※本記事は薬剤師が執筆しております※
「心因性のEDかもしれない」
「心因性EDの特徴は?」
「自力で治す方法あるの?」
EDかもしれないと悩む男性は少なくありません。EDは主に4つの原因があり、その中でも心因性EDは若い方に多くなっています。心因性EDは治療せずに放置すると悪化しやすいため、病院を受診し医師の診断を受けることが大切です。
本記事ではEDの原因や心因性EDの特徴をご紹介し、心因性EDの治療薬と自分でできる改善方法について解説しますのでご参考ください。
⽬次
- 心因性EDとは何か
- 心因性ED以外のEDの原因は?
- 心因性EDにみられる特徴とは何か
- 心因性EDの疑いがある場合はまず病院へ
- 心因性EDを克服するには?
- まとめ
心因性EDとは何か
心因性EDとはストレスや不安、緊張などによって、性的な興奮が陰茎まで伝わらず、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないことです。
若い世代に多く、仕事のストレス以外にも妊活のストレスなども影響します。排卵日に性交渉をすると妊娠する可能性が高くなるため、排卵日に性交渉をしなければいけないというプレッシャーをかかえ、EDを発症するケースもあります。
心因性ED以外のEDの原因は?
EDの原因は主に4つあり、心因性以外にも器質性、混合性、薬剤性の原因があります。それぞれ詳しくご紹介しますので続きをお読みください。
器質性ED
器質性EDは以下のような病気が原因で物理的にEDとなるタイプです。
- 加齢や生活習慣病による動脈硬化
- 過去の外科的な手術による血管損傷
- てんかんなどの神経障害
- 加齢による内分泌機能の低下
男性ホルモンは30歳ごろから分泌量が低下し、加齢とともに生活習慣病のリスクも高くなるため、年齢とともに器質性EDの患者さんは多くなります。
混合性ED
混合性EDとはEDの原因を1つに特定することが難しく、心因性・器質性、薬剤性EDが重なってEDを引き起こしていることをいいます。
薬剤性ED
薬剤性EDとは服用している医薬品の副作用が原因で起こります。EDの副作用が報告されている薬剤には降圧薬、抗うつ薬、前立腺肥大症治療薬、髄腔内バクロフェン(ITB)療法、非ステロイド性抗炎症薬などがあります。
全ての薬でEDの副作用が報告されているわけではないため、定期的に服用している薬がある方でEDかもしれないと思ったときは医師又は薬剤師へご確認ください。
心因性EDにみられる特徴とは何か
心因性EDにみられる特徴には以下のような特徴があります。
- 突発性
- 夜間勃起や早朝勃起はある
- 若年性
- パートナーとの関係性
突発性
心因性EDは急に発症する方が多いでしょう。器質性EDなどは年齢とともに徐々に勃起が起こらないことが増えますが、心因性EDは突発的に発症するケースが多いようです。
「昨日まではなんともなかったのに…」など、急に勃起しなくなった方は注意が必要です。
夜間勃起や早朝勃起はある
ストレスなどの精神的な原因によって起こるため、夜間勃起や早朝勃起はいつも通りにある方が多いようです。
夜間勃起や早朝勃起は性的興奮に関係なく、反射的に起きる現象です。夜間勃起や早朝勃起があるときは、勃起機能には問題ない、または問題があっても軽度だと判断されることが多いでしょう。
若年性
心因性EDは比較的若い人に発症しやすい傾向があります。経験が少ないと焦りやプレッシャーを感じる方も多いでしょう。また、過去に1度でも失敗した経験があると「またできないかも…」などと不安を抱え込んでしまいがちです。
仕事やプライベートが忙しく、睡眠不足になりやすいのも影響しているでしょう。
パートナーとの関係性
「排卵日にプレッシャーをかけられる」「出産後パートナーから嫌がられる」など、パートナーとの関係性から生じる不安やストレスなどで心因性EDを発症するケースもあります。
パートナーとの関係性が悪くなると、家庭内でいつも精神的なストレスを感じるため、心因性EDを発症しやすいでしょう。
心因性EDの疑いがある場合はまず病院へ
心因性EDかもしれないと思ったら、まずは病院を受診しましょう。心因性EDではなく他の器質性EDや薬剤性EDに該当する場合もあります。
心因性EDと診断する必要があるため、自己判断で対処せず、お近くの泌尿器科やED治療クリニックを受診してください。
心因性EDを克服するには?
心因性EDを自分で治すのは難しいため、病院を受診し、医師の指示に従いましょう。医師の指示や治療で以下の方法を提案されるかもしれません。自分でもできる方法を事前にはじめておくのもよいでしょう。
心因性ED治し方①ストレスを減らす
心因性EDの原因はストレスです。ストレスの改善には、不安や緊張を取り除きリラックスできる状態が必要となります。
ウォーキングなどの軽い運動をしたり、自然に囲まれきれいな空気を吸ったり、休養をとったり、好きなものを食べたりしてストレスを減らしましょう。
心因性ED治し方②パートナーと改善
パートナーに悩みを共有して一緒に改善する方法もあるでしょう。「またできないかも…」とひとりで悩まず、先に悩みを伝えておくと、できなくても、ふたりでスキンシップをするなどして楽しい時間を過ごせるかもしれません。
パートナーに相談すると、不安が消え自信の回復など症状改善のプラスとなる場合もあります。
心因性ED治し方③ED治療薬の利用
心因性EDはストレスなどが原因で、神経や血管に異常がないことが多く、ED治療薬が効きやすいといわれています。代表的なED治療薬はバイアグラです。使用できない方もいますが、副作用もほぼ認められないので医師の指示のもと試してみるとよいでしょう。
しかし、ED治療薬を服用してもすぐに絶好期に戻るわけではないため、ゆっくり改善するまで治療を続けることが大切です。
ネット通販などのED治療薬には偽造品などの危険性もあります。ED治療薬は医師の処方箋が必要な医薬品です。医師の診断を受け、国内で承認されているED治療薬を利用してください。
心因性ED治し方④サプリメントの利用
心因性EDを解消するためにサプリメントを利用することもおすすめです。男性の活力源となるマカやすっぽんなどに含まれる栄養素によって活力がわく可能性も高いため、1回試してみるのもいいでしょう。
また食事が不規則で栄養素が不足しがちな方は、不足しやすい亜鉛などの栄養素をサプリメントから摂るのもおすすめです。EDを解消するためのサプリメント選びは、配合成分や安全性、コストパフォーマンスを重視してください。
まとめ
心因性EDは若い世代に多く、早めに治療しないと、治るまでに時間がかかり、妊活に影響を与える可能性もあります。心因性EDかもしれないと思ったら、自己判断せず、すぐに病院を受診することをおすすめします。
心因性EDと診断されたときは、治療薬などと合わせてストレスの軽減を行い、サプリメントなども利用するとよいでしょう。