※本記事は管理栄養士が執筆しております※
「近頃調子がよくない」「もしかして年のせい?」と勃起不全に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。勃起不全には加齢のほかにも、ストレスや睡眠不足、食生活が原因の可能性があります。
この記事では、勃起力を改善するための栄養素や食べ物、取り入れやすいおすすめレシピを紹介します。
ぜひ参考にして、食生活を見直してみませんか。
目次
- 食事で勃起は改善できる?
- その食生活、勃起不全(ED)の原因かも?
- 勃起力を改善するための栄養素とは
- 勃起力を改善するおすすめの食べ物とは
- 勃起改善に効く食べ物を使ったおすすめレシピ
- まとめ
食事で勃起は改善できる?
勃起不全は加齢のほかに、ストレスや睡眠不足、運動不足、食生活の乱れなどから起こります。高血圧や糖尿病、肥満といった生活習慣病も原因となります。
そのため食生活を見直して、栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。食事を含めた生活習慣を変えることで、勃起不全の改善が期待できます。
その食生活、勃起不全(ED)の原因かも?
あなたは、次のような食生活を送っていませんか?
知らないうちに勃起不全になりやすい食事をしているかもしれません。
- 偏った栄養摂取
- 時間がバラバラの食生活
- 深夜に消化に悪いものを摂取
- 多量の飲酒
自分の食生活を振り返ってみてください。
偏った栄養摂取
偏った栄養摂取は勃起不全の原因になります。
あなたは1日に何品目の食材を摂っていますか?
普段の食生活を振り返ってみてみましょう。
バランスのよい食事のためには、1日に30種類の食材を摂ることが理想とされています。忙しくて朝ご飯を食べなかったり、昼ごはんがおにぎりやカップラーメンだけになったりといった食生活だと、食事内容も偏っている可能性が高いです。
できるだけ多くの食材が摂れるように、外食やコンビニで買い物する際には、サラダや小鉢を1品追加するなど工夫しましょう。
時間がバラバラの食生活
あなたは毎日同じ時間に食事を摂っていますか?
仕事に追われて、食事が遅くなったり、食事を抜いたりしてしまうこともあるかもしれません。
毎日同じ時間に食事を摂るようにした方が、消化器官がうまく働いて排便のリズムができるなど、身体の調子もよくなります。
食事の時間をそろえるには、平日と休日で起床時間や就寝時間が大きく変わらないようにするのも大切です。
深夜に消化に悪いものを摂取
仕事が終わるのが遅くて、夕飯を食べるのが深夜近くになることはありませんか?
また、飲み会などで夜遅くに、消化の悪いものを食べることが多い人は要注意です。
深夜や寝る前に消化しにくいものを食べると、体内でうまく消化されずに胃腸の働きの低下につながります。寝る2時間前を目安に食事を済ませるようにしましょう。
家に帰るのが遅くなる場合は、仕事の合間に軽い食事を摂るようにし、帰宅してからは油物を避け、野菜を中心にしたおかずにすると身体への負担がかかりにくくなります。
多量の飲酒
飲酒量が多い人は注意してください。飲みすぎは肥満や動脈硬化など、生活習慣病の原因となります。
1週間に1度は肝臓を休ませるためにも、飲まない日をつくりましょう。また、妊活中は飲酒を控えることが望ましいです。
1日の適正な飲酒量を純アルコールに換算すると、男性で20g、女性で10g程度です。純アルコール20gは、ビールだと中びん1本、日本酒だと1合を目安にしてください。
純アルコール20gの目安量
ビール |
中びん1本(500ml) |
日本酒 |
1合(180ml) |
ワイン |
グラス2杯(200ml) |
焼酎 |
グラス1/2杯(100ml) |
勃起力を改善するための栄養素とは
勃起力を改善するために摂取したい栄養素を紹介します。
- 亜鉛
- ビタミンE
- DHA・EPA
- アルギニン
- シトルリン
現代男性が不足しがちな成分なので意識して摂りましょう。
亜鉛
亜鉛は男性の前立腺や性腺に多く含まれており、男性ホルモンであるテストステロンの合成や精子の生成などを行います。
亜鉛の欠乏と性的な機能の低下には大きな関わりがあるため、積極的に摂るようにしましょう。1日の推奨量は成人男性で11mgです。
牡蠣やレバー、牛肉などおもに動物性食品に含まれています。
食品に含まれる100gあたりの亜鉛量(mg)
牡蠣 |
14.0 |
タコ |
3.1 |
豚レバー |
6.9 |
牛もも肉 |
4.5 |
納豆 |
1.9 |
出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性ビタミンの1つで、強い抗酸化作用をもちます。抗酸化作用とは、細胞の傷や老化の原因となる活性酸素から身体を守る働きです。
男性の生殖機能の維持のほか、動脈硬化予防や肥満予防、生活習慣病予防につながります。
ビタミンEの1日の目安量は、18~29(歳)の男性で6.0mg、女性で5.0mgです。魚介類やアーモンド、植物油に多く含まれています。
食品に含まれる100gあたりのビタミンE量(mg)
うなぎかば焼き |
4.9 |
いくら |
9.1 |
たらこ |
7.1 |
