※本記事は薬剤師が執筆しております※
50代の性欲の特徴、男性と女性の違いや性欲が無くなる原因を知りたい方は多いのではないでしょうか?
50代は更年期により男女ともに性欲が衰えがちだと思われていますが、人によってはむしろ性欲が増していく場合もあります。50代になると、自分以外の何かのために時間と気を遣わなくてよくなるので、個人差が大きくなってくるからです。
この記事では、50代の性欲の特徴、男性と女性の違いや性欲が無くなる原因を紹介します。ぜひ、最後まで読んでください。
目次
- 50代の性欲の特徴は?
- 50代の性欲は、男性と女性で違いはある?
- 50代で性欲が無くなる原因とは
- 50代でも性欲が強くなる原因とは
- 50代夫婦が抱える性事情の悩みとは
- 50代から性欲を高めていく方法とは
- まとめ
50代の性欲の特徴は?
50代は更年期により男女ともに性欲が衰えがちだと思われていますが、人によってはむしろ性欲が増していく場合もあります。男女とも性ホルモンは減少しますが、性欲の源は男性ホルモンです。男性の性欲は若いころより減りがちですが、女性では男性ホルモンの割合が増えてくるので、人によっては性欲が増すということが考えられます。
しかし、ホルモンのほかに人間の性行動に影響を与えるのは、心理的要因です。年齢を重ねる間に、人は経験を積み重ね、その経験がその人を強くし、「人前で照れる」ことが減少してきます。したがって、人によっては若いころには考えられないような大胆な行動をとる場合もあります。
50代の性欲は、男性と女性で違いはある?
男性の場合は、男性ホルモンのテストステロン分泌が減少し、女性の場合は、閉経により卵巣の働きが衰え、女性ホルモンのエストロゲン分泌が減少します。
男性ホルモンは、健康維持に重要なホルモンで、女性も男性ホルモンが少量ながら分泌されます。性欲を起こす作用を持つのが男性ホルモンです。50代男性の男性ホルモンの分泌は低下しますが、50代女性の男性ホルモン分泌の割合は増加するので、人によっては若いころより強くなる場合もあります。
50代で性欲が無くなる原因とは
50代で性欲が無くなる原因にはどのようなものがあるでしょうか?
ここでは、50代で性欲が無くなる原因を3つ紹介します。
- 自分に自信がなくなり性事情から遠ざかる
- 更年期障害により性器の衰えを感じてしまう
- パートナーとの関係性に冷めてくる
以下で、1つずつ詳しく説明します。
自分に自信がなくなり性事情から遠ざかる
「どうせもう年だから...」と自分に自信をなくしていき、セックスから距離を置くようになってしまうことが原因になっている可能性があります。
「まだ若い」と口では言っていても、鏡の中の容姿、日々感じる自分の体力が確実に若い頃と同じでないのは本人が一番知っています。したいことが以前のようにできなかったり、自信があった肌にしわやシミが多くなったりというようなことが増えると、自信は少しずつなくなっていくこともあります。
性行為は体で行う行為です。フィジカルな部分で老いを感じ始めると、自然と距離を置くようになってしまうこともあります。
更年期障害により性器の衰えを感じてしまう
年齢による体の衰え(更年期障害)によって女性器・男性器ともに衰えを感じるようになってしまい、女性の場合はぬれにくくなり、男性の場合はたちにくくなります。
更年期障害は、性行為ができなくなることではありません。更年期障害によるマイナス要素もありますが、妊娠などの心配がなくなるなどプラスの解釈もできるので、考え方次第です。やっと自由な性交渉ができるという捉え方もあるでしょう。
パートナーとの関係性に冷めてくる
長年連れ添ってきた夫婦が、子育ての使命も終えると夫婦仲にも冷めがきてしまうという可能性もあります。夫婦関係の前半は家族のため、会社のためなど、誰かや何かのために我慢してきたので、何を今さら…と感じてしまうのかもしれません。
しかし、もしかしたらそう感じるのは自分だけで、パートナーは再び新婚当時の2人のころと同じように仲良くして、一緒に老いていきたいと思っている可能性もあります。自分に少しでも似たような気持があれば、歩み寄ってみると良いでしょう。
50代でも性欲が強くなる原因とは
芸能人でも、一般人でも普通なら「おじいちゃん」と呼ばれるような年になってから、子どもを持つ人もいます。
50代でも性欲が強くなる原因とはどのようなものでしょうか?
ここでは、50代でも性欲が強くなる原因を3つ紹介します。
- 自由な時間や自由な立場が手に入る
- 女性の場合、男性ホルモンの比率が増す
- 男性の場合、仕事の重圧から解放されてくる
以下で、1つずつ詳しく説明します。
自由な時間や自由な立場が手に入る
子育てや仕事など、自分以外の何かのために時間と気を遣わなくてよくなるので、本当に自分のために好きなことを好きな方法でできるようになります。
いろいろな関係からも解放され、また人の目も若い頃のように気にはならなくなるので、人によっては若い頃よりセックスも開放的に、そして自己の開放を果たすこともあります。
女性の場合、男性ホルモンの比率が増す
閉経により女性ホルモンが減ることで結果的に男性ホルモンの比率が高まり、性欲が増すようになります。男性ホルモンは性欲の源泉なので、人によっては、若い頃よりも性欲が増し、自己解放を果たす人もいるでしょう。
もちろん若い頃から性欲が強い女性もいるので、「閉経したけれど性欲は変わらない」と心配する必要なありません。あくまで、性欲は人それぞれです。
男性の場合、仕事の重圧から解放されてくる
30代や40代は働き盛りで、まだまだ上司もおり、上司から怒られることもあるので、忙しさも重なってストレスを溜め込みがちです。ストレスは性欲減退に繋がります。仕事のストレスが原因でEDということもあります。
50代になると年上が少ないので、「怒られる」回数も自然に減り、仕事から受けるストレスも減ります。したがって、このような50代男性の場合は、「性欲が強くなる」と言えるでしょう。
50代夫婦が抱える性事情の悩みとは
50代夫婦が抱える性事情の悩みとはどのようなものでしょうか?
ここでは、50代夫婦が抱える性事情の悩みを3つ紹介します。
- セックスレスが長年続き今更気まずい
- 性交痛によりセックスを気持ちいと感じにくい
- 性に関するすれ違いから浮気に...!!
以下で、1つずつ詳しく説明します。
セックスレスが長年続き今更気まずい
既婚者・交際相手のいる50代以降の男性の約6割がセックスレス、さらにその6割以上が「もっとセックスをしたい」と考えていると言われています。
この背景には、家庭で長い間、子ども達の親として過ごしてきて、この関係にある程度満足しているのに、「何を今さら」という気持ちが男女どちらにもある可能性があります。
性交痛によりセックスを気持ち良いと感じにくい
女性の膣がぬれにくいことで女性側も男性側も挿入に痛みを感じるようになってしまい、セックスを気持ち良いと感じられないこともあります。
男女とも「性交痛」があるセックスをネガティブに感じている可能性があります。実際、50代女性の約6割が「性交痛を感じる」と言われています。
性に関するすれ違いから浮気に...!!
性に関して男性と女性の気持ちがすれ違うことで、具体的な浮気という行動に走ってしまう場合もあります。
性欲はそのまま浮気や不倫に繋がる可能性があります。性欲が強すぎる男性では、妻だけでは満足できず、あるいは、妻に性欲がなくセックスレスになっていると、そこから性欲を持て余した男性が浮気に走る危険があることは覚えておいてた方が良いでしょう。
50代から性欲を高めていく方法とは
せっかく長い間同じ苦労をしてきたパートナーとは一緒に老いていきたいものです。パートナーと仲良くするために、ここでは50代から性欲を高めていく方法を3つ紹介します。
- 自分の気持ちに素直になる
- 薬やサプリメントに頼ってみる
- ホルモン注射を検討
以下で、1つずつ詳しく説明します。
自分の気持ちに素直になる
自分の気持ちを自分自身で抑圧してしまい、性欲を閉じ込めてしまっている人は多いです。
人生の半ばに来て、男性も女性も、自由な時間と自由な立場になったのであれば、人の目を気にするのはやめて、自分の気持ちに素直になりましょう。
自らが好まないのであればそれで良いですが、何かのために我慢したり、人目を気にしたりして、何かを決めるというのは好ましくないかもしれません。一度はしっかり自分と向き合って、パートナーと今後どのように過ごしたいか考えてみましょう。
薬やサプリメントに頼ってみる
男性の場合は薬やサプリメントでEDを治すことができますし、薬やサプリメントが自信を取り戻すことに繋がる場合もあります。
EDの薬やサプリメントを入手する場合は、薬の場合は医療機関で医師へ、サプリメントの場合は薬剤師へ相談の上、入手しましょう。相談しづらいという理由でネット通販で購入すると偽物を入手してしまう可能性があります。そのような場合は効果を実感できないばかりではなく、有害物質が混入していることもあり健康被害を生じる可能性もあります。
ホルモン注射を検討
例えば女性ホルモン注射によって性交痛は改善しうるので、何年も悩んでいる人は病院で相談してみましょう。
性交痛は女性ホルモンの分泌量が減ることが原因なので、女性ホルモンを注射すると大幅に改善できます。閉経の時間が長いほど粘膜の萎縮は進行し痛みは強くなってきますが、膣粘膜の萎縮がかなり進んでからでも、ホルモン注射後約1カ月で効果を実感できます。
2つ目の方法はローションです。症状が浅いうちであれば、ローションだけで痛みが抑えられます。女性ホルモン注射に不安がある、費用の問題でできない場合、ローションがベストの解決方法です。しかし、ローションは「濡れる」の代用だけなので、膣粘膜の萎縮が進行している場合は痛みを抑えられません。
まとめ
50代の性欲の特徴、男性と女性の違いや性欲が無くなる原因について紹介してきました。
50代になると、自分以外の何かのために時間と気を遣わなくてよくなるので、人によってはむしろ性欲が増していく場合もあります。パートナーと今後どのように過ごしていきたいかよく考えて、それから2人で話し合って、2人にとって良い方法を考えていきましょう。