※本記事は薬剤師が執筆しております※
「最近中折れしてしまって満足にできなくなってきた」
「中折れを防ぐにはどうしたらいい?」
このように性行為中に中折れを経験してしまうと、男性はとても落ち込んでしまいます。また、「次こそは失敗できない」というプレッシャーを感じてしまい、性行為に消極的になってしまうこともあり、深刻な悩みになりがちです。
この記事では、勃起の仕組みから、中折れが起きてしまう原因や防止対策などを詳しく紹介していきます。
目次
- 中折れとは何か
- 勃起の仕組み
- 勃起が収まるときの体のメカニズム
- 中折れしてしまう原因とは
- 中折れを防止する!対策方法を紹介
- それでも中折れが改善しない時は専門医に相談
- まとめ
中折れとは何か
中折れとは、勃起不全(ED)と言われる症状のうちの1つで、勃起ができても挿入中に少しずつ硬さを失い、萎んでいってしまう状態のことです。
性行為中に気分が高揚していても、中折れを経験すると高揚感が一気に失われてしまうため、パートナーとの関係性にも影響を与える場合があります。
中折れは、20代の男性でも約3.5人に1人は経験していることが分かっていて、意外と多くの男性が悩んでいる症状の一つです。
勃起の仕組み
中折れの対策に取り組む前に、まずは勃起の仕組みについて知っておくことが重要になります。
初めに、勃起は性的な刺激を脳が感知して、陰茎の神経まで伝達されて、陰茎海綿体の筋肉が弛緩することにより血管が拡張して、血液を陰茎海綿体内に一気に貯めこみ勃起が成立します。
この一連の流れのうち、一部でもうまくいかなくなると勃起がうまく起きにくくなります。
勃起が収まるときの体のメカニズム
それではどのようにして勃起が収まるのでしょうか。
一般的には、射精をして性的興奮が落ち着いてくると、ホスホジエステラーゼ5型という酵素が影響して、拡張した血管を収縮させていきます。すると、陰茎海綿体に溜まっていた血液は減少していき、勃起状態が収まっていきます。
中折れしてしまう原因とは
中折れしてしまうのは、先ほど述べたように、勃起が成立するまでの一連の流れのうちのどこかに不具合が生じていて、うまく進まないことで引き起こされます。
不具合が起きる原因には、大きく分けて3つありますので、詳しく確認していきましょう。
加齢によりホルモンが減少している場合
一般的に、男性は年齢を重ねていくことで男性ホルモンの分泌が少しずつ減少していきます。男性ホルモンが減少すると、性欲がなくなり、男性機能が低下していくので、加齢と共に中折れを経験しやすくなるのです。
また、加齢により動脈硬化が進行していき、血流が悪くなり、陰茎に十分な血液を送り込めなくなり、中折れすることもあります。
生活習慣が乱れている場合
生活習慣病とは、糖尿病、高血圧、心疾患など、食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒などの日ごろの生活習慣が積み重なって起きる病気のことで、これらの疾患は勃起不全(ED)の発症につながってしまいます。
偏った食事、運動不足、睡眠不足、過度な飲酒や喫煙が続いて生活習慣が乱れると、自律神経、ホルモンバランスが乱れて、勃起不全(ED)や中折れを引き起こしてしまいます。
精神的に不安定であったり不調である場合
過度なストレスや疲労、以前の性交渉での失敗などの精神的な不調は、自立神経のバランスやホルモンバランスを乱し、勃起不全(ED)や中折れの原因になってしまいます。
精神的な不調が積み重なると、うつ病などの精神的な疾患にもつながり、男性機能にも大きな影響を及ぼしてしまいます。適度にストレス発散を行い、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。
中折れを防止する!対策方法を紹介
中折れの原因が分かりましたが、どのような対策を取っていけばいいのか気になるものです。対策を取ることで、中折れは防止することができます。
ここでは具体的に3つご紹介していきます。
まずは生活習慣を見直し健康的な生活を確立
喫煙は控えて、過度な飲酒はしないようにしましょう。睡眠時間を7〜8時間は確保し、しっかり休息を取ることも重要です。
食事のバランス見直し、適度な運動を継続することで、生活習慣病を予防、中折れ防止に効果が期待できます。食事は亜鉛やシトルリン、アルギニンを多く含む食材を取り入れて、それでも栄養バランスの偏りが気になる場合は、サプリメントを上手く活用して栄養を補充するのもいいでしょう。
運動強度は、息が弾んで、汗がにじむ程度と言われています。あまり運動強度が大きくなると体を消耗してしまい、運動習慣が続かなくなることがあるので注意しましょう。
勃起の力強さを高めるためのトレーニング
勃起をするためには、自律神経やホルモンバランス、血流など様々な要素が必要ですが、勃起に必要な筋肉を鍛えることも有効な手段になります。
具体的には、「金魚運動」や「肛門締めトレーニング」があります。
金魚運動は、うつぶせになって、足首を立てて腰を左右に動かします。
肛門締めトレーニングは、ゆっくりと肛門の筋肉を締めて、そのまま10秒キープし、緩めるを繰り返すことで骨盤底筋を鍛えることができます。
家で手軽にできるトレーニングなので、チャレンジしてみましょう。
サプリメントで効果的な栄養摂取
男性機能に効果的な栄養素は、亜鉛、アルギニン、シトルリン、マカなどがあります。
ED治療薬を使うには病院に通う必要があるので、サプリメントだと手軽に始められるのがメリットです。栄養素を食事で補うことは可能ですが、サプリメントの方が効率的に摂取できるのでおすすめです。
サプリメントでも、持病や薬との飲み合わせに気を付ける必要があります。使用上の注意事項をよく確認しましょう。
それでも中折れが改善しない時は専門医に相談
食事、運動、睡眠など、様々な対策を行っていてもなかなか改善しないときは、治療が必要な疾患が隠れていることもあります。専門の医師に相談しましょう。
中折れは、ED治療薬で改善する可能性があります。治療薬には、持続時間や食事の影響、服用後の効果発現時間など、それぞれ特徴があるので、持病や実際の中折れの症状に応じて適切な治療薬は変わってきます。医師とよく話し合い、納得できるものを選びましょう。
まとめ
加齢とともに、男性ホルモンの減少や健康状態の悪化が出てきて、中折れを経験する人は決して少なくありません。しかし、大きなショックを抱えてしまう男性は多くいます。
普段から良質な生活習慣やトレーニング、サプリメントを取り入れて、中折れ防止対策を日頃から行いましょう。それでも改善しない場合は、病院に相談して、勃起不全(ED)治療薬を使って治療を行っていきましょう。