の質」「生命の質」の意味です。ストレスをむやみに気にするのではなく、QOLを高めるように生活しましょう。
不妊とならないために知っておく!妊活中にストレスが溜まる原因は?
妊活中にストレスが溜まる原因にはどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、妊活中にストレスが溜まる原因を男女別に7つ紹介します。
- 女性が感じるストレス①家事を手伝ってくれない
- 女性が感じるストレス②外食や付き合いで帰りが遅い
- 女性が感じるストレス③妊活に協力的と感じにくい
- 女性が感じるストレス④”仲良し日”のタイミングが合わない
- 男性が感じるストレス①仕事の大変さを理解してくれない
- 男性が感じるストレス②コミュニケーションが取りにくくなる
- 男性が感じるストレス③”仲良し日”のタイミングが合わない
以下で、1つずつ詳しく説明します。
女性が感じるストレス①家事を手伝ってくれない
妊活中、女性が男性に感じてしまうストレスのひとつに、男性が家事を手伝ってくれないということがあります。専業主婦だとしても大変なときは、女性は男性に、溜め込まずに相談してみることをおすすめします。
男性は、大切な女性の頼みごとは案外すんなりと引き受けてくれるのではないでしょうか。
女性が感じるストレス②外食や付き合いで帰りが遅い
旦那さんの帰宅が遅いと女性側はなんで自分だけ我慢してるのかと感じてしまいやすいです。男性の仕事に対して、女性側はなるべく理解を示したうえで、男性側もなるべく早く帰宅するように心掛けましょう。
少しの心遣いが嬉しいというのは万人共通でしょう。
女性が感じるストレス③妊活に協力的と感じにくい
実際に産むのは女性の方であるからか、女性は自分に責任を感じてしまいやすい傾向があります。妊活に対しても、女性の方は最初から熱心になれますが、男性は実際のところ、何をして良いか分からないという場合も少なくないようです。
男性側が実際に非協力的なケースもあるものの、男性側としても努力している場合もあるので、不満を抱え込まず、実際にして欲しいことをお願いしてみましょう。
女性が感じるストレス④”仲良し日”のタイミングが合わない
妊娠率を高めるためのタイミングが合わないと女性はストレスを感じやすいです。1カ月間、この日のために食事に注意し、体調を整えて、努力してきたのにと思ってしまいやすいからです。
男性側もそんな女性側の気持ちに答えてあげましょう。今回は無理になったという場合も、「ごめんね。来月は絶対ね」とか「すまなかったね。どうしても外せないことだったから」と素直に気持ちを表しましょう。
男性が感じるストレス①仕事の大変さを理解してくれない
仕事で遅くなっても女性側のパートナーが理解を示してくれないと男性としてはストレスが溜まってしまいます。妊活は夫婦2人でするものなので、やはりパートナーへの理解は必要です。
人によりますが、仕事は人生で家庭と同じくらい重要に考える人は多いです。「パートナーの大切なものは私にとっても大切なもの」と考えて、「でも、この時だけは妊活優先で」とお願いするのはいかがでしょうか。
男性が感じるストレス②コミュニケーションが取りにくくなる
お互い仕事が忙しくなったりすると、顔を合わせる時間も減ってしまい、物理的にコミュニケーションが取りにくくなります。日々のすれ違いが重なると、ちょっとしたことでイライラしてしまったりとストレスにつながりやすくなります。
夕食を一緒に取るのが難しい場合は、朝食は一緒に食べる、休日の午後のティータイムは行きつけの喫茶店で2人で過ごすなど、食事やお茶の時間を絡めて一緒にいるようにするとコミュニケーションは取りやすいです。
男性が感じるストレス③”仲良し日”のタイミングが合わない
男性側が仕事で疲れているときに女性側から迫られたり、男性がしたいときにできないことが続いてしまうとストレスに感じやすいです。タイミングは、男性側が時期がほぼ決まっている女性に合わせてあげるべきでしょう。
少々大変かもしれませんが、月間スケジュールを組んで、仕事なども前倒しできるものは前倒ししてタイミングを合わせてみましょう。
ストレス解消で不妊も解消!おすすめの方法は?
妊活中におすすめのストレス解消法にはどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、妊活中におすすめのストレス解消法を5つ紹介します。
- 夫婦で一緒に定期的な運動を
- なるべく家で自炊。食事担当は交代制で
- 週に1回の妊活会議
- 睡眠時間をしっかりと確保する
- 夫婦でお互いにお互いを優先する心持ち
以下で、1つずつ詳しく説明します。
夫婦で一緒に定期的な運動を
運動はストレス解消に効果的なので、夫婦で一緒に定期的な運動をしましょう。夫婦ふたりでできるとコミュニケーションの機会にもなります。
日中の適度な運動は、生活リズムを整えるので、生活の中に運動を取り入れましょう。一緒に運動すると、今まで見えなかったパートナーの一面も見ることができる可能性もあります。
なるべく家で自炊。食事担当は交代制で
食生活が偏るとホルモンバランスが乱れストレスの原因になります。なるべく自炊して栄養バランスがとれた食事をとることがおすすめです。夫婦ふたりでできるとコミュニケーションの機会にもなります。
妊活中は女性の体調が思わしくない時があるので、そんなときに備えて食事担当を交代制にするのもおすすめです。
週に1回の妊活会議
週に一回はまとまって話す時間を意識的に設けましょう。妊活のことについて話すのもいいし、単に近況を報告するための話の場でもいいです。
妊活中は意識の共有が特に大切です。妊活会議を活用して、しっかりコミュニケーションを取りましょう。
睡眠時間をしっかりと確保する
睡眠不足はストレスのもとです。睡眠の優先度をあげましょう。
起床時刻、就寝時刻を決め、睡眠時間をしっかりと確保しましょう。規則正しい生活リズムは健康の基本です。
しっかり眠って体と心を万全の状態にしておきましょう。
夫婦でお互いにお互いを優先する心持ち
自分中心の一人よがりな考えになると、パートナーに何かを求めてしまい、それがストレスのもとになります。お互いがお互いをケアし優先する心持ちがあればストレスはたまりにくいです。
妊活はパートナーと2人でするものです。相手を思いやり、妊活を成功させましょう。
まとめ
ストレスと不妊の関係性やストレスを溜めないための方法を紹介してきました。
ストレスが不妊の原因となる明確な根拠はありませんが、ストレスは生活の質を下げるので、健康的な生活が妨げられ、妊娠率が下がるというのは考えられます。ストレスを解消して不妊も解消しましょう。