※本記事は薬剤師が執筆しております※
「性欲には個人差があると聞くけれども、性欲が強い男性と性欲がない男性には特徴があるの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか?
性欲は男性ホルモン(テストステロン)だけでなく、脳の大脳新皮質に与えられる様々な刺激に影響を受けます。そのため、男性ホルモンの分泌量や過去の経験や記憶によって性欲の強さが変化します。
本記事では、男性の性欲が強弱する原因や年代別の特徴について解説しますのでご参考ください。
⽬次
- 男性の性欲とは?
- 性欲が強い男性に共通の特徴
- 男性の性欲が強くなる原因
- 性欲がない男性に共通の特徴
- 男性の性欲が低下する原因
- 男性の性欲の年代別の特徴や気をつけること
- 失った性欲を取り戻すためには?
- まとめ
男性の性欲とは?
性欲とは性的な満足を求める本能で、誰もが持っている欲求のひとつです。男性の性欲は男性ホルモン(テストステロン)と脳の大脳新皮質に与えられる触感、視覚、嗅覚などの刺激に影響を受けます。
テストステロンの分泌は20代前後がピークで、年齢とともにテストステロンの分泌は減少します。そのため、若い男性の方が年齢を重ねた男性よりも性欲が高いのが一般的です。年齢を重ねても性欲が高い方がいるのは、性欲は男性ホルモンだけでなく、脳への刺激にも影響を受けることが関係しています。
進化の過程で大きくなった大脳新皮質は知覚や記憶、思考などの高い脳機能を有しています。そのため、過去の経験や体験によって自信がある方、意欲的な方などは性欲が高い傾向です。逆に過去の性行為で失敗した経験がある方などは性欲が低くなる可能性もあります。
性欲が強い男性に共通の特徴
男性の性欲はテストステロンの分泌量が関係するため、性欲が強い男性には以下のような肉体的な特徴があります。
- 毛が濃い
- 筋肉質
- 若々しい
テストステロンは骨格や筋肉を成長させ、体毛など男らしい体を作る働きがあります。性欲が強い=テストステロンの分泌量が多いとすると、性欲が強い男性は、骨太で筋肉質な体型となり、体毛が濃くなりやすいでしょう。
運動選手の中には筋力の増強を目的に男性ホルモン剤を使用し、ドーピングで問題を指摘されることがあります。テストステロンは脳や精神面へも影響を与えると報告されており、男らしく、若々しい男性も性欲が強い傾向です。
男性の性欲が強くなる原因
男性の性欲が強くなる原因には触覚刺激、視覚刺激、嗅覚刺激やアルコールの影響などがあります。
女性との肌の温もりを感じると性欲がわく男性も多いのではないでしょうか。一般的に女性とのボディタッチやスキンシップなどの触覚刺激によって、性欲が強くなります。触覚が刺激され、過去の経験を思い出すことによって性欲が高まるでしょう。
また、色っぽい服装の女性を見たり、性的なビデオを見たり、女性のうなじを見たりと視覚が刺激されると妄想が膨らみ性欲が高まります。
インドネシアでは新婚夫婦が初夜を過ごすベッドにイランイランの花をまく風習があるように、香りなどの嗅覚刺激によっても性欲が高まるでしょう。
適度な飲酒によって、興奮状態になるため、性欲が強くなる男性もいます。しかし、過度な飲酒は性欲を抑える原因になるため、飲み過ぎには注意が必要です。
性欲がない男性に共通の特徴
性欲がない男性に共通する特徴は以下のようなものがあります。
- 女性に苦手意識がある
- やりたいことが他にある
- ストレスが多い
過去に女性からひどいことを言われたり、性交渉を拒まれたり、性交渉に失敗したりすると女性や性交渉に対して苦手意識を持ちやすくなります。その結果、性欲がなく恋愛にも興味がなくなる男性もいるでしょう。
責任ある仕事を任された、趣味に没頭したい、好きなアイドルに夢中など性欲を上回る欲望があると、やりたいことに没頭するため、一時的に性欲がなくなる可能性もあります。
常にストレスを感じ、疲れている男性も性欲がないかもしれません。自分の体を守るために、ストレスの軽減や疲労回復を一番に考えるため、性欲を感じにくくなります。
男性の性欲が低下する原因
男性の性欲が低下する原因には、加齢、疲れ、ストレス、薬の影響などがあります。年齢とともに男性ホルモンの分泌は減少するため、性欲は低下する方が多いでしょう。仕事が忙しくて十分な睡眠がとれず疲れがたまると性欲は低下しがちです。
ストレスや不安などの心理的要因も性欲に影響を与えます。過去の性交渉で失敗した経験や誘ってもいつも拒まれていると性欲が低下する原因となります。男性の性欲は肉体的と言われますが、精神的な要因も大きく影響しデリケートです。
AGA治療薬などの一部の薬の副作用で性欲減退が報告されているため、薬を飲みはじめてから性欲が低下すると感じる方は医師や薬剤師へ相談してください。医師の指示のもとで一時的に服用を中止すると、性欲が改善する可能性もあります。
男性の性欲の年代別の特徴や気をつけること
ここでは男性の性欲について年代別に特徴をご紹介します。また、年代別に気をつけるべきことなども解説していきますのでご参考ください。
20代の男性の性欲
20代はテストステロンの分泌量がピークを迎える時期であるため、多くの男性の性欲は強くなります。
様々な経験を通して大脳新皮質への刺激が増えると性欲はさらに強くなるでしょう。妄想が膨らみ、性欲がたまると女性とのセックスだけでなく、自慰行為で性欲を解消する男性も多くなっています。