アーモンド |
29.0 |
ひまわり油 |
39.0 |
出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』
DHA・EPA
ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は必須脂肪酸の1つであり、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を下げる働きがあります。
肥満予防や血流がよくなることで、勃起不全にも効果が期待されます。
DHA・EPAはサンマやイワシ、サバなどの青魚に特徴的な脂肪酸です。体内で合成されないため魚料理を増やしたり、缶詰を家にストックしたりして積極的に摂りましょう。
アルギニン
アルギニンは、自然に存在するアミノ酸の1つです。タンパク質をもとにして体内でも合成される非必須アミノ酸ですが、成長期や外傷・感染時には十分な摂取が求められます。
免疫反応や細胞増殖、コラーゲン生成を促すほか、血流改善や勃起をサポートするといわれ、男性の妊活サプリに多く含まれています。肉類やアーモンド、大豆、牛乳などに含まれている成分です。
シトルリン
シトルリンは、体内で尿素回路を構成するアミノ酸の1つです。体内でアルギニンを増やし、一酸化窒素を産生することで、血管を拡張させて血液循環をよくします。
スイカやメロン、きゅうりなどの瓜科の食物に含まれている成分です。
勃起力を改善するおすすめの食べ物とは
亜鉛やアルギニン、シトルリンなど男性の性機能に関わる成分を多く含んだ食べ物を紹介します。
- 牡蠣や煮干しなど、魚介類
- アーモンド・落花生などのナッツ類
- スイカ・冬瓜などの瓜類
- コーヒー
- ブルーベリーなどの果物
- ピーマンなどの緑黄色野菜
- 卵や牛乳
ぜひ普段の食事に取り入れてください。
勃起改善食①牡蠣や煮干しなど、魚介類
魚介類のなかでも牡蠣はおすすめの食材です。セックスミネラルともよばれる亜鉛が豊富に含まれており、男性ホルモンの合成や精子の生成など生殖機能によい影響を与えます。
代謝やエネルギー産生に欠かせないビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB12などのビタミン類も豊富です。
そのほか魚介類はカルシウムがしっかり摂れて、DHAやEPAといったn-3系脂肪酸が豊富です。
血液中のLDL(悪玉)コレステロール値を下げ、HDL(善玉)コレステロールを上げる働きがあります。動脈硬化など生活習慣病を予防するためにも、魚介類は積極的に摂ってほしい食品です。
勃起改善食②アーモンド・落花生などのナッツ類
アーモンド・落花生などのナッツ類は、アルギニンが豊富に含まれています。アルギニンは血液の循環機能を改善し、男性機能をサポートすることから、妊活用のサプリメントに多く含まれているアミノ酸です。
また、ナッツ類はビタミンEも豊富です。ビタミンEは抗酸化作用をもち、男性ホルモンの分泌促進や生殖機能の維持に効果的だといわれます。
ぜひ間食にアーモンドやピーナッツを取り入れましょう。
勃起改善食③スイカ・冬瓜などの瓜類
スイカやメロン、冬瓜などの瓜類にはシトルリンが含まれています。シトルリンは体内で一酸化窒素をつくりだし、血管を拡張させることで血液循環を促します。動脈硬化の予防や手足の冷えの解消にも役立つといわれています。
瓜類にはシトルリンのほかにも、カリウムが豊富に含まれます。体内の塩分を調節するため、夏バテ予防やむくみ解消に効果が期待できます。
勃起改善食④コーヒー
コーヒーには、カフェインやポリフェノールが含まれています。
カフェインの効果として、眠気覚ましや血管の拡張作用、利尿作用が挙げられます。基礎代謝を上げて脂肪燃焼を促進する効果も期待されています。
ポリフェノールは抗酸化作用をもっているため、動脈硬化予防や老化予防につながるといわれています。
コーヒーが好きな人は1日3~4杯までを目安に楽しみましょう。
勃起改善食⑤ブルーベリー
ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、抗酸化作用が特徴です。細胞の老化を防ぐため、男性の性機能にもよい働きがあります。また、眼精疲労の回復にもおすすめです。
オレンジなどの柑橘類はビタミンCが豊富であり、ビタミンCも強い抗酸化作用をもちます。
野菜だけでなく果物でもビタミンが摂取できるので、普段果物を食べない人はぜひ食事に取り入れてください。
勃起改善食⑥ピーマン
ピーマンはビタミンCを多く含んでいる野菜です。ビタミンCを積極的に摂ることで、抗酸化作用が高まり、細胞や精子の老化を防ぎます。
また、ビタミンCは紫外線のダメージから肌を守ったり、コラーゲンの生成に役立ったりなど、きれいな肌を保つためにも大切な栄養素です。
ピーマンはビタミンC以外にも、ビタミンAやビタミンEといったビタミン類を豊富に含んでいます。ピーマン以外にもほうれん草や人参、かぼちゃなどビタミンが豊富な緑黄色野菜を積極的に摂りましょう。
勃起改善食⑦卵や牛乳
卵や牛乳は栄養価が高く、タンパク質を手軽に摂ることができます。食品が良質なタンパク質であるかどうかを判定するために、アミノ酸スコアという指標があるのを知っていますか?
卵も牛乳も、体内で合成されない必須アミノ酸をすべて含んでおり、アミノ酸スコアも最高値100であるため、栄養価が高い食品だといえます。
卵や牛乳はビタミン・ミネラルも豊富であり、簡単な調理で食べられるため忙しい朝ご飯にもぴったりです。
勃起改善に効く食べ物を使ったおすすめレシピ
勃起改善に効くオリジナルレシピを紹介します。
- 牡蠣とほうれん草・冬瓜のミルク煮
- ほうれん草と人参のアーモンド和え
- ブルーベリー×オレンジのヨーグルトスムージー
簡単に作れるレシピなので、自宅でぜひ作ってみてください。
牡蠣とほうれん草・冬瓜のミルク煮
材料(2人分)
牡蠣 |
6個(120g) |
水(下処理用) |
400ml |
塩(下処理用) |
小さじ2 |
塩こしょう |
少々 |
小麦粉 |
適量 |
ほうれん草 |
1/2束(100g) |
冬瓜 |
200g |
バター |
10g |
★牛乳 |
300ml |
★固形コンソメ |
1個(5g) |
塩こしょう |
少々 |
作り方
- ボウルに牡蠣・水・塩を入れてよく揉み、流水で汚れを落とす
- キッチンペーパーで牡蠣の水気を取り、塩こしょうをふって小麦粉をまぶす
- ほうれん草はゆでて幅4cm程度に切る
- 冬瓜は種とわたを取り除いて皮をむき、一口大に切る
- フライパンにバターを入れて牡蠣に焼き目をつける
- 調味料★と冬瓜を加え、牡蠣と冬瓜に火が通るまで煮る
- ほうれん草を加え、塩こしょうで味をととのえる
牡蠣やほうれん草、牛乳を使っているので、ビタミン・ミネラルをしっかり摂れるレシピです。
亜鉛やビタミンEは生殖機能の維持にもつながるため、男性の妊活にもぴったりです。
ほうれん草と人参のアーモンド和え
材料(2人分)
ほうれん草 |
150g |
人参 |
50g |
アーモンド |
10粒 |
★オリーブオイル |
小さじ2 |
★しょうゆ |
小さじ1 |
★砂糖 |
小さじ1/2 |
作り方
- ほうれん草はゆでて水にさらしたあと、水気をとって幅4cm程度に切る
- 人参は皮をむいて千切りにする
- 2の人参を耐熱容器に入れてラップをかけ、600Wのレンジで1分半加熱する
- ほうれん草と粗熱をとった人参、粗めに刻んだアーモンド、調味料★を混ぜ合わせる
ビタミン・ミネラルが豊富な緑黄色野菜と、ビタミンEが豊富なアーモンドを使った和え物です。一品付け加えることで栄養バランスをととのえてくれます。
ブルーベリー×オレンジのヨーグルトスムージー
材料(2人分)
冷凍ブルーベリー |
100g |
オレンジ |
1/2個(100g) |
ヨーグルト |
200g |
牛乳 |
50ml |
はちみつ |
大さじ1 |
作り方
- オレンジは皮をむいてざく切りにする
- 材料をすべてミキサーに入れてまぜる
ブルーベリーにはポリフェノールの1種であるアントシアニンが多く含まれており、抗酸化作用や眼精疲労回復が期待できます。
ヨーグルトと牛乳でカルシウムやタンパク質をプラスすることができます。ブルーベリーとオレンジを組み合わせることで、ビタミンが豊富に摂れる簡単デザートです。
まとめ
この記事では、勃起不全と食事の関係について記載しました。野菜不足を感じている人や油が多い料理をよく食べる人、夕食が深夜近くになりがちな人は、現在の生活習慣を振り返り、改善しましょう。
勃起力を改善するためのおすすめの食べ物も紹介しました。栄養が偏らないように、できるだけ多くの食材を組み合わせるようにしましょう。
紹介した3つのレシピはどれも簡単につくれるのでぜひ実践してください。健康や妊活において食事は大きな影響を与えます。自分の食事を見直し、気になることがあれば少しでもよくなるように行動しましょう。