一方で、草食系男子という言葉があるように20代でも性欲が強くなく、セックスをしたいと思えない男性もおり、個人差は大きいでしょう。仕事が忙しく、残業が多いと睡眠不足となり慢性的に疲労がたまります。その結果、20代でも性欲が低下する男性もいます。
30代の男性の性欲
30代の男性の性欲は35歳前後を境に変化します。30代前半は20代後半の延長、30代後半は40代の始まりです。30代後半になると、体力とともに性欲も落ちてくるため、妊活を考えている方は生活習慣などによりいっそう気をつけてください。
妊活をはじめて性欲が低下する男性もいます。妊活前までは普通にパートナーとセックスできていたのに、妊活をはじめたら「急に性欲がなくなった」「セックスが面倒」など性欲が減退したときは、パートナーと話し合い、病院受診なども検討する必要があります。
40代の男性の性欲
40代になると体の不調が出やすくなります。脂質異常症などの生活習慣病のリスクも高くなり、動脈硬化やテストステロンの分泌低下によってED(勃起不全)を発症する男性も増えてきます。
結婚している男性は、パートナーとのセックスの回数が減ることもあるでしょう。セックスは心身の健康にもいいとされているため、不足しがちな栄養と活力を補給して適度なセックスを行うことがおすすめです。年齢を理由にセックスレスが続くと、老化を加速させる可能性もあります。
50代の男性の性欲
50代になるとテストステロンの分泌が40代よりも減り、EDや男性更年期障害を発症する方もいます。「疲れやすい」「体がほてる」などの更年期症状は女性だけでなく、男性にも起こります。
管理職として勤め、いつもストレスがかかる状態という方も多いでしょう。テストステロンは脳にも影響を与えるため、テストステロンの分泌減少とストレス過多が重なり、性欲は40代よりも低下傾向です。
男性ホルモンは性欲だけでなく、健康維持にも影響します。男性更年期障害やEDかもしれないと感じたときは健康によりいっそう気をつけましょう。
失った性欲を取り戻すためには?
近年では若い方でも性欲がない男性が増えていると言われています。また、若いときに性欲が強かった方ほど、年齢とともに失った性欲を取り戻すためにはどうすればいいだろうと悩んでいるのではないでしょうか。ここでは性欲を高める方法を3つご紹介します。
食生活の見直しや運動で、生活習慣を改善
性欲を取り戻すには、生活習慣の改善が大切です。質の良い睡眠や食生活の見直し、適度な運動などを日々の生活の中に取り入れてみましょう。
質の良い睡眠によって体の疲労は回復するため、十分な睡眠をとると性欲が戻りやすくなります。睡眠不足は仕事のパフォーマンス低下にもつながりますので、早寝早起きを心がけ睡眠をしっかりとってください。
偏った食事や過度なダイエットによって性欲がなくなる可能性もあります。栄養不足になると体力も低下し、性欲に影響します。食生活を見直し、食事からバランスよく栄養素を摂りましょう。
適度な運動はストレス発散にも効果があるため、ストレスをためないように毎日の生活に運動を取り入れましょう。運動は続けることが大切です。運動によって血行が良くなると、代謝もよくなります。
サプリメントなどで効率的に栄養と活力を補給
サプリメントなどを活用して効率的に栄養と活力の補給を試してみるのもおすすめです。食事からだけでは不足しがちな亜鉛、葉酸、鉄やビタミンなどの栄養素をバランスよく配合されているサプリメント摂取は、手軽に取り組むことができます。
男性の活力源として有名なマカやすっぽんなどを毎日食事から摂ることは難しいでしょう。しかし、サプリメントを利用すると効率的に補給できます。
数種類のサプリを摂るときは、栄養素の摂りすぎに注意してください。また、サプリメントを選択するときは、効果、継続のしやすさ、安全性を重視して選びましょう。妊活中の方は妊活に必要な栄養素が網羅されている妊活専用サプリメントなどを活用するのもおすすめです。
泌尿器科クリニックなどで専門医に相談
食生活の改善や栄養と活力を補給するサプリメントを利用しても性欲が戻らないときは、泌尿器科クリニックなどで専門医へ相談してください。
性欲の低下が続くと性的な考えや空想を抱くことが減って性行為が減ります。視覚や触覚などの刺激を受けても性欲がわかず、ED(勃起不全)につながる可能性も考えられます。生活習慣を変えても性欲が改善しない場合は早めに病院を受診することをおすすめします。
性欲の低下を放っておくと、妊活や婚姻関係へも影響を与える可能性があります。性欲低下からEDを発症すると、性交渉がない期間が長く続くこともあるでしょう。EDが「婚姻を継続することが困難な重大な事由」に該当するとみなされた場合、法律的に離婚の原因になることもあります。性欲を取り戻すために、クリニックを受診して専門医に相談しましょう。
まとめ
男性の性欲は男性ホルモンと大脳新皮質への刺激によって影響を受けます。性欲は個人差が大きいですが、性欲が強い男性と性欲がない男性には特徴があります。
加齢とともに性欲は減少傾向となりますが、失った性欲を取り戻すためには、生活習慣の改善とサプリメントの利用がおすすめです。手軽に始められるため試してみてください。
自分で対処できる方法を試しても性欲が回復しないときは、早めに病院を受診し専門医へ相談することが大切です